前回に引き続き、横浜で薔薇が美しいスポットを巡ります。
今年は既に終了しちゃってますが、横浜では毎年5月初旬~下旬迄「ローズウィーク」と称して、街全体で薔薇フェスタを開催しております。
「Week(ウィーク)」と言うより「Month(マンス)」じゃないかとのツッコミはさて置き、使われる会場の数が年々増えて行って、今年は山下公園、港の見える丘公園、横浜山手西洋館、アメリカ山公園、横浜イングリッシュガーデン、八景島バラ園、こども植物園の他、大さん橋ホール、日本大通り、神奈川近代文学館ホール、横浜情報文化センター6階ホール、横浜高島屋デパート、クイーンズスクエア横浜で薔薇関連のイベントが開催されました。
更に横浜市内全域でスタンプラリー、主だった飲食店では薔薇を使用したスイーツや料理を提供等々、街全体が凄い入れ込み様で、来年以降どこまでインフレが進むか気になる所であります。
余談ですが自分が住んでる街も薔薇で売り出し中でして、規模は横浜ほどではないにしろ、5月は駅の周囲が薔薇ですっかり覆われます。
薔薇は咲いてる期間が比較的眺めな為、町興しの題材に都合良いんでしょうな。
閑話休題、前回寄った「港の見える丘公園」正面出入口より道を戻る形で、外国人墓地沿いに山手地区を歩きます。
すると見えて来るのが横浜山手西洋館の内の1軒「エリスマン邸」…特に薔薇を中心に植えている風には見えなかったけど、白い壁に緑の鎧戸の木造2階建て住宅が、爽やかな新緑の風景に溶け込み絵になります。
薔薇園は無くとも初夏に思わず目を留めてしまう場所でしょう。
☆「エリスマン邸」…大正時代に生糸貿易商社シーベルヘグナー商会の横浜支配人だった、スイス出身のフリッツ・エリスマン氏の元邸宅。
建物の設計を手掛けたのは、チェコ人の建築家アントニン・レーモンド氏。
氏の師匠は近代建築の三大巨匠の1人、フランク・ロイド・ライト氏…日本では旧帝国ホテルの設計を手掛けた事で有名な方ですね。
アントニン・レーモンド氏も日本で様々な建築物を手掛けた事で有名、旧イタリア大使館日光別邸とか…wikiで手掛けた建築物リストを見るに、教会や学校が多い様に感じます。
エリスマン邸と言えば館内の喫茶室「しょうゆきゃふぇ」の生プリンが有名だったけど、何時の間にか元町の方に移転しちゃってたのね。
何時行っても行列が外まで続いてて、結局入店出来ずに終わった…今後行きたきゃ元町の方の店舗目指せば良いのか。
エリスマン邸を横に過ぎて、山手本通りを更に歩きます。
途中に同じく山手西洋館の内の1軒、「ベーリック・ホール」が建ってますが、ここも薔薇に拘った庭造りをしてるわけではないので、今回はそのままスルーし(御免なさい)、イタリア山を目指してどんどん道を上ります。
「山手」の地名通り、この辺り起伏に富んだ道なんで、洋館巡りするならスポーツシューズでも履いて来た方が無難。
山手本通りは車の通りも激しいので気を付けて…「イタリア山庭園前」バス停を目印に右折すれば、「ブラフ18番館」と「外交官の家」が建つ「山手イタリア山庭園」に到着です。
●横浜で薔薇が綺麗なスポット…「山手イタリア山庭園」…明治13年~19年まで、ここにイタリア領事館が在った事により、「イタリア山」と呼ばれるようになった場所。
水や花壇を幾何学的にデザインする等、イタリアで多く見られる庭園洋式を再現したガーデンが特徴です。
「外交官の家」と「ブラフ18番館」は元々この庭園内に建てられていたわけでなく、平成を迎えてから移築復元されたそうです。
↑薔薇をメインに初夏の草花が咲き揃った前庭…薔薇も然る事ながら、カラフルな葱坊主みたいな花が可憐です。
検索したら葱坊主じゃなくて、ユリ科の「アリウム・ギガンテウム」って花でした。
柔らかそうな見た目で思わず触れたくなる、勿論触れてませんよ。
高台に広がる庭園からは、横浜ベイブリッジや、みなとみらいの街並みを見下ろせます。
眺めを楽しみながらお茶を飲んで貰おうと、喫茶室「ブラフガーデンカフェ」がオープン、土日祝は観光客で賑わいます。
名物はオリジナルカップケーキだそう。
それにしても「外交官の家」での管理なのに、何故店名に「ブラフ」館の名前が付けられてるのか?少し不思議。
☆「ブラフ18番館」…関東大震災後に山手町45番地に建てられたと云う、オーストラリアの貿易商バウデン氏の元住宅。
戦後はカトリック山手教会の司祭館として使用されていたそうです。
