象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

予想外か?想定内か?それとも、ショボ過ぎた泥試合か?〜2024年のアメリカ大統領選挙

2024年11月08日 05時17分20秒 | 戦争・歴史ドキュメント

 僅か5分程でチャンネルを切った。
 トランプがリードしていた時点で、ハリスの勝利が絶望的だと判ったからだ。
 先月のNYYとLAのワールドシリーズもショボかったが、今回のアメリカ大統領選挙もそれに負けない程にショボかった。勿論、バイデンvsトランプという”耄碌vsバゲ爺”対決を見なくてよかった事だけが救いではあったが・・
 混戦を期待してた分、序盤からの一方的な展開に拍子抜けもしたが、事実、多くのメディアも序盤のトランプが圧倒する展開に”トランプ勝利確実”と一斉に掌を返す。

 このまま進めば、最低でも4年間はトランプ爺の醜い禿面と、老いたカマキリお化けの様なファーストレディを眺めるハメになるのだ。そう思うだけで私の心は憂鬱になる。いや、世界中の人々も暗い気分に滅入ってるのではないだろうか。
 それにしても、犯罪者が大統領に再選する超大国に、トランプが吠える”偉大で豊かなアメリカ”は到来するのだろうか?”アメリカファスト”ではなく”アメリカラスト”と吠えた方がお似合いだと思うのだが・・・
 

トランプ再選と世界の憂鬱

 事前の世論調査では互角の展開で、近年まれにみる大接戦だと報じられていた。
 だが蓋を開けてみると、トランプ陣営は激戦7州のうちノースカロライナとジョージア州に加え、最重要視されてたペンシルベニア州でも勝利を確実にした。結果、全538人の選挙人のうち過半数の270人以上を獲得する事が確実となった。
 因みに、11/7の午前1時現在で、294対233でトランプの完勝だが、得票率では50.8%対47.5%と世論調査同様に拮抗している。
 トランプ氏は”経済””移民”の2大政策を軸に選挙戦を進め、前バイデン政権下でインフレが進み、不法移民の急増により国内治安が悪化したと訴える事で、日々の生活に不満を抱く多くの大衆の支持を広げた。
 22年11月、大統領選への立候補を正式表明して以降、トランプ氏は4つの刑事事件で起訴され、更に暗殺未遂事件にも遭遇し、異例の展開を辿るも、そんな逆境をはね返す姿をアピールし、支持者の結束を強めてきた。
 一方のハリス氏は、24年7月にバイデン大統領に代り、急遽立候補。直後は支持を急拡大する勢いだったが、次第に失速し、選挙直前には世論調査でも僅差だが逆転を許した。一方で、”人工妊娠中絶の権利を守る”との主張を軸に据えたが、初当選には届かなかった(朝日デジタル)。

 最終的には、アメリカの若者が不透明な現状維持ではなく、明確な変化を望んだ結果となった。言い換えれば、アメリカが変化する為に、敢えて犯罪者に票を投じた米国民の覚悟と勇気。これこそがトランプ圧勝の背景にある。
 先月行われた日本の衆院選と比べても、選挙に賭ける国民の声はこうも違うのだろうか。
 子供と大人の違いと言えばそれまでだが、今回の大統領選挙は珍しく最初からトランプのペースだった。事実、多くのメディアも混戦は必至だが、最終的にはトランプが勝つだろうと予想していた。

 投票の結果で見れば、都心部は何とかハリスが獲得したが、それ以外は全てトランプが支配した。アメリカとは言え、大半は田舎だから、(都心部のエリート層やリベラル派を除く)多くの一般大衆は性差別や人種問題よりも、変化や改革を強く望んだ結果であろう。
 それに、トランプの明確な移民政策が決め手となっただろうし、バイデン前大統領は副大統領時代も含め、2度とも対露政策で失敗してるから、そういう不信感も根強く残ってはいた筈だ。
 一方で、ハリス氏は混血だから、その点でも不利に働いたのではないか・・アメリカはまだまだ白人社会である事を思い知らされた。
 今から思えば、先手先手で動いたトランプに1日の長があった様にも思える。但し、トランプが吠える”偉大で豊かなアメリカ”は今や非現実的で無理難題の様に思えてくる。

