象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

脳は加齢と共に進化する?〜脳と瞑想の意外な関係

2020年10月17日 06時37分39秒 | 健康

 普通でなくとも人間は、年齢を重ねる毎に老化し劣化する。体力はソゲ落ち、腰は折れ曲がり、性欲も生理もなくなり、顔はシワシワになり、頭はボケが進み、認知症に見舞われ、最後には神に全てを奪われた様になって死んでいく。
 ”老衰”とはそういうもんだと我らは信じていた。

 私は今50代後半である。
 しかし体力で言えば、60歳から70歳という所だろうか。とにかく、45歳を過ぎて急速に衰えた。35を過ぎてお酒が余り飲めなくなり、その頃から体力が衰弱していくのを直に感じた。50を過ぎて、更に体力が落ちた。落ちたというより、”堕ちた”と言った方が正しいか。
 元々が虚弱体質で、子供の頃から身体は小さくて細く、強い方ではなかったので、これも神の定めかなとも思う。
 一方で脳みその方は、ずっとアホだった(笑)し、勉強もそれなりに頑張ったが、全くだった。


活性化する脳?

 しかし身体が動かない分、本を読む様になった。それも新書じゃなくて古書の方だ。純文学の古い美しい日本語に触れるにつれ、脳みそが研ぎ澄まされる様な錯覚に陥った。
 脳が冴えると物事を効率よく眺める事が出来る様になるみたいだ。それに考察が良くなった様にも思う。
 勿論、考察が良くなれば洞察も良くなる。スムーズな思考はデープな洞察を生むのだろうか。今までバラバラで無秩序だった脳神経がゆっくりとだが、秩序よく繋がる様になった気がする。複雑に絡み合ってた思考回路が一度フォーマットされ、キレイに再構築された感じがする。
 勿論、若い時の様に何時間も勉強できる筈もなく、何でもガリガリに記憶できる筈もない。しかし、10代や20代の頃よりも今の50代後半の脳の構造の方が、ずっと美しくシンプルに整備されてると思う。

 そして偶然にも、それらを実証するかの様な驚くべき報告が、ハーバード大らの研究チームから発表された。


歳を取るほどに頭は良くなる?

 ”人の脳には加齢に抗する底力がある”事が近年の脳研究で明らかになってきた。
 つまり、脳は高齢になると認知力の低下を招くとは限らないし、逆に高まる可能性もあると。
 ワシントン大学の研究では、認知力を測るテストで高齢者の成績は20代よりも良かった。記憶力と認知のスピードには加齢に伴う低下が見られたが、言語力•空間推論力•単純計算力•抽象的推論力は向上していた。
 但し、加齢による記憶力の低下には個人差が大きい事も明らかになり、被験者の15%が高齢になってから記憶力が向上した。
 以下、「年をとるほど脳が活性化する条件」から一部抜粋です(参考にはClickです)。

 カルレ・イリノイ医大の研究でも40歳から69歳のパイロットを比較した所、新たなフライトシミュレータの操作法を習得する時間こそ高齢者が長かったが、衝突回避の成功率は高齢者の方が高かった。
 更に、脳には加齢に対抗するメカニズムがある事も証明された。トロント大学のシェリル・グレディー博士によれば、高齢者は一つの作業の達成に向け、若年層が使わない脳の部位も活性化させてると。
 例えば、記憶処理を担う側頭葉内側部が加齢により不活性化するが、高齢者は前頭前皮質腹内側部や前頭前皮質背外側部を動員し、認知機能の補強に前頭葉と頭頂葉の両方を活用する。
 若年層は単純作業には左右の片側の脳しか使わないが、高齢者では左右の脳を活用する傾向が見られ、活用する部位が多いほど成果は良い。


歳と共に進化する脳

 その上、高齢者は若年層より物の見方が前向きになる事も、南カリフォルニア大の研究が証明してる。
 高齢になると、情動反応を司る扁桃体がネガティブな刺激に反応し難くなるが故に、40歳を過ぎた頃からネガティブな記憶よりポジティブな記憶の方が増え、その傾向は80代まで続く。つまり、加齢により感情に左右され難く、ストレスに強くなる脳になると。

