真夜中の訪問者その１１〜怖い夢見ますか？その２〜

　私はよく怖い夢をみる。子供の時は毎晩の様に怖い夢を見て､大騒ぎし､家族だけでなく近所の人たちをも困らせたもんだ。

　河童が出てきて､自分を拐らっていくという悪夢を毎晩の様に見てたように思う。その河童に右腕を食い千切られた夢を見た時は､サンタの存在よりも河童伝説を信じたもんだ(笑)。ほんとあの時は怖かった。

　そしてその傾向は今でも変わらない。流石に大騒ぎする様な事はないが､悪夢で汗びっしょりになり､青褪めて目が覚めたりする。

　でも､正月に限って不思議と初夢を見ない。年が明け､4日目になるが､まだ初夢を見ない。夢はよく見るが､初夢に限っては殆ど記憶がない。

　”ハウリング”の夢を見た事は”その10”で述べたが。年末にかけては､その後も結構怖い夢を幾つか見た。その中でもハウリングよりもずっと怖かった夢。その夢とは何と”人を殺した”夢だ。

　丁度､”死刑制度は合法か”のブログを立てた時だったか。その影響もあってか､夢の中で人を殺してしまった。ああ､人を殺すってこんな事なのかって､只々立ちすくんだ。
　全身が脱力感に覆われ､人生ってこんな感じで呆気なく終わってしまうんだと､呆然自失になり､思考が突然停止した。夢が醒めても､呆然としてた。

　それは､”怖い”という次元を超えていた。”凶悪殺害犯は許せない”的な趣旨の事を書いてたから､死刑になった殺害犯の怨霊が夢の中に現れたのだろうか？
　もしそうだとしたら､殺害犯の心理というものを夢の中で体験する事で､犯罪捜査にプロファイラーに役立てれるかもだ。
　でも冗談じゃないが､人を殺すって本当に恐ろしい事だとこの時､実感した。やはり､凶悪殺人犯の極刑は当然なのか。どんな理由があれ､殺人は犯罪の極限なのか。

　多分､殺害犯というのも､最初の殺人で､その恐怖により思考がストップするのか。そして､二人目の殺人以降は､無思考＆無意識に行われるゲームなのか。そして､それら一連の殺人群は快楽に悦楽に享楽に変わり果てるのか。もしそうだとしたら､犯罪を超えた恐怖を超えた享楽という事か。

　勿論､そこに罪の意識はある筈もない。思考の停止＝サイコの脳＝殺戮の遺伝子という縮図が蘇る。

　確かに､人は感情的になったり､興奮＆動揺したりすると､思考が停止する傾向にある。気がついたら相手を殴り倒してたという事は､よくある事だ。

　ただ､凶悪殺害犯というのは思考の停止というより､熱い脳における思考の停止とも言える。熱い脳が停止しても､論理的に情緒や協調や倫理や道徳を考える事は可能だろう。
　しかし､論理を司る冷たい脳の思考が停止したら､それこそ狂乱状態になり､自分を制御できなくなる。通り魔殺害や路上で刃物を振り回すのは､論理的思考の弱いタイプでもあろうか。

　一方､論理的思考の強いサイコパスは大量殺人犯同様に､何人もの人を殺しても､自分を見失う事なく常に冷静沈着なのだろうか。

　そういう私は､サイコパスや凶悪殺人犯に比べたら､論理的思考は弱いのかも知れない。悪夢にうなされる人間は､熱い思考と冷たい思考がごちゃまぜになってるのかもしれない。

　でもよく夢を見るって事は､様々な思考が重なり合い､脳を混乱させてると。夢の中で､混乱した脳を発散させる事で､思考のバランスを取ってるのかもだ。

　何だかよく分からない漠然としたテーマだが。夢って所詮そんなもんだろう。
　
　たかが悪夢されど悪夢。でも夢も満更バカにならないと思った。