ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

平成23年度予備試験口述試験(刑事系)

2011年10月30日 22時32分31秒 | 刑訴法
甲と乙はAを共謀の上、暴行し、傷害を負わせたため、傷害罪で逮捕された。
そして、甲と乙は現在警察署にいます。

そこで、あなたは甲と乙両名の弁護士として選任されています。
この事案を前提に答えてください。

主査
甲と乙は早く解放されたいと言っています。
しかし、勾留請求がなされ、認められました。
あなたは勾留を解くためにどのような方法をとりますか?

ばぶち
はい、勾留理由開示請求、勾留の取消、勾留の執行停止を申し立てます。

主査
勾留理由開示請求は勾留を解くための手段ではありませんね。

ばぶち
はい。

主査
他にありませんか?

ばぶち
!準抗告を申し立てます。

主査
そうですね。
では、さきほど言った勾留の取消と準抗告は何が違うのですか?

ばぶち
えーと、勾留の取消は、勾留自体は適法であるが、その後の状況により勾留をする必要がなくなったので、取り消しを求めますが、準抗告は勾留自体の違法性を訴え、勾留自体が不適切であるため、解放するように求めます。

主査
そうですね。
では、裁判所は、勾留について、甲と乙の接見禁止命令をしました。
しかし、両名の弁護人であるあなたは甲乙と連絡を取りたい。どのような方法がありますか?

ばぶち
紙に取りたい連絡の内容を書くなどして、物の授受などを行うと考えられます。

主査
物の授受も禁止されているとします。

ばぶち
えーっと、あ、すいません、弁護人は接見禁止されないので、通常の接見の申し立てを行います。

主査
裁判所の接見禁止命令が80条、81条によってなされたからですね。

ばぶち
はい。弁護人は接見禁止されません。

主査
そうですね。弁護人以外の者の接見が禁止されるんですね。

では、接見禁止命令は継続されているとします。
甲の母親がどうしても母親に会いたいと言っています。
弁護人であるあなたは、どうしますか?

ばぶち
接見禁止命令が出ているので、母親を会わせることはできないため、母親に会って話したい内容を聞き、接見時に甲に伝えるという方法があると思います。

主査
なるほど。他に方法はありませんか?

ばぶち
母親が病気の場合などには、勾留の執行停止などにより会えると思います。

主査
確かにそうだね。もっと、接見自体ではないかな?

ばぶち
!接見禁止命令自体を取り消すように準抗告します。

主査
そうだね。準抗告をするんだね。

ばぶち
はい。

主査
では、甲と乙が勾留中に起訴されました。第一回公判期日前に、甲は「乙だけが殴ったんだ」と言い、乙は「俺は何もやっていない」と言っています。
この場合、どうしますか?

ばぶち
甲と乙から真実を聞き出すように説得します。

主査
それでも答えなかったら?

ばぶち
被害者に事件の状況を聞きます。

主査
うん、それは後でやるとしよう。他には?

ばぶち
えーーーーと、公判を分離して裁判をするように申し立てることが考えられます。

主査
分離するのね。他にはないかな?

ばぶち
えーっと。

主査
お互いに違うことを言っているので、あなたが甲に接見した場合に、乙がやったのかと聞き、乙と接見した時には、乙はやっていないんだよね、という矛盾したことを認めていくのですか?

ばぶち
えーーっと、それでは、弁護士倫理に反すると思います。

主査
何に反するの?

ばぶち
信義誠実義務に反すると思います。
えーっと、お互いに違う供述をしているので、片方の弁護人をおります…。

主査
おりる?辞任するということ?

ばぶち
はい、辞任します。

主査
両方?

ばぶち
いえ、…片方だけ辞任します。

主査
片方?ではどちらの方を辞任しますか?

ばぶち
えっと、甲を辞任して乙の弁護を続けます。
そして、もう一方に対して別の弁護士を紹介します。

主査
どうして乙の弁護を続けるの?

ばぶち
乙は自分はやっていないと言っているだけなので…無罪をとれる方向に働くかと。

主査
乙がやったのにやっていないということを裁判所に言うの?

ばぶち
えーーと、それでは、甲の弁護を続けたいと思います。
甲は乙がやったと言っていますので…。

主査
それじゃ、乙に罪をなすりつけるの?

ばぶち
いえ、そうなってしまうのはよくないので。
しかし、犯罪事実の立証責任は検察官にあるので、甲の無罪となるように働きかけるかと…。

主査
検察官は確かにそうだね。しかし、それでいいの?
両方辞任する?

ばぶち
いえ、いったん両方の弁護を引き受けたのに、両方とも辞めるのは簡単ですが、片方の弁護を続けるのが適切かと。

主査
両方をやめるのは簡単なの?

ばぶち
えーっと、両方をやめるより、片方の弁護を続ける方が適切かと。

主査
どう思いますか?(副査に対して)

副査
あなたが弁護人だとして、この場合、どうしますか?両方辞任しますか?片方だけ辞任しますか?
甲の弁護を続けて甲が嘘を言っているのですが、いいのですか?

