いつも
ハッとさせられる
母方の伯父は
多才で
聴けば
若かりし頃は
歌舞伎役者を
目指していたとか
実家に行くたび
目にする
伯父が描いた水彩画も
侘び寂びが
滲み出ていて
小さく
じーんと
胸を打つ
時折
こうして
いただく
達筆
且つ
優雅で知的な文面からは
いつお逢いしても
まみちゃん。
そう変わらぬ呼び方で
語りかけてくれる
あの
柔らかな眼差しが
キリリ
浮かび上がるようだ
字は
人となりを表す
そして
選ぶ言葉は
その方の
奥行きを示す
日常
を
作品として
額装し
物語として
書き連ねる
そんなヒトに
ワタシも
なりたい
きっかけは
誰かの真似や
影響だったとしても
そこからの
足し算
引き算
で
独自の美学を
磨き
貫けるヒトに
いつか
ワタシも
なりたい
仕事中に
母から
着信履歴が
三度も残っていて
焦った
慌てて
折り返し
連絡を入れてみると
『あらあら、まゆみ
いや〜大した事じゃないとけどさ・・』
と
此方が
拍子抜けするような
いつもの呑気さだったので
ホッとした
『・・・で?』
と
内心かなり心配したんだよ〜と
悟られぬよう
ドライに
問いただすと
『平戸海に遭ったとさ〜』
と
サラリ
ビッグニュースを
ぶち込んできたので
『え〜っっ!!』
と
マスオさん並みに驚いた
聴けば
近所の歯医者さんに行った際
平戸海関が
後援会の方々と
挨拶回りをされている様子だったという
『大きかったやろ⁈』
実際に見た事があるワタシは
熊の話でもするように
母に訊ねると
『いや〜小さかったねぇ
でもニコニコする訳でもなく
なんか好感持てたねぇ〜』
と
それ、全部マイナス要素じゃね⁈
そんなツッコミを入れたくなるような
独自の視点、観点を披露してくれた
『でね。
何か伝えなきゃって想って
走り出そうとする前に
クルマに駆け寄ったら
窓をね開けてくれたのよ。
だから一生懸命考えて
いつもみんなで応援しています!
ウチのムスメが大ファンなんです!
って伝えておいたから〜』
そう手柄を報告し終えて
ミッション完遂と云わんばかりに
満足げに
受話器の向こうで
ケラケラ
笑った
平戸海関の中で
ムスメ。が
どの年代に変換されたかは
定かではないけれど
咄嗟にそれを伝えてくれた母の
ガッツには
深く感謝したいなぁと想う
昔から
優しさ100%なルックス
なのに
か・な・り
根性と毒を併せ持つ
ワンダーウーマンな母は
ずっと
ワタシの憧れ
一見
真逆なタイプだけれど
咄嗟の行動パターンや
思考と嗜好は
年々
似てきたなぁ・・
と
想う
いつか
元気なうちに
一緒に
九州場所でも
観に行きたいなぁ
いつか。
を
引き延ばし
引き延ばし
ずっと
ずっと
元気でいてほしい
来年は
いよいよ
80代
次に
想いがけず
着信があった時は
ぜひ
『あらあら、まゆみ。
大したコトじゃないんだけど・・
今日、(大谷)翔平に会ったとさ!』
とか
ぶちかまして
欲しいなぁ(笑)
母の愛
娘の愛
いつまでも
浮き足立って
浮かれ合って
面白可笑しく
生きていこうねぇ