最近は殆どお笑いを見なくなった。BS放送が始まり、地上波を見なくなったせいもあるが。漫才ブームの頃は、TVに齧り付いてたもんだ。ゴールデンタイムはお笑いの独壇場だった。
それが今や、お笑いは消滅の危機にある。
反社会的勢力との“闇営業”問題で謹慎中だった、雨上がり決死隊の宮迫博之が、19日付で一時は“解雇”に追い込まれた。田村は引退の2文字は口にしなかったが、宮迫は引退を匂わせていた。
しかし7月22日、吉本興業は態度を一変させ、岡本昭彦社長が会見を開き、謝罪に応じ、2人の解雇を取り消した。
”宮迫君と田村君にああいう記者会見をさせてしまい、深くお詫び申し上げます。宮迫らについては処分を撤回し、和解の方向で話を進めていきたい”と。
突然の謝罪会見
この謝罪に関しては、至極当然とも言える。しかし、一度は”謝罪会見するなら全員クビだ”と脅し、2人の謝罪の意志を封じておきながら、2人が解雇を決意し、20日に謝罪会見に応じると、メディアや大物芸人の辛辣なコメントを受けたせいか、態度を一転させた。
7/19から7/22までの3日間にどんな駆け引きがあったのか。まず、21日のワイドショー(フジ)で、ダウンタウンの松本が仕掛けた。
”いまの吉本を見てて、TV局に対し、大名商売をしていると思う。もう一回、初心に返り、やり直すべきだ”
松本によって現在の地位を確立した吉本興業が、松本の発言によって覚醒したとも言える。しかし、これだけ腐ったら初心に帰るのは無理だろう。
吉本の大崎会長が”これ以上騒動が大きくなれば、進退を考える”と話したのを受け、松本は”僕が全力で止めます。大崎さんが辞めれば僕も辞める”と語った事が、大きな話題となった。
騒動を敢えて大きくしてるのは、アンタらだろうと言いたくもなる。
ただ、松本のコメントも一理あるが、”成り上がり芸人”の匂いがしないでもない。大物芸人と吉本幹部との癒着が強い事を、敢えて暴露した様なもんだ。
吉本の限界とお笑いの崩壊と
ただ、もう吉本興行も吉本のお笑いも限界だと思う。たとえ吉本が消滅しても、吉本以外のお笑いは生き延びるかもだが。それだって保証はない。
”お笑いがTVをダメにする”と書いたが、たとえお笑い番組が消滅しても、お笑いそのものは舞台や劇場や地方興行とかで、しぶとく生き延びるだろうか。いや、今のお笑いの質では無理だろうか。
勿論、お笑いはTVの力で大きく膨張した。お陰で、吉本系お笑いは全国に繁殖したが、今やバブル崩壊の危機にある。吉本が消滅する事で、陳腐で奇怪な大衆系TV番組が消滅すれば、芸能人や芸人は淘汰され、優れたTVコンテンツだけが生き残る。全てがメデタシだ。
吉本興業の闇疑惑やその所属芸人の不祥事や闇営業ばかりが取り沙汰されるが。実はどうでもいい事なのだ。TV番組の浄化と淘汰には、衰洛したお笑いや腐敗したお笑い芸人は、最高の”洗浄剤”でもあるのだ。
元々、吉本興行の闇疑惑は、過去にも頻繁に話題には上がっていた。しかし、所属する芸人との正式な契約書すら交されないという、このブラックな吉本の実態こそが、闇営業そのものだが。
吉本新喜劇は良かった
そういう私は、昔の吉本新喜劇は大好きだった。子供の頃、毎週土曜の正午に放送されてたが、父親を亡くしたばかりの私には、週一回の唯一の楽しみだった。
この吉本新喜劇は、吉本興業関連の子会社だと思ってたから、吉本や吉本芸人の度重なる闇疑惑には、目を瞑ってた部分もあった。
