させぼ moonlight serenade

自身の取扱説明書です
きっと

タンペンショウセツ

2024-12-21 17:08:00 | 日々のこと



喪った時に
読みたくなる
短編小説がある


正確に云えば
喪ったコトに
捉われそうになった時
かしら


大切なヒトとの別れ
には

よしもとばななサンの
『ムーンライトシャドウ』


そして
まだ若い痛みでもある

愛犬との別れ
には


江國香織サンの
『デューク』





喪失の直後には
なかなか
開けなかった
けれど
寒い季節が到来し
否が応でも
淋しさが
ザザザァと
覆い尽くしてきた夜に
久しぶりに
読んでみた


あぁ哀しい・・・

あぁ解る・・・


一緒に居た時間を
想い起こすと
ヒトandイヌ
ではなく

ヒトandヒト
または
イヌandイヌ
だったような気がしてくる

つまりは
主従を超えた
恋人のような
心友のような
親子のような
夫婦のような
フタリ。
だったんだ


デュークのように
ジェームスディーンみたい
とは
いかないけれど

時折
愛犬の生まれ変わり⁇と
想わせるような
出遇いもあったりして
(犬やら植物だけどね)

代わりはいないと
強く実感しつつも
不意に
愛犬の気配。を
グッと近くに
感じる機会になったりして
救われたりもする


二度と逢えぬモノとの間に
漂う感情の中で
いちばん
厄介なのは

『後悔』



ああすればよかった
こうすればよかった
ほんとうは
ただ
戻れない時間
実感するためだけの
反芻に過ぎぬのに


何かを為したから
シアワセで

何かを出来なかったから
シアワセじゃなかった

そんな
簡単な図式で
結びついていたワケじゃない


短編小説を
読み返すたびに

そう
後悔とやらは
少しずつ
少しずつ
薄れていく


わかりやすいのは


たしか
最初に読んだ時は
声を出して泣いた

ケモノみたいに
ウォンウォン


でも
昨夜は
片側(たしか右眼)からしか
涙は溢れなかった


淋しさは
薄れぬけれど


後悔やら
哀しみやらは


どんどん
希釈されているようだ


時間。
という
戻れずとも
生きるモノには
みな
ひとしく
与えられる

踏み出すコトで
読み進められる
短編小説
おかげで




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