仁、そして、皆へ

そこから 聞こえる声
そして 今

血の掟なら

2008年05月12日 12時43分03秒 | Weblog
 夢の中で美咲は紺のブレザーから脱ぎ始めた。視線の位置からヒカルは横になっているらしかった。目の前に美咲は立っていた。ブラウスのボタンをはずすとき、ヒカルと視線が合った。ヒカルは自分が妙にいやらしい顔をしていると思った。美咲はその視線をそらすことなくヒカルを見つめた。フッと笑うとブラウスをヒカルの上に落とした。視界をさえぎられたヒカルがブラウスを後ろに投げ捨てると美咲の顔と薄い布の乳首を隠すとすぐとレースのヒラヒラが申し訳程度についているブラが迫ってきた。スカートを脱ぐとパンストの下は下着をつけていなかった。美咲はしゃがみ込みながらヒカルの手を取り、起き上がらせた。ヒカルと対面すると振り向いた。ヒカルの前には背中に一本の線を描くようなブラのヒモがあった。小さなホックが一つ、そのヒモを繋げていた。後ろ向きの美咲がヒカルの手を取って、そのホックに導いた。ヒカルはそのホックをはずそうとした。たった一つのホックなのになかなか外れない。ヒカルは焦った。でも外れない、外れない・・・・・
するとノックの音がした。
ドアを開けると笑顔の美咲が立っていた。制服のようにいつもと変わらない紺のブレザー、ヒカルは夢の続きのようなおかしな感覚にとらわれた。視線が大きく開かれた胸に集中したまましばらく動けなかった。美咲はその視線に気づいたのか、右手でヒカルの目を押えて、
「上がっていいかしら」
ハッとしたヒカルは何も言わずにテーブルの前に戻り背を向けて座った。美咲は背中から覆いかぶさるようにヒカルに重なった。柔らかい感触が背中に伝わった。
「どうしたの」
耳元でささやいた。何枚も同じものを持っているのだろう。ほのかな石鹸の香りがした。ヒカルは美咲の右手を取った。するとポンとはじくようにその手を振りほどき、ヒカルの肩に手を回し、振りぬかせた。
「さあ、始めましょう。」
今までヒカルは気づいていなかったが、美咲はレッスン鞄のような黒い長方形の薄い鞄をいつも持っていた。その中からいつものテキストを出した。