ばぶち
えーーーと、両方辞任するのは、両方から引き受けているのですから、適切ではないと思いますので、私ならば片方の甲の弁護を続けるかと思います。

副査
わかりました。

主査
終わります。

ばぶち
え??

主査
終わりますよ。もう帰っていいですよ。

ばぶち
途中じゃないの?他の手続きは?
終わった…、落ちたかも…。片方の弁護はダメなのか???
また来年受ける気力があるのか…??




終わったあと、階段を下りるのも顔面蒼白だったと思います。



あとで聞くと、口述の質問は前半で終わっていたので、最後の質問のみこねくり回していたことになります。
待機中ずっと落ちたと思っていたので、早く帰りたくてすごくイライラしていました。

最後の質問で助け船を出してくれていたのに、誘導に乗れませんでした。

これだけが失敗です。これで落ちたらもう立ち直れないかもしれません。

しかし、聞く話によると、これだけで落ちることは無さそうですし、片方の弁護人を辞任して、片方に別の弁護士を付けるというのでもすぐに解放されていたようですので、色々試したかったのかもしれません。
利益相反という言葉は全く出てきませんでした。

平成23年度予備試験口述試験(民事系)

2011年10月30日 21時54分10秒 | 民訴法
事案は、
A 貸主(東京在住)
B 借主 行方不明(最後の住所は横浜)
C 保証人(大阪在住)

貸金200万円

主査
このような事案でAの弁護人として依頼されたPは誰にどのような訴訟を提起しますか?

ばぶち
Bに貸金返還請求を提起し、Cに保証債務履行請求を提起します。

主査
両方に訴え提起するのですか?

ばぶち
はい。

主査
一つの訴えでですか?

ばぶち
はい。併合提起をします。

主査
では、訴訟を提起する場合には訴状を提出する必要がありますが、どの場所に提出することができますか?

ばぶち
Bに対しては横浜地裁に公示送達を、Cに対しては大阪地裁です。

主査
公示送達ができるの?

ばぶち
はい、相手方を過失なく発見することができない場合に、最終の住居地である横浜地裁に公示送達できると思います。

主査
うん。では東京は?

ばぶち
できないと思います。

主査
なぜ?

ばぶち
被告の住所地が管轄になるからです。

主査
できる場合はない?

ばぶち
AB間やAC間で契約時に東京で裁判をするという合意があればできると思います。

主査
合意管轄ね。いや、そうではなくて、義務はどこで履行されるの?

ばぶち
!義務の履行地は、消費貸借の場合は、貸主の住居地でなすべきなので、東京地裁にも提出できます。

主査
そうだね。

ばぶち
はい。(ふう焦った。そうだそうだ。)

主査
では、弁護士であるPは、どこに訴訟提起するのが原告にとって有利になるかな?

ばぶち
東京です。

主査
そうだね。
では、Cへの訴訟を考えましょう。
その際に請求原因事実はなんですか?

ばぶち
はい、主債務である金銭消費貸借契約の原因事実、保証債務の契約、保証債務の契約が書面でなされることです。

主査
そうだね。それは条文はある?

ばぶち
はい、あります。えーっと、民法46*…

主査
460~??

ばぶち
条文を見てもよろしいでしょうか?

主査
いいですよ。落ち着いてゆっくり探して下さい。

ばぶち
(15秒ぐらいして)446条です。

主査
そうだね。
続いて、Cの弁護士Qが東京では遠いので大阪で裁判をしたいと考えている。この場合、Qはどのようなことができる?

ばぶち
管轄の…移転?移行…ができると思います。

主査
移行??

ばぶち
条文を見てもよろしいでしょうか?

主査
どうぞ。

ばぶち
(5秒ぐらいして)移送です。管轄の移送を申し立てます。

主査
そうだね。それは何法の何条ですか?

ばぶち
民訴法の17条です。

主査
そうだね。
民訴法の17条で移送の申し立てができる、と。

ばぶち
はい。

主査
この移送の申し立ては却下されました。
しかし、Cの弁護士Qは大阪で手続きをしたいと考えている。この時、何か方法はある?

ばぶち
はい、弁論準備手続きなどでも使われる電話会議システムです。

主査
それはどういう方法?

ばぶち
インターネットなどの電話回線を使用して、カメラとマイクで互いに音声や通話で会議をする方法です。

主査
電話は使えないの?

ばぶち
!はい、もちろん使えます。

主査
そうだね。電話を使用して手続きをすればいいね。
次に、借主であるBは行方不明のままなので口頭弁論期日に欠席しました。
Bに対しては、裁判所はどうする?

ばぶち
はい、Bは公示送達をされているので、欠席をしたとしても擬制自白は成立しません。
よって、Aの請求を認めることはできません。

主査
そうしたら、裁判所はどうするの?

