私は奇怪でヘンテコな夢を色々と見てきたが、一国の主が夢に出てきたのは初めてだ。
今回の夢の舞台は、自然災害で犠牲になったある集落だ。夢の中でそれも必死だったから、その集落の場所も名前も覚えていない。
私はボランティアとして台風の被害にあった集落で、次から次へと運ばれる残骸や瓦礫の分別をしていた。
これぞ壮絶な現場で、ありとあらゆるものが運び込まれた。勿論、その中には無残な人間の死骸も含まれてた。それもバラバラに千切れた残骸ばかりだ。
それらを放水で洗い流し、使えそうなものだけを分別し、トラックの荷台に運び出す。
数分もすれば、異常な異臭とその異次元の残忍な光景に皆、心身ともに憔悴し、ヘタり込む始末だ。
ストーリー、その1
オレは叫んだ。
”もうヤメだ。こんな作業には1分も耐えられん。被害にあった住民には悪いが、これ以上耐えられない”
すると、周りの連中も次々と地べたにヘタりこんだ。皆思った以上に憔悴しきってたのだ。
現場監督の一人が言い放った。
”なんてザマだぁ〜。今日は安倍総理がこの災害現場を訪問する日だぁ!せめて総理が来た時くらいは、作業をしてるふりをしてろ!いいな、わかったか!でないと、全員ブタ箱行きだぞ”
ある一人が反発した。
”どうせ安倍は形だけよ。アイツは派手な舞台だけにイイ顔したがる。サミットとかG20とかなぁ。でも顔を出す度に失敗してるじゃね〜か。どうせ今回も顔見せだけだ。再選の為だけの票稼ぎさ”
監督は、ドスの効いた声で言い放つ。
”お前ら覚悟は出来てんだろうな!安倍一族に逆らうってのがどういう事か”
私は静かに囁いた。
”安倍が来た時だけ、大人しく作業していよう。それまで休憩だ”
監督は少しだけ機嫌を直した。
”まあ、勝手にしな”
10分ほどしただろうか、安倍首相がいきなりやって来た。しかし皆、作業を続ける力も気力もなかった。ただ、ポカ〜ンと安倍の顔を見てるだけだった。
全員逮捕されると思った。しかし、安倍の表情は強張ってた。
”皆さん、疲れてるとは思いますがぁ〜。ここは一致団結して、被害にあった住民の為にも頑張りましょう”
明らかに、安倍の声は震えていた。そして、その表情には怯えがハッキリと見て取れた。
すると、安倍の側近の何人かが、スーツ姿のまま作業に取り掛かった。
”コイツら本気でやる気なのか?”
一瞬、その場に戦慄と緊張が走る。
しかし案の定、彼らには到底、出来っこない作業であった。
ある男が叫んだ。
”無理だってこんな作業。やる事自体、ふざけてる。そう思わんかい?安倍さん”
安倍首相は、側近の何人かと小声で何かを話していた。そして、何事もなかったかの様に、背を向けて帰っていった。
安堵の空気が全てを支配した。
それまで、姿をくらましてた現場監督がズケズケと目の前に出てきた。
”何だぁ〜あのザマは?あ〜あ、安倍も終わったな。俺ならムチで叩いてでも作業させたんだが。お前らは今日はラッキーだったな”
私もホッとした。そして、夢から目が覚めた。
ストーリー、その2
しかし、この夢には続きがあった。
再び眠りに付くと、すぐに続きの夢が現れた。舞台は、とあるガソリンスタンドだった。
私は反政府軍として、仲間と共に輸送車を運転してたのだ。スタンドの店員にナイフを突きつけ、20個?近くのポリ容器にガソリンを詰めさせた。夜中だったから、店員は彼しかいなく、夜襲は簡単すぎた。
すると、政府軍がやって来た。店員はナイフを突きつけられた時、ポケットの中の防犯ブザーを押してたのだ。
我々反政府軍は取り囲まれ、全員がトラックから引き摺り降ろされ、スタンドの事務所の中に監禁された。
私は一人、政府軍と交渉した。
”オレは反政府軍じゃない。今からその証拠を見せてやる”
私は、事務所の周りにガソリンを撒き、ライターで火をつけた。事務所は一瞬で猛火の嵐となり、反政府軍の仲間を、またたく間に燃やし尽くした。
”これで、オレが反政府軍でないという事が判ったろう。家族を人質に取られ、仲間のフリして仕方なく従ってただけさ”
政府軍の一人が私に話しかけてきた。
”実は俺たちも反政府軍に狙われてる。アンタのトラックを貸して欲しい。我々政府軍はこのトラックに乗り移り、アンタは政府軍の車に乗るんだ。但し、変な真似をしたら殺す”
黒塗りの車からは、スーツ姿の官僚たちがぞろぞろと降りてきた。
私はたった一人、官僚たちが乗ってたリムジンに乗せられた。
私が乗ってたトラックには、ポリタンク20個分のガソリンが詰め込まれてる筈だ。
私は咄嗟に閃いた。ポケットから手榴弾を取り出し、窓を静かに開け、トラックの下に投げ入れた。
すぐさまキーを回し、エンジンを掛け、その場を離れた。政府軍の官僚たちが乗ってたトラックは、一気に爆発•炎上した。
”ザマミロッげ!これで官僚も政府軍も全滅だ”
すると、背後に人の影がした。
”こうなるのは分っていたよ。アンタはあの時作業現場にいた男だね、私はちゃんと覚えてる。こう見えても、岸信介の孫だからね”
何とそこにいたのは、安倍晋三だった。
エエエ〜ッ。そこで夢が覚めた。
最後に〜運も実力のうち?
私は、前々から安倍首相が非常に”運のいい男”だと感じていた。あれだけ失態を重ねても、致命傷には陥らない。
特に親譲りの自慢の外交は全てが失敗だ。にも関らず、安倍政権は盤石なままだ。政治家としての才能も能力も気概も何もないのに。
いくら、安倍一派が最大多数の最大派閥だとしてもだ。その安倍晋三の運の良さが、この夢でも見事に証明された形となった。
悔しくはあるが、アッパレでもある。
こちらの方がショートストーリーっぽかったかな。それにしても夢だけでこれだけの物語がつくれるんですから、こちらこそアッパレ。
しかし、安倍一人だけが生き延びるんですよ。この夢の続編が見たいです。
転象さんも、こういう夢を見られるのなら、いくらでも小説が書けるかもしれません。
気が付いたら小説家になって芥川賞を受賞していたなんて・・・。
こうやって、好き勝手に書いてるうちが華ですね。夢物語に感謝です。
運転する時は後ろを確認 これ常識
だから、安倍みたいな要領のいいヤツに簡単に騙される。
被災地には触れたがらず臭いものには蓋をする。それでいて美しい日本とホザく。夢で出てきたのとほとんど変わりない。結局、世襲議員て手を汚したくないんだな。手足を汚して働いたことがないからね。
でもそういう奴に限って、逃げ回るのは一丁前なんだ。岸信介も安保改定を傘に逃げ回ってたんだから。だけど、転んださんはツメが甘すぎる、きっと深爪なんだろうな(*_*)
読みが甘いとよく言われます。だからこのザマなんですよ私は。
でも本当のことを言われるとヘコみますね。流石tomasさん、人を見る目があります。