 危惧される”アメリカの分断”だが、仮にハリス氏が大統領になったとしてもそれを遅らせるだけだろうし、今回トランプが勝利した事で分断を加速させる事になるかもしれない。
 だが、こういう事も想定済みで有権者はトランプに投票したのだから、最悪の結果になったとしても文句は言えないし、それを受け入れるしかない。
 つまり、トランプが掲げる”アメリカファスト”は”アメリカラスト”(アメリカの終り)を意味するのかもしれない。


独裁か、報復か?経済的圧力か?

 勝利宣言の為に支持者の前に現れたトランプは”史上最大の政治運動だった。この運動は新たな重要性を持つ”と声を荒げた。
 因みに、”この運動”とはMAGA(米国を再び偉大にする)運動と呼ばれ、自身が1期目の時にもスローガンにした。この運動は前回で敗れた後、更に勢力を増して共和党内に浸透。信奉者を一層増やし、より強硬になり、今回の選挙戦を迎えた。

 以下、トランプ新政権の行方を朝日デジタルのコラム群から大雑把に纏めてみる。

  まず、大きな変化として予測されるのが”支配の強化”である。1期目は政治経験の少なさを補う為に、経験豊富な共和党主流派を要職に起用したが、多くの閣僚や高官と対立を繰り返し、任期中に政権を離れる人も相次ぎ、自ら混乱を招いてしまう。

 ”米国第一主義”を掲げるトランプだが、同盟国に対する”米国の負担が大きすぎる”として”不公平だ”との主張を続けてきた。
 トランプは選挙演説でも、日本を含む同盟国に対し、米国が抱える貿易赤字などへの不満を示したが、米政府のこうした見方は日米貿易摩擦が大きな問題となった1980年代頃から変わっていない。
 故に、経済赤字削減に向け、貿易交渉を要求する可能性は高い。2017年(1期目)には、一方的に環太平洋経済協定(TPP)を脱退しながら、日本にTPPの水準まで農産物関税を下げるよう迫り、要求をのませた。
 そこで特に問題になりそうなのが、トランプの主要公約である”全輸入品に1~2割の一律関税を掛ける”政策だ。
 トランプは多国間の枠組みを嫌い、2国間だけの取引を好む傾向があるが、本気で一律関税をかける気はなく、これを材料に各国との2国間交渉を有利に進める狙いがある。
 米国に多くの自動車などを輸出している日本にとって追加関税は大打撃で、厳しい交渉を強いられる事を覚悟すべきだろう。

 一方で、バイデン政権下で多国間協力を重視し、国際協調路線を取ってきた米国の外交は、孤立主義的で2国間取引を重視する方向へと大きく転換するだろう。
 トランプは前1期目の4年間で、地球温暖化対策の国際枠組み”パリ協定”やWPO世界保健機関などから一方的に脱退。更に、北大西洋条約機構(NATO)を軽視し、加盟国に国防費の増額を迫り、アジアの同盟国である日本と韓国にも駐留米軍経費負担の大幅増を要求した。
 従って、ウクライナへの軍事支援や中東政策には大きな変化が予想される。

 ウクライナ支援を批判するトランプだが、プーチン大統領との首脳外交による終戦の仲介に自信を示し、”24時間以内に実現する”と根拠のない主張を繰り返した。また、イスラエルの軍事行動を支持し、自らがイスラエルの”守護者だ”と主張。
 全く、この2つに関してはボケ老人の遠吠えに聞こえなくもない。
 そして肝心の対中国政策だが、これは両党も厳しい立場を崩さない。ただ、共和党は”力による平和”を主張し、米軍を近代化する事で中国に対抗する。またトランプは中国への”最恵国待遇”を取り消す方針を示し、中国製品への60%超の関税に言及した。

 
最後に〜寛容か譲歩か、それとも犯罪か?

