ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

カーナビと携帯電話による位置情報の把握

2013年04月21日 22時29分37秒 | 憲法
憲法の問題と刑訴法の問題とが考えられますが、最近は、カーナビ情報と携帯電話が結び付いて自車位置をサーバに送信して、集合知によって渋滞情報等を知ることができるサービスがあります。


これを例えば、レンタカーは犯罪に悪用されやすいから、カーナビと携帯電話を必ず装着させ、サーバに送信しなければならないとか、自動車に乗るには、このようなシステムを構築しなければならない、といった法律ができたとします。

これは、自己の居場所を知られたくないというプライバシー権の侵害に当たる可能性があります。


しかし、この情報は法律の手続きなければ開示されないとか、携帯電話情報は削除され、誰がサーバに送信したかは不明にさせる、k-匿名性といった状態にすれば、どうか、とかがありそうです。
もっとも、この場合は、捜査には役に立たないので、憲法上の問題にしかならなさそうです。


この集合知が活躍したのは、東日本大震災です。

この情報によって、通行規制が掛かっている道路や地割れなどで通行できない道路を把握することができました。


このことから、もっと進んで、携帯電話による位置情報をサーバに送り、緊急時の通行可能な帰宅路を探すことにも使えそうです。

分割、合併

2013年04月21日 12時49分31秒 | 商法
ようやく組織再編当たりの知識の整理が付きました。


事例で考える会社法にこの辺りの詳しい問題が載っていました。


新設分割や吸収分割の無効主張の原告適格者は、承認をしなかった債権者も含まれるが、いかなる債権者のことを指すかが難しいですね。



不法行為に基づく債務の債権者は、各別の催告が必要ですが、知れたる債権者のみに限定されます。

知れていない債権者を解釈によって広げることもできるようですが、条文の文言に反するので、説得性に欠けるような気がします。



知れていない債権者は、両当事会社に請求できるため、各別の催告は不要であるとする見解が立法担当者のようです。

これに対して、知れていない債権者は、催告を受けることができないが、保護を図るため、催告を受けることができたのに受けなかった債権者に含まれるとする見解もあるようです。



しかし、知れていない不法行為債権者が催告を受けなかった債権者に当たるとすると、承認をしなかった債権者にも含まれることになってしまい、分割無効の訴えが提起できてしまいます。


これは、会社分割において、不法行為債権者の存在を認識できないのに、無効の訴えを提起されるおそれがあるというのは、法的安定性を害するように思います。


条文上、知れたる債権者と規定し、知れていない債権者を除外したのは、意図的であり、上記のような不都合性を解消し、また当該債権者には、両当時会社に対して請求できるため、不都合はないからと考えられます。