Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

「おくりびと」を観る!~やっぱり、納棺師としてのもっくんがすごい!

2009-03-13 | スポーツ一般・娯楽
今日は、ついに話題のアカデミー賞における外国語映画賞受賞作、「おくりびと」を観た。今日の朝のテレビ番組で、音楽担当の久石譲氏がゲストででて、「おくりびと」のテーマソングをピアノで演奏しているのを見てから、友達を急遽誘って、さいたま新都心の人気の「シアターコクーン」へ出動。さっぱりした気性の頼りになるママ友、アヤちゃんが、愛車白のカローラで、送り迎えをしてくれるという大サービス。2人とも「ああ、本当に映画っていいですね!」という台詞がでそうな心境である。さすがに、中高年の観客が多かったけど・・・



とくに、ストーリーに大きな盛り上がりがあるわけでなく、淡々と1人の男の人のキャリアの転職を描く。納棺師という稀有な職業に焦点をあて、人間の生と死の根源を考えさせる。



遠い昔の祖父の葬式の場面の記憶をたどりながら、もックンの納棺師としての所作の美しさに魅入る。祖父が交通事故で突然亡くなったときは、どんな納棺だったのか、納棺師がどんなことをしたのか、まったく記憶にない。というか、そんな儀式はなかったのではないか。初めて目撃した納棺の正式な儀式が、静謐とした空間に輝いてくる。その儀式の中で、死者に化粧をほどこすと、死者に崇高なものさえただよってくる。見ている家族の驚異の視線。死者への悲しみが増す中で、死者に対して尊敬の念が強まる。死ぬということは、一段上の世界へ「旅立つ」ことへの準備という日本人の持つ独特の死生観。そう考えると、不思議と心が落ち着く。死への恐怖心がなくなる。

美しい東北の自然とともに、自分の原風景を振り返る。どこにでもある田舎の日本の原風景が、日本の文化によりそう。これは、私たちみんなが持っている原風景ではないだろうか。

日本人の尊い文化と自然観をこんな風に海外の人々にアピールできた映画。その結果が、アカデミー賞を受賞した。そのおかげで、そのことをますますさまざまな人々に知らしめることができる。日本人として、本当に誇らしいことだ。ありがとう!もっくん、滝田洋二郎監督、映画関係者の方たちみんな。そして、本当に受賞おめでとう!滝田監督は、「バッテリー」も手がけていると公式サイトにありました。

音楽担当の久石氏がおりなす、チェロの響きが、映画を盛り上げる。音が映像にはまりすぎて、気がつかないほどだ。東北の自然の中で、1人でチェロを演奏する主人公の姿が本当に美しかった。

このテーマを長年温め、映画化までもってきて、主演したもっくんこと木本雅弘氏は、20日に、このシアターコクーンで、埼玉県民栄誉章を受賞する。もっくんは、桶川市出身で、しぶがき隊に所属していたアイドル時代、甲子園常連校、浦和学院に通っていたのは、有名だっとの友達の話。それにしても、同じしぶがき隊にいて、現在朝の番組「はなまる」で司会をやっているやックンたちと大きく差が広がったものだ。でも、アカデミー賞受賞の次の日のインタビューで、やックンが親友の快挙を一番喜んでいたような感じがする。もっくんは、本当にまじめで、自分の信じた道を黙々と突き進む努力の人のような印象。また、この映画をもう一度見に行きたくなった。

http://prosv.pref.saitama.lg.jp/scripts/news/news.cgi?mode=ref&yy=2009&mm=3&seq=34

もっくん以外の脇役の味わい深い演技も光っていた。しぶ~い納棺師の社長を演じる山崎努、「天地人」の秀吉役で活躍中のベテラン俳優、笹野高史、もっくんの奥さん役の広末涼子など。暗い題材だから、明るく吹き飛ばすような笑いを誘う箇所も絶妙にはさまれている。久し振りに大いに笑って、ストレス解消!

「おくりびと」公式サイト:http://www.okuribito.jp/


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