 こうして両党の政策を振り返ると(上図参照)、両陣営共に厳しく、切羽詰まってるのは当然だし、実現可能はどうかは不透明ながら、トランプ陣営の方が全ての政策にて明確ではある。勿論、現実的路線で見れば、ハリス氏にも分はあった筈だが、付け焼き刃的で曖昧すぎた。故に、トランプの様に国民の心を傾けるまでには至らなかった。
 大衆が重視する経済政策でも、ハリスの曖昧な生活支援に対し、トランプは関税による経済成長優先と、明確に公言した。
 冒頭でも述べた不法移民問題でも、トランプはハリス氏の責任を追及し、就任初日にはメキシコとの国境を封鎖し、不法移民を強制送還する方針を示したのは、今回の勝利の大きな決め手となった筈だ。

 つまり、バイデン政権の失態を引きずったまま、その尻拭いを次々と指摘され、明確な打開策を提示できないまま、ズルズルと尻窄みになっていったハリス氏には、最初から勝ち目はなかった様にも思える。
 一方で、敗れたハリス氏は”私たちが戦い続ける限り、米国の約束の光は常に明るく輝く”と述べ、選挙戦を”あらゆる人生や背景を持つ人々を国への愛で結束させ、米国の未来の為に戦う熱意と喜びを持って臨んだ”と振り返った。
 確かにここでも、彼女の不透明で曖昧な発言の癖は直ってはいない。

 先述した様に、トランプが吠える”アメリカ・ファスト”は、世界から孤立したアメリカの分断を加速させる事になり、犯罪大国アメリカを象徴する結果になるかもしれない。
 しかし、全ては有権者の選択の結果であり、アメリカが分裂しようと崩壊しようと、そこには何ら矛盾はない。

 犯罪者が大統領になる超大国のアメリカ。
 直接民主主義を目指した結果がこれなら、そこに異論はない。
 かつて、マハトマ・ガンジーは”不寛容とは暴力の一形態であり、真の民主主義精神の成長にとって障害となる”と語った。つまり、民主主義社会は寛容・協力・譲歩を何よりも重視する。
 但し、犯罪者を大統領に任命するのも民主主義の寛容と譲歩の精神の賜物だとしたら、寛容こそが犯罪の一形態となる。
 もしそうだとしたら、真の民主主義の精神にとって、これ程の矛盾も茶番もない。



3 コメント

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なーんだか (tomas)
2024-11-08 13:20:10
見てて
アメリカのメディアも力が入ってないなって
オバマとマケインの時は凄く盛り上がったのに
その後は消化不良の大統領選挙ばかりで<<
前回の大統領選挙で前代未聞の暴動が起きたから
メディアも及び腰なんだろうか最初から引いてたみたいだ。
視聴率も多くは取れんかったろうし
アメリカラストを地で行くような展開だったですよね。
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tomasさん (象が転んだ)
2024-11-08 16:07:30
そういえば
オバマとマケインの時は色んな噂で持ちきりでしたね。
素人がプロの軍人に素手で刃向かう様なものでしたから・・
でも今から思うと、あの時マケインが勝ってたら、アメリカファストは現実のものになってた赤もしれません。
でもマケインは直接民主主義を地で行くかの如く正々堂々と真っ向から勝負したように思えます。

勝負において、潔さは時としてマイナスに働く事も多いんですが、今回のハリスも潔すぎたのかもです。
トランプが汚い手を使ってくるのは判ってたので、もう少しきめ細かい徹底した対抗策が必要だったんでしょうね。
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ウーン残念! (HooRoo)
2024-11-08 20:13:15
ハリスさん応援してたのに
人はいいんだけど
色がないのよ
アメリカをどういう色で染めるのか?
っていう景色に塗るの色がないの

トランプのハゲ爺は犯罪者という明確な色があるから
有権者にもその人となりが伝わりやすいけど
ハリスさんは伝わりにくいのよね

結局は
痴呆症のバイデンと犯罪者のトランプとで
どっちがマシかってなった場合
誰だってトランプを推すわ
その間にハリスさんが入ったわけだけど
明確な意志も政策も打ち出せなかった
妊娠中絶の権利なんて公約としては弱すぎるの
もっと誰にでもわかるような政策を打ち出さないと
有権者の心は動かないよ
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