瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

うる星感想その7 ―TVアニメ191話~218話迄―

2007年10月07日 23時48分11秒 | 漫画&アニメ
前回の続き…遂に最終回迄到ります。



・第191話 スペースサバイバル!食うのは奴らだ 脚本△ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…冒頭は美味しんぼのパロですな。(笑)それぞれの食卓がキャラに合って思えました。ただのラムオタクじゃないメガネを久し振りに見れた事が嬉しい。何につけても拘る…それがメガネなのだ。脚本書いた土屋氏、ナイス。まぁ大体の話は原作通りなんですけどね。でも汁粉のビッグウェーブにはウケた。汁粉最強。(笑)無茶苦茶ラストにかつての「うる星」を見たようで、何となく懐かしく感じてしまった…。


・第193話 愛の襲撃!ロマンチックがとまらない!! 脚本△ 演出○ 作画△ マニア度△ 総合○

…サンバイザーにポシェット提げた格好のラムが可愛い。買物シーンがファンタジックで良いな~。キューピッドの矢に射られ、「可憐だ…!」と呟く男のモデルは、多分宮崎監督かと。(大笑)久方振りにあたるの激走が見られて嬉しかった。ちなみに作監「黒田佐武郎」の正体は林隆文氏です。(絵で判るけど)


★第196話 大波乱!竜之介が初めて水着を着る時!! 脚本○ 演出○ 作画○ マニア度○ 総合○

…短い原作を巧く膨らまして、巌流島の決闘に仕立て上げた構成力が見事。
最初に決闘場面を映して興味を呼び、次にその過程を映す…目新しい技法じゃないんだけど、1本通して観て、実に面白い。
原作では登場しないキャラでも、浮上がる事無くちゃんと役をこなしてるし。
話を面白くするのに必要なのは、世界構築力なのだな~と心底感じ入った回でした。
…ただ心情的に、成仏しちゃったキャラまで登場させないで欲しかったなと…細かい事気にして申し訳無いが。(汗)


★第200話 星に願いを!あたる一家は欲望パニック 脚本△ 演出○ 作画△ マニア度△ 総合○

…個人的に、TVシリーズ最後の傑作と思ってる。(苦笑)
主役はなんとあたるの父ちゃん。
サラリーマンの悲哀がひしひしと伝わって来る前半は、うる星らしからぬ展開に思えたり。(笑)
だからこそ多少クサイあのオチが活きる訳ですが。
ディーンシリーズになって、訳の解らん心象風景を話の途中に挟む事が増えたのですが(汗)…今迄と違い、それが浮上がってなく思えたのは良かった。
これは演出を担当した吉永氏の力でしょう。
後半、作画が荒れたのは残念でしたが、後味の良い傑作でした。


・第201話 くちづけ宅急便!ダーリン初めてのヤキモチ! 脚本△ 演出△ 作画△ マニア度○ 総合△

…反対に心象風景が変に浮上がって思えちゃう回。(汗)シュールさを醸してる積りかもしれないけど、他場面をほぼ原作忠実にしてるだけに、そこだけノリが違うと目立つんですよ。(汗)作画に△付けてますが、あたるが廊下を駆けるシーンは、動きの面白さに要注目。原画を担当したのは門脇孝一氏とか。それとチビラムちゃんが可愛い…こちらは中嶋敦子氏が原画を担当したそうな。


・第208話 新春パニック!面堂家人間すごろく大会 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度△ 総合○

…新春お遊び話だった原作を、巧くアレンジした事に感心。キャラをコマにして遊ぶなんて、あの一家なら如何にもやりそう…ナイスなアイディアで御座いました。オチは最初から読めちゃったけどね。作監を担当したのは古橋一浩氏…後に『らんま』や『逮捕しちゃうぞ』等の作品で、名演出家とファンから評判を呼ぶ方です。珍しくスカート履いたラムちゃんが、普通の女の子っぽい可愛さを醸してる。


・第213話 ハチャメチャ!ランちゃんの巨大人形!! 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度△ 総合○

