こういう話を聞くと、背筋が凍りつく。
元中日で、現在は独立リーグ信濃に所属する滝野要外野手(27)が”人食いバクテリア”に感染してた事を自身の動画サイトで報告。
”手術をまたやらないといけない。本当に危なかったが、もう一寸遅かったらどうなってた事か・・”と恐怖を綴った。
滝野は、(先月の)24日に”緊急入院、手術になりました”と投稿し、長野県内の病院に入院、手術を受けていた。19日の試合中に手から帰塁し、前からあった左手の中指に切り傷が翌日になって腫れ、病院で診察を受けた所、打撲と診断。22日までの福島への遠征にも同行したが、左手全体に腫れが広がり、眠れない程の激痛が襲い、22日夜に緊急外来で受診していた。
人食いバクテリアとは劇症型溶連菌感染症と呼ばれ、主な病原体はA群溶血性レンサ球菌。国内で毎年100~200人の患者が確認され、致死率は約30%と”極めて致死率が高い”という(中日スポーツ)。
感染すると手足が壊死し、死に至る恐れもある”人食いバクテリア”が過去最多のペースで拡大している。2023年は941人と過去最高だったが、24年は5月12日時点で既に851人。去年の同じ時期に比べ約2.8倍で、過去最多のペースで増えている。
溶連菌(溶血性レンサ球菌)は、人の喉などに保菌され、殆どが無症状だが、一定の量を超えると、のどの痛みや発熱・発疹といった症状が出る。この溶連菌が突然変異し、急速に増殖するのが“人食いバクテリア”と呼ばれる劇症型溶連菌である。
以下、「致死率3倍”劇症型溶連菌”〜治療法と予防法」より一部抜粋です。
殺人バクテリアの驚異と恐怖
誰でも罹るとされる溶連菌感染症だが、初期症状は発熱や手足の腫れや痛みだが、短時間で容体が急変。敗血症性ショック・手足の壊死・多臓器不全などを引き起こす。致死率は3割と言われ、特に中高年の感染が多くなっている。
症状悪化の速度だが、朝足の先端の少しの腫れに気づくと、昼には膝まで腫れが進行し、夜には腫れが紫から黒になり、その後壊死する事も。発症後、数十時間で亡くなる場合もあるという。
一方で、感染力の強い新たな変異株も確認され、欧米で急速に拡大中なのが、新たな変異株”M1UK”。 毒性も感染力も強く、毒性は従来株の9倍で、既に日本にも上陸している。23年国内で確認され、24年は感染者の4割以上に拡大し、置き換わりが進行しているという。
因みに、ウィルスとバクテリア(細菌)を混同しそうだが、バクテリアは単細胞の生物で細胞分裂により増殖。故に栄養素さえあれば自身のみで増殖できる。一方、ウイルスは細胞ではないので、生物内の細胞に入り、依存して増殖する。つまり、宿主に依存するという点では、ウィルスと同じ様なものと言える。
まずは、40代男性のケース。初期症状は右手の指の痛みで、通風かと思いそのまま出勤するも、仕事中に手全体が腫れ始め、半日程経つと強い痛みも出てきた。
翌日朝には腕まで腫れが広がり手術。腕の広範囲にメスが入り、医師には”半日遅ければ手の施しようがなかった”と言われた。数日間の昏睡状態の後、2カ月入院し、現在は普通に生活。 感染経路は判らず、心当たりも全くないという。
次は30代男性。23年の大晦日、日中ひざの裏に痛みを感じた。1月1日の深夜、嘔吐・下痢・39℃の熱といった症状が出て、この時は”ノロウイルスか”と思った。
2日の夕方には意識が朦朧となり、救急搬送され、病院で溶連菌に感染と診断。ひざ裏にあった湿疹から菌が侵入した可能性があり、即手術そして入院。
その後、左足の壊死部分約5cm四方を除去し、腎臓はほぼ機能停止。約1カ月間、人工透析を行ったが、歩ける様になったのは2カ月半後で、医師によると”生きるか死ぬか半々”だったという。
