残りを美咲が受け取ると、竹下はクルと振り向き
「美咲さん、時間です。」
と言って出て行った。美咲はチラシを鞄にしまうとヒカルの右手を取った。昨日と同じように自分の左胸に押し当てた。ヒカルの開いた掌の中指が外から見ても解るほど隆起した美咲の乳首に触れた。美咲はビクンと震え、一瞬、腰を落とした。ゆっくり顔を上げると愛くるしい先ほどの美咲の顔に戻っていた。哀願するような眼差し。舌を上唇にあて半分開いた口。抱きしめたい衝動にかられて、ヒカルは左手を伸ばした。美咲の肩に触れると美咲はイヤイヤをするように身体を揺すり、沈むようにして顔を伏せた。次の瞬間、美咲はゆっくりと手を離すと凛とした顔つきに戻り、姿勢を正してヒカルに向き直った。そして初めてヒカルのドアを叩いたときの笑顔に戻っていた。
「あなたのところにもう少しいたいの」
ヒカルはハッとした。その顔からは想像のできない声、それはヒカルの足にしがみついていた時の声だった。
「でも、次の人のところに行かなくちゃいけないの。」
「こんな気持ちははじめてです。堕落につながるかもしれない。でも・・・・」
美咲はその笑顔のまま涙を流していた。
「明日は、きっと竹下と同伴です。じゃまた。」
と言い終えると美咲はクルッと回転して出て行った。
ヒカルは混乱していた。理解できなかった。
あの笑顔は快活に言葉を伝えるときの笑顔だ。
あの笑顔は人を引き付け、制圧する時の笑顔だ。
でもあの声は・・・・・・
ヒカルはこれが夢の続きで、次にノックの音がしたとき、本当に目が覚め、あの笑顔の美咲がそのドアの前に立っているような気がした。時計が深夜1時を指していた。意識は覚め醒めとして、けして夢でないことを教えていた。
「美咲さん、時間です。」
と言って出て行った。美咲はチラシを鞄にしまうとヒカルの右手を取った。昨日と同じように自分の左胸に押し当てた。ヒカルの開いた掌の中指が外から見ても解るほど隆起した美咲の乳首に触れた。美咲はビクンと震え、一瞬、腰を落とした。ゆっくり顔を上げると愛くるしい先ほどの美咲の顔に戻っていた。哀願するような眼差し。舌を上唇にあて半分開いた口。抱きしめたい衝動にかられて、ヒカルは左手を伸ばした。美咲の肩に触れると美咲はイヤイヤをするように身体を揺すり、沈むようにして顔を伏せた。次の瞬間、美咲はゆっくりと手を離すと凛とした顔つきに戻り、姿勢を正してヒカルに向き直った。そして初めてヒカルのドアを叩いたときの笑顔に戻っていた。
「あなたのところにもう少しいたいの」
ヒカルはハッとした。その顔からは想像のできない声、それはヒカルの足にしがみついていた時の声だった。
「でも、次の人のところに行かなくちゃいけないの。」
「こんな気持ちははじめてです。堕落につながるかもしれない。でも・・・・」
美咲はその笑顔のまま涙を流していた。
「明日は、きっと竹下と同伴です。じゃまた。」
と言い終えると美咲はクルッと回転して出て行った。
ヒカルは混乱していた。理解できなかった。
あの笑顔は快活に言葉を伝えるときの笑顔だ。
あの笑顔は人を引き付け、制圧する時の笑顔だ。
でもあの声は・・・・・・
ヒカルはこれが夢の続きで、次にノックの音がしたとき、本当に目が覚め、あの笑顔の美咲がそのドアの前に立っているような気がした。時計が深夜1時を指していた。意識は覚め醒めとして、けして夢でないことを教えていた。