 前述のグレディー博士によれば、高齢者の”頭の使い方”が変化する理由の1つは脳の一部の機能低下を補う事だが、それだけでなく、様々な脳の部位を使う事でより深い洞察が伴う”知恵脳”になると。
 ”国や企業のリーダーには高齢者の方が相応しいともいえる。若い頃と変わらない「脳力」を持つ高齢者は少なくない。脳には優れた可塑性があり、脳の備蓄•維持•補償がうまくできてれば70代、80代になっても人は優れた脳力を保てる”
 因みに、脳の備蓄とは知識や技能の蓄積を、維持とは脳細胞の自己修復力を意味し、補償とは前述の様に、一部の機能低下を他の脳の機能で補うシステムの事だ。


瞑想やヨガが脳を鍛える

 脳の備蓄•維持•補償を助ける外的要因として、近年注目されてるのが「瞑想の効果」がある。”加齢による脳の機能低下の多くは瞑想で防げる”とするのは、24歳から77歳の100人を対象に加齢による灰白質の変化を調べたカリフォルニア大の研究報告だ。
 更に、ハーバード大学のサラ・ラザール博士の研究によれば、”瞑想には脳の劣化防止だけではなく実際に灰白質を増加させる効果もある”という。
 因みに灰白質とは、神経細胞の細胞体が密集する部分で、物の見方に関与する脳領域である。
 ”脳も筋肉と同じで鍛えれば育つが、脳を鍛えるには激しい運動をする必要はなく、頭を雑念から解放し休ませる瞑想やヨガや気功などが効果的だ”と、ラザール博士は語る。

 事実、瞑想や祈りの最中の脳の変化を長年にわたって調べてきたトーマス・ジェファーソン大学のアンドリュー・ニューバーグ博士によれば、記憶力や認知力に関わる前頭葉を活性化させるには.呼吸や意識を集中させる瞑想を1回15分から1時間、1日に1、2回実践するとよいそうだ。
 以上、PRESIDENTOnlineからでした。


最後に〜”ボケ脳”予防のために
 
 全ての老人が”知恵脳”である筈もない事は日常の経験で明らかだが、ごく偶に頭脳明晰な老人に出会う事がある。
 高学歴とか博士といったエリートな種ではなく、ごく普通の老人だ。しかし、恐ろしく頭が切れる。
 そういった”知恵脳”を持つスーパーな老人が存在するのも、また事実ではある。

 そういう私も自慢ではないが、50過ぎてから”知恵脳”らしきものに目覚めた様な気がする。勿論、錯覚かもだが、考察や洞察が明らかにスムーズになった気がする。
 別に瞑想をする訳でもないが、寝る時に良い事だけを考えて寝る様にしてる。だから直ぐに眠りに付ける。
 但し、睡眠中も活性化した脳が全開な為か、様々に奇怪な夢を見る。まだまだ瞑想が足りないのか?それとも老害か(笑)?色んな雑念が脳に入り込むのも事実だ。

 ”高齢者=認知症”という錯覚が、高齢化社会をより深刻にさせ、高齢者をより不安にさせる。何か仕事で失敗すると、すぐに歳のせいにされ、本人も歳だからと自らを責める。
 挙げ句の果ては鬱になり、早く死にたいと安楽死を願う。
 勿論、全ての高齢者がスーパーな脳を獲得できる筈もない。前述した様にその確率は15%。つまり、100人に6.7人の割合だ。
 逆を言えば、100人の老人を見かけたら、少なくとも6人はスーパーな脳を持ってるという事だ。
 それ以外は哀しいかな、”老害”を地で行く様な脊椎反射系老人だが、諦める事はない。
 瞑想を心がける事で頑固系老害を抜け出す事は可能になる。

 いやそう思わないと、老害は容赦なく高齢者を襲う。
 若者に負けたくなかったら、バカにされたくなかったら、若者より頑張るんではなく、呼吸を意識し、15分の瞑想を繰り返すだけでいい。
 そういう私は女の下半身を瞑想する癖があるからどうもエロい夢を見るが、それで”ボケ脳”予防になれば、一石二鳥の様な気もする。

 結局、瞑想による脳活は一番簡単で金の掛からない、アンチエイジングなのかも知れない。



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