ばぶち
Aに対してAB間の金銭消費貸借契約の契約書などの証拠を提出するように釈明します。

主査
証拠ということは、証拠調べをするということでよいのかな?

ばぶち
!はい、証拠調べ手続きを開始します。

主査
そうだね。
では、戻って、AC間の保証契約は書面でなされているわけだけど、Cは100万円だったはずだと言っています。
これは何にあたりますか?

ばぶち
請求の一部否認だと思います。

主査
そうだね。
では、契約書面はCの署名・押印があるんだけど、契約当時金額欄は空白になっていた。
この場合にはこの文書は真正に成立したといえる?

ばぶち
いえません。

主査
署名、押印の意味は?

ばぶち
Cの署名・押印があれば、Cが署名・押印したことが推定され、これによって、Cの意思に基づいて署名・押印したと認められます。

主査
では、文書の真正は成立すると?

ばぶち
はい、認められます。

主査
推定では?

ばぶち
!はい、推定されます。

主査
そうですね。
では、Cは財産があまりなく、目ぼしい財産はCが所有する建物でした。
この場合、Cはこの建物を処分しようとしています。
Aの弁護士Pはどのようなことをしますか?

ばぶち
民事保全の申し立てをします。

主査
保全の申し立て?

ばぶち
はい。

主査
どのような保全の申し立てをしますか?

ばぶち
本件は、金銭債権が目的物ですので、仮差押えの申し立てをします。

主査
では、申し立てがされました。仮差押えは、疎明だけで仮差押え命令は認められますか?

ばぶち
認められます。

主査
認められる?

ばぶち
はい。

主査
Aは何らかの支払いはいりませんか?

ばぶち
!はい、担保提供をしなければなりません。

主査
そうだね。疎明と担保提供だね。

ばぶち
はい。(そうだったのか。辰巳のハンドブックにあったかな?)

主査
ではその効力は?

ばぶち
はい、仮差押えによってCは建物を処分できなくなり、それは第三者に対しても及ぶと思います。

主査
わかりました。
では、AがBに対して訴えを提起しているけど、Bは行方不明ですね。
この場合、どんな意味があるの?

ばぶち
貸金債権の時効中断の効力が生じます。

主査
わかりました。
以上で終わります。

2011年10月30日 21時11分25秒 | 論文
本を大量に買いました。

これで口述で落ちていたら泣くに泣けない…。
クヨクヨしていてもしょうがないので、気を取り直して受かっていると思い、新司法試験に取り掛かります。



選択は労働法にしようと思います。

労働法の基本書は水町先生にしました。
労働法 第3版

判例百選も購入。
別冊ジュリスト No.197 労働判例百選 第8版

「憲法上の権利」の作法
憲法の急所―権利論を組み立てる
も購入しました。

宍戸先生のは難解すぎるという意見もあり、ちょっと躊躇しています。
とりあえず、上記2冊を読んで理解を深めます。

あとは過去問対策。
司法試験 上位合格答案再現集〈平成18~22年度〉


労働法も含めてLECの答練を受けようかと思います。
論文合格上位21~40%で、70%引き割引券がもらえるようです。

123人中41位なので、ちょうど30%でした。

口述試験

2011年10月30日 16時53分48秒 | その他
口述試験が終わりました。

とりあえず、11月10日の発表を待ちます。


刑事系は最後の質問のところ以外はすぐに終わったのですが…。

結構凹み気味です。


勾留取消と準抗告の違いは言えたし、
接見禁止命令は弁護人は対象外というのもすぐ言えたし、
母親の会いたいというのには、接見ができる弁護士に委ねて次回接見時に伝えると
言うと、母親は会いたいと言っているんだから、会わせる方法はなんかない?
母親が病気なら執行停止とか、
そっちではなくて接見自体は?
ってとこから、接見禁止命令を準抗告するのも言えたんですけどね。


最後の質問は、共謀による傷害罪で逮捕されている被疑者甲と乙の弁護人になりました。
しかし、甲は、乙がやったから俺は知らないといい、乙は、俺は、やっていない、と言っています。

あなたはどうしますか?

という問いでした。

色々とこねくり回し、
事実を色々確認します、
被害者に状況を尋ねます、
被疑者を説得します、
片方を辞任します、他方に弁護士を紹介します、
両方辞任します、

とか、言ったりして、

じゃあ、片方辞任するなら甲か乙のどちらを辞任しますか?

とか言われてドツボにはまりました。

被疑者の利益として守りやすい方とか言ったり、

両方辞任するのはどうですか?

いえ、いったん引き受けたのだから両方断るのはよくないと思います、
とかなって、ぐちゃぐちゃでした。

結局、片方の弁護を続けると思います、

と言ったところで終了しました。

ここだけに5分ぐらい掛かりました。
最初のはテンポよく5分ぐらいで終わったのですが…。


他の方も片方辞任して片方に別の弁護士を付けるって答えたと言っていたので、
上記でも問題ないような気がしますが…。

両方辞任するのが誘導での正解だったと思います。


これがどこまで響くのか…。