3番目は20代の男性。発症日の日中、バスケットをし、夕方に右足に少しの痛みと赤みが出てきた。翌日、町のクリニックを受診したが、血液検査は行わず、抗生剤と解熱剤をもらう。
発症から4日後、右足が赤く腫れ、一部は僅かに紫色になる。40℃近い熱も出た為、通院しながら療養。そして発症から1週間後、自宅で意識を失い、救急搬送された。体温は34℃台まで低下し、劇症型溶連菌による”敗血症”と診断され、緊急手術となる。
その後、手術で右足を失い、義足での生活になり、社会復帰できたのは半年後。感染経路は不明だが、心当たりは右足にあった僅かな傷だという。
以上は若いケースだが、高齢者の場合も深刻である。
60代の女性では、庭仕事中に植木鉢を足の甲に落とし、少し痛みがあったが、出血や目立った傷はなく、整形外科で湿布をもらう。2日後、足の甲が腫れ上がり、搬送されたが、皮膚の一部が壊死し化膿。その後、10回以上に渡る皮膚移植をし、退院できたのは1年後だ。
80代の男性。温泉旅行の際に風呂場で転倒し、右の足先を打撲。出血や腫れはなく、医療機関は受診せず、翌朝帰宅。帰宅した日の夜、右足の甲から足首辺りまで腫れ、痛みを訴えて搬送された。
診断後、意識障害や多臓器不全などがあり、処置を行うも次の日に亡くなった。
予防や対策はあるのか?
劇症型溶連菌の感染経路だが、傷口から溶連菌が体深くに侵入し、急速に増殖する。また、水虫・床ずれ・靴ずれ・深づめなどからも感染する事も。更に、鼻やのどの粘膜から侵入する飛沫感染や人との接触感染もある。が、半数は感染経路が不明だという。特に、リスクが高いのは高齢者と妊婦だそうだ。
感染発症の目安としては、”ポツンとあった発疹や傷から、時間単位で腫れが数cm拡大してたら可能性は高い。急に39℃以上の発熱があるのも特徴だ”という。
特に、劇症型溶連菌かもと思ったら、すぐに救急車を呼んで救急外来へ。意識障害が出て、ボーッとし始めてからでは遅い。
”劇症型溶連菌は一刻を争うので、そうじゃなかった時の事より、そうだった時の事を優先してほしい”と言う。
治療法はペニシリン系の抗生物質の投与・壊死部分の切除。予防法は傷口の清潔と消毒、マスク・うがい・手洗いとある。
以上、テレ朝NEWSからでした。
全く、知れば知る程に怖い病気である。
東海地方でも例年を上回るペースで増えているとされるが、去年の秋頃から“溶連菌”が増えている。
元々溶連菌とは、子どもに多くみられる感染症で、名古屋市内のある病院では、発熱や喉の痛みなどがある子どもには積極的に検査をする。軽症の場合は抗生剤を10日間ほど飲めば治るとされるが、重症化するのは30歳以上の大人が多いという。
ではなぜ、今年になって患者が増えたのか?これには新型コロナの5類移行が背景にあるとされる。これまで新型コロナの感染のまん延があり、皆が感染予防をし、それによって溶連菌感染も抑えられていた。が、去年5月の5類移行により、感染予防が希薄になってる状況がある。
つまり、新型コロナウイルスと同様に”人食いバクテリア”は人から人へとうつる。特に多いのが、咳やくしゃみによる飛沫や接触による感染で、手足などの傷口から菌が入る事もあるという。
結局は、新型コロナ渦が収まった以降も、ウイルスの驚異はなくならず、マスクと手洗いは、”人食いバクテリア”を予防するにおいても不可欠である。
確かに、戦争も”人食いバクテリア”も新型コロナも大量殺戮と見れば、プーチンやネタニヤフらの狂った独裁者に殺されるのか、ウイルスやバクテリアに殺されるかの違いだろう。
だが、戦争は自分の力だけでは防げないが、ウイルスや細菌感染を予防する事は可能である。
ただ、人食いバクテリアの人類への宣戦布告は、人為的かつ作為的ではない為に、余計に不気味ではある。
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