…巨大人形まで出したのに、今一盛上らず終ったのは残念。良いアイディアだと思っただけに、いっそラストで爆発させる等の工夫が欲しかった。後半より前半のドタバタのが面白く感じられてしまったのは残念…終り近くなって、大人しくなって行く「うる星」に哀愁…。


・第215話 早く来てダーリン!ラムの危険な結婚話 脚本△ 演出△ 作画○ マニア度○ 総合△

…中嶋敦子氏、遂に初作監。ラムちゃんの目がキラキラしてて可愛かった。(笑)平野氏のアドリブ「るんちゃっちゃ」ソングも可愛い。お話の方は見事なダイジェスト版。原作4話分を一気にやろうってんだから当り前。(汗)「あたるがラムを助ける」事から、最も人気の有るエピソードだっただけに勿体無い。どうしても前後編に分けられないと言うなら…せめて纏め方を工夫して欲しかった。あれじゃ漫画読んでない人には、話がよく見えないだろうと。(汗)しかも前回214話と同じオチって…。(汗々)


・第218話 オールスター大宴会!うちらは不滅だっちゃ!! 脚本× 演出× 作画○ マニア度○ 総合△

…遂に迎えた最終回。
一見華々しくも、何処か「いっぱいいっぱい」な感じが漂ってたのが哀しかったです。

当時のアニメ雑誌記事によると、「謎の招待状」はスタッフからキャラに送った物だったとか。
成る程~と思いつつも…そういう設定は、記事を読んだファンにしか解らんだろうと。(汗)
原作漫画を読まず、アニメ雑誌もチェックせず、お茶の間でTVを楽しむだけっつうファンだって居るんだから。
あたるとラムのキスシーンにしたって、作り手はサービスの積りだった様だけど、何で2人がキスしなきゃならんのか「?」に感じる唐突さ。
マニアだけを相手に狭い世界で作った事が、アニメうる星の人気を縮小させた原因だと、自分は考えています。

作画は綺麗だったけど、今一爆発が足りず…。
こちらも「これで精一杯」感が、ひたすら涙を誘いました。

後番は『めぞん一刻』っつう事で、響子さんが箒掃きつつ登場。
出るとは思ってたが…どうせなら芝居させれば良かったのに…それこそ「サービス」で。(笑)



…アニメうる星が終る情報は、結構前からファンの間で流れてました。
映画4作目はそのフィナーレを飾る作品だと捉えられてたし、スタッフもその積りで多くを映画制作に回してた。
だから終盤のTV作品は、そりゃあ悲惨な出来続きでしたよ。(汗)
巧い原画マンが足りなくて作画が崩壊したし。(1990年代後半のアニメと比較すりゃ、可愛いものだったけど)
もっと悲惨だったのは演出…ディーン時代、まともな演出を見せて下さってたのは山崎氏と吉永氏の2人だけだったってのに…その2人が映画制作組に行っちゃったから。(汗)
残った演出家の鈴○氏は、オチを付けずに話を無理矢理〆たりと、色々と問題有る方でした。(汗)
何か「うる星ファンは原作読んでてアニメ雑誌も隈なくチェックしてるのが当り前」と捉えてる様にしか思えん演出の仕方でね…。(汗)
後にこの方、『らんま』の映画2作目を監督したのですが……その時は凄い演出が巧くなっててびっくりした。
作画の巧さと古橋一浩氏のコンテの良さが理由の一部に有るとしても(笑)、その著しい成長に感動してしまった。
そうだね…誰だって最初から巧い人なんて居ないし…でも「うる星」やってた頃の氏の演出は、失礼ながら本当に酷いものだったんすよ。(苦笑)



「原作付アニメ」が語られる時、必ず「アニメうる星」は採り上げられる。
コアな人気を持つ原作を元にしながら、ファンに少なからず受け容れられた。
…その事から原作付アニメの理想形として、今でも語り継がれて居るのです。

採点にはかなり偏見が含まれてますが(苦笑)…これを読んで少しでも興味持たれた方は、何時かDVDなりビデオなり借りて来て、御覧になって下さいませ。
★印付けた回は、も絶対お薦めですから。
コメント
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