「エリスマン邸」同様、白壁に緑の鎧戸の木造2階建て住宅で、震災の経験から防火目的でモルタル吹き付け仕上げが施されてるとの事。
建物の設計者や竣工年等、詳細は判明してないそうだけど、同時期に建てられたせいか「エリスマン邸」に造りが似て思えます。
違いは赤い瓦屋根…白い壁に赤い瓦屋根に緑の鎧戸、さながら御伽噺に出て来る家の様。
☆「外交官の家」…明治政府の外交官だった内田定槌氏の邸宅として、明治43年に東京渋谷の南平台に建てられた物を、ここイタリア山まで移築して復元したとの事。
設計者はアメリカ人の建築家、ジェームズ・マクドナルド・ガーディナー氏。
当初、氏は建築家としてではなく、立教学校の教師として来日したのだそう。
その後、立教大学校英語・英文学教授の地位に再び就き、英語教育に励んだとの事。
↑メルヘン調な見た目のブラフ18番館とは異なり、英国調で優美さを感じる外観。
19世紀後半にアメリカで流行した、アメリカン・ヴィクトリアン様式に影響受けてるとか。
アメリカ人の英国建築への憧れから生まれた建築様式か。
ブラフ18番館が太陽なら、外交官の家は月に譬えたい。
その外交官の家の後庭は、高低差を付けた噴水と幾何学模様の花壇が特徴のイタリア様式…館は英米風で庭はイタリア風というチグハグさが面白い。
↓で…ここからは去年の5月に撮影した写真になりますが(汗)、外交官の家の後庭に「小さな西洋館の丘」と題し、山手西洋館7館をモデルに造ったドールハウスが設置されていて、非常に人目を惹きました。
2017年に港の見える丘公園でのイベント用に設置していた物が、後に山手西洋館側に寄贈されたのだとか。
庭園内の丘に揃い踏みした小さな洋館…期間限定の撮影スポットにするには惜しい、是非再び観たいものです。
↑山手111番館
↑横浜市イギリス館
↑山手234番館
↑エリスマン邸
↑ベーリックホール
↑ブラフ18番館
↑外交官の家
…どれも精巧に造られてますね~、造った方素晴らしい!
各西洋館内にドールハウスが展示されてますが、戸外に展示するとリアリティ増して良い感じ、やはり家は内ではなく外に建てる物。
※今回紹介し切れなかった洋館については、山手西洋館公式サイトを御覧ください。
【続】
今年は既に終了しちゃってますが、横浜では毎年5月初旬~下旬迄「ローズウィーク」と称して、街全体で薔薇フェスタを開催しております。
「Week(ウィーク)」と言うより「Month(マンス)」じゃないかとのツッコミはさて置き、使われる会場の数が年々増えて行って、今年は山下公園、港の見える丘公園、横浜山手西洋館、アメリカ山公園、横浜イングリッシュガーデン、八景島バラ園、こども植物園の他、大さん橋ホール、日本大通り、神奈川近代文学館ホール、横浜情報文化センター6階ホール、横浜高島屋デパート、クイーンズスクエア横浜で薔薇関連のイベントが開催されました。
更に横浜市内全域でスタンプラリー、主だった飲食店では薔薇を使用したスイーツや料理を提供等々、街全体が凄い入れ込み様で、来年以降どこまでインフレが進むか気になる所であります。
余談ですが自分が住んでる街も薔薇で売り出し中でして、規模は横浜ほどではないにしろ、5月は駅の周囲が薔薇ですっかり覆われます。
薔薇は咲いてる期間が比較的眺めな為、町興しの題材に都合良いんでしょうな。
閑話休題、前回寄った「港の見える丘公園」正面出入口より道を戻る形で、外国人墓地沿いに山手地区を歩きます。
すると見えて来るのが横浜山手西洋館の内の1軒「エリスマン邸」…特に薔薇を中心に植えている風には見えなかったけど、白い壁に緑の鎧戸の木造2階建て住宅が、爽やかな新緑の風景に溶け込み絵になります。
薔薇園は無くとも初夏に思わず目を留めてしまう場所でしょう。
☆「エリスマン邸」…大正時代に生糸貿易商社シーベルヘグナー商会の横浜支配人だった、スイス出身のフリッツ・エリスマン氏の元邸宅。
建物の設計を手掛けたのは、チェコ人の建築家アントニン・レーモンド氏。
氏の師匠は近代建築の三大巨匠の1人、フランク・ロイド・ライト氏…日本では旧帝国ホテルの設計を手掛けた事で有名な方ですね。
アントニン・レーモンド氏も日本で様々な建築物を手掛けた事で有名、旧イタリア大使館日光別邸とか…wikiで手掛けた建築物リストを見るに、教会や学校が多い様に感じます。
エリスマン邸と言えば館内の喫茶室「しょうゆきゃふぇ」の生プリンが有名だったけど、何時の間にか元町の方に移転しちゃってたのね。
何時行っても行列が外まで続いてて、結局入店出来ずに終わった…今後行きたきゃ元町の方の店舗目指せば良いのか。
エリスマン邸を横に過ぎて、山手本通りを更に歩きます。
途中に同じく山手西洋館の内の1軒、「ベーリック・ホール」が建ってますが、ここも薔薇に拘った庭造りをしてるわけではないので、今回はそのままスルーし(御免なさい)、イタリア山を目指してどんどん道を上ります。
「山手」の地名通り、この辺り起伏に富んだ道なんで、洋館巡りするならスポーツシューズでも履いて来た方が無難。
山手本通りは車の通りも激しいので気を付けて…「イタリア山庭園前」バス停を目印に右折すれば、「ブラフ18番館」と「外交官の家」が建つ「山手イタリア山庭園」に到着です。
●横浜で薔薇が綺麗なスポット…「山手イタリア山庭園」…明治13年~19年まで、ここにイタリア領事館が在った事により、「イタリア山」と呼ばれるようになった場所。
水や花壇を幾何学的にデザインする等、イタリアで多く見られる庭園洋式を再現したガーデンが特徴です。
「外交官の家」と「ブラフ18番館」は元々この庭園内に建てられていたわけでなく、平成を迎えてから移築復元されたそうです。
↑薔薇をメインに初夏の草花が咲き揃った前庭…薔薇も然る事ながら、カラフルな葱坊主みたいな花が可憐です。
検索したら葱坊主じゃなくて、ユリ科の「アリウム・ギガンテウム」って花でした。
柔らかそうな見た目で思わず触れたくなる、勿論触れてませんよ。
高台に広がる庭園からは、横浜ベイブリッジや、みなとみらいの街並みを見下ろせます。
眺めを楽しみながらお茶を飲んで貰おうと、喫茶室「ブラフガーデンカフェ」がオープン、土日祝は観光客で賑わいます。
名物はオリジナルカップケーキだそう。
それにしても「外交官の家」での管理なのに、何故店名に「ブラフ」館の名前が付けられてるのか?少し不思議。
☆「ブラフ18番館」…関東大震災後に山手町45番地に建てられたと云う、オーストラリアの貿易商バウデン氏の元住宅。
戦後はカトリック山手教会の司祭館として使用されていたそうです。
「エリスマン邸」同様、白壁に緑の鎧戸の木造2階建て住宅で、震災の経験から防火目的でモルタル吹き付け仕上げが施されてるとの事。
建物の設計者や竣工年等、詳細は判明してないそうだけど、同時期に建てられたせいか「エリスマン邸」に造りが似て思えます。
違いは赤い瓦屋根…白い壁に赤い瓦屋根に緑の鎧戸、さながら御伽噺に出て来る家の様。
☆「外交官の家」…明治政府の外交官だった内田定槌氏の邸宅として、明治43年に東京渋谷の南平台に建てられた物を、ここイタリア山まで移築して復元したとの事。
設計者はアメリカ人の建築家、ジェームズ・マクドナルド・ガーディナー氏。
当初、氏は建築家としてではなく、立教学校の教師として来日したのだそう。
その後、立教大学校英語・英文学教授の地位に再び就き、英語教育に励んだとの事。
↑メルヘン調な見た目のブラフ18番館とは異なり、英国調で優美さを感じる外観。
19世紀後半にアメリカで流行した、アメリカン・ヴィクトリアン様式に影響受けてるとか。
アメリカ人の英国建築への憧れから生まれた建築様式か。
ブラフ18番館が太陽なら、外交官の家は月に譬えたい。
その外交官の家の後庭は、高低差を付けた噴水と幾何学模様の花壇が特徴のイタリア様式…館は英米風で庭はイタリア風というチグハグさが面白い。
↓で…ここからは去年の5月に撮影した写真になりますが(汗)、外交官の家の後庭に「小さな西洋館の丘」と題し、山手西洋館7館をモデルに造ったドールハウスが設置されていて、非常に人目を惹きました。
2017年に港の見える丘公園でのイベント用に設置していた物が、後に山手西洋館側に寄贈されたのだとか。
庭園内の丘に揃い踏みした小さな洋館…期間限定の撮影スポットにするには惜しい、是非再び観たいものです。
↑山手111番館
↑横浜市イギリス館
↑山手234番館
↑エリスマン邸
↑ベーリックホール
↑ブラフ18番館
↑外交官の家
…どれも精巧に造られてますね~、造った方素晴らしい!
各西洋館内にドールハウスが展示されてますが、戸外に展示するとリアリティ増して良い感じ、やはり家は内ではなく外に建てる物。
※今回紹介し切れなかった洋館については、山手西洋館公式サイトを御覧ください。
【続】