象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

『ファウンダー』マクドナルドの創業者レイ•クロックに見る20世紀のビジネスモデル。その8〜レイ•クロックとマクドナルド兄弟との駆け引きと絶縁と〜

2018年07月26日 19時29分33秒 | マクドナルド

 元々、映画のレビューを書くつもりだったんですが。『成功はゴミ箱の中に』というレイクロック自伝が、映画『ファウンダー』と共に脚光を浴びる様になり、両方を照らし合わせる形で、ブログを書いてたんですが。

 丁度”その3”を書き終えた時、偶然にも『わが豊穣の人材』と出会い、マクドナルドへのレイクロックへの印象と考え方が一変しました。お陰で上に述べた様に、番外編だけでも、5エピソード分になりました。
 ”番外編”が”ファウンダー”という本道を凌駕する形となり、本道が”その6”で止まったままになってたんですね。


 本来なら、”ファウンダー”と、”成功はゴミ箱の中に”と、”わが豊穣の人材”は、別々にブログを立てた方が判り易いかな、と今では後悔してますが。3つともマクドナルドのレイ•クロックの物語である事には変わりはなく、ただ視点が違うだけです。

 つまり、映画ファウンダーは、単なる娯楽の視点で、マクドナルド兄弟とレイ•クロックの対称的な関係を面白おかしく描いたし、”成功はゴミ箱の中に”は、クロックの超主観的な自伝であり、”わが豊穣の人材”にては、クロックは勿論、ハリー•J•ソナボーンや当時のマクドナルドの幹部や社員、それにフランチャイジーやサプライヤーの声を纏め上げ、マクドの歴史を完熟させた”完全版”である。”マクドナルド大全”といってもいいだろう。

 とにかく、映画ファウンダーを語る際、”成功はゴミ箱の中に”は欠かせないし、”わが豊穣の人材”は、それらの基盤となり得るものだ。

 この3つの物語を同時進行する形で、”ファウンダー”を進めるつもりではあるが。映画で語られてる部分は、レイ•クロック自伝の20%ほどしか描かれてないし、マクドナルドの歴史の3%にも満たないであろうか。
 しかし、クロックの影にマクドナルドの闇に、映像美という光を当てた事は、称賛に値する。それ以上に”ファウンダー”というタイトルが気に入ったのだ。

 以前にも述べた様に、ファウンダー(Founder)は、ファウンド(Found)という動詞の名詞形で、皆さんが知ってる様に、”創設•設立•創業する”という意味です。映画ファウンダーの主人公であるレイ•クロックも勿論、ファウンダー(創業者)である。

 しかし、もう一つに、”沈没する•沈む•病気になる・(計画が)失敗する”といった意味もある。まさに、これこそがレイ•クロックの生涯をマクドナルドの物語を、等身大に定義する言葉ではないだろうか。つまり、”ファウンダー”とはレイ•クロックのマクドナルドの為だけにある言葉なのだ。


 映画では、レイ•クロックがマクドナルドを270万ドルで買収する所で幕を閉じる。しかし、これはマクドナルド物語の序曲に過ぎない。クロック自伝でも、半分以下に過ぎない。

 映画では、マクドナルド兄弟がサンバナディーノに、念願のハンバーガー店をオープンする所と、クロックがマクドナルド兄弟に復讐を果たすを所が、大きな見どころだが。勿論、絵にはなるシーンだが。マクドナルドの核となるものでもない。


 クロック自伝では、この後お互いがハッピーになり、マクドナルド兄弟は仕事から全く手を引き、兄のマックが死んだ後、弟のディックは再婚して丸くなり、クロックとの関係を”今までのビジネスで最高の関係だった”と語ってるとある。しかし、これも眉唾臭い。

 ”わが豊穣の人材”でも語られてる様に、マクド兄弟は契約という鉄格子で、6年間もクロックを雁字搦めにしてきたし、クロックの方も契約違反を繰り返してきた。 


 ”その5”で述べた様に、クロックはマクド兄弟を巧く出し抜き、マクドナルドの全ての権利を僅か?270万ドルで買収したが。これにも大きな伏線があったんです。この先またまた長くなるので、ここで一応切ります。
 続けて進みますが、その前に少し休憩です。



2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
マクドナルド大全 (tokotokoto)
2018-08-15 11:13:11
お早うございます。と言ってももうすぐお昼ですが。

転んださんの記事見てたら、「我が豊穣の人材」が読みたくなりました。でも結構旧い本ですよね。「成功はゴミ箱の中に」はチラッと目にしたような気もしますが。

それと、ファウンダーの第二の意味がユニークです。成功とはある意味失敗であり、失敗とはある意味成功であるんですかね。
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Re:マクドナルド大全 (lemonwater2017)
2018-08-17 04:24:12
tokoサン、お早うございます。
返事遅れてスミマセンです。

 この『我が豊穣の人材』は、マクドナルドの闇を貫いたバイブルですね。『成功はゴミ箱の中に』が幼稚なお伽噺に思えるほどです。この本がなかったら、ファウンダーブログはなかったですね。映画の論