しかしサイトで調べたら、吉本に所属する芸人が集まって作った劇団だと判った。
我が地元の九州にも吉本はある。しかし、正直ガラが悪い。本場大阪もガラが悪いが、九州の方は質も悪い。
吉本のお笑いで一番腹が立つのは、関西弁丸出しの怒鳴り声である。あのバカ声を聞く度に腸が煮えくり返る。あれはお笑いではなく騒音だ。度重なる闇疑惑に包まれながらも、何故?潰れないのかと思ってたら、やはり暴力団の大きな存在があったのか。
吉本興業という名のお笑い暴力団。しかし、漫才ブームの頃はお笑い芸人の質も高かったから、東京の漫才と競うような形でバランスが上手く取れていた。
しかし漫才ブームが去ると、お笑いは一気に吉本に傾いた。そして吉本の一党独裁と成り下がった。
そして、お笑いの大半はバラエティーに成り下がり、お笑いの質も大きく落ち込み、中途芸人や成り上り芸人を数多く抱える吉本が、大きく増殖する土壌を築いたとも言える。
勿論、吉本所属の大物芸人も、万が一仕事が減るのを恐れ、独立できないでいる。”吉本”という看板は、芸人にとって保険みたいなもの。自民党と同じで、最大の腐敗政党と判っていながら命綱にする。
お笑い芸人にとって吉本は、”寄らば大樹の陰”なのだ。
その吉本が壊滅する時、お笑いもなくなるのか?いや、今のお笑いなら消滅したほうがマシか?
芸人は猿と同じ
宮迫と田村の都内での”涙の謝罪会見”に対し、ビートたけしは以下の様に語り、二人を庇った。
”猿回しと一緒で、俺ら芸人は猿なんだ。猿が人を噛んで、猿に謝れって言ったってダメ。飼っている人が謝るんだよ。
それに、闇営業とかをやらないと食えないような、状態の事務所の契約は何だという事。せめて最低保証ぐらいしろよ。
すぐに幾ら貰ったか言えって。事務所を含め一緒に出てって、スイマセンでしたと頭下げたら済んだんだ。
お笑い芸人に社会性とか安定とかを望む社会がちょっと変だ。オイラはそれが嫌で芸人をやってんだから。品行方正さを漫才芸人に求めちゃダメだ”
これは、上岡龍太郎の”金言”と同じだ(「宮迫の失脚」ブログ参照です)。吉本興業に全てを被せる訳にもいかないが。”会見したら、お前ら全員をクビにする”と脅した吉本が、A級戦犯扱いされても仕方がない。
しかし今回、宮迫と田村が犯した罪は、どんな理由があろうと、消せるものではない。後輩がどうの?という”言い訳”は通用しない。吉本の甘い蜜にどっぷりと浸かった事実は、消え去る事は出来ない。
それに会長と社長は責任を取って辞めるべきだ。それが吉本所属の芸人に対する精一杯の”謝罪”であろうか。
ただ、今回の不祥事により、お笑い界と芸能界が浄化される事を強く望みたいが。
芸人とは所詮、腐っても猿、煮ても焼いても猿なのか。
極楽トンボの加藤が言うように、宮迫も田村も戻りようがないって。あれだけ強い決意で謝罪会見したんだもの。今更処分撤回って言われてもな。男が廃るってモンよ。
それに社長も会長も辞任する気なんて全然ない。全てはポーズなのよ。
転んだサンの言うとおり、吉本は終わったね。腐っても吉本〜。
松本は会長が辞めるんなら俺も辞めると言ってますが。加藤は社長と会長が辞めなければ、俺は辞めると言ってます。
当分の間は、所属の芸人でも意見がばらつくでしょうね。当然吉本の贔屓の芸人は幹部よりだし、そうでない連中は潰したがってる。
大物芸人になるほど吉本を悪く言えないのは、コネとか派閥とか色んなものが介在するんでしょうか。政治と全く同じですね。
腐っても吉本とは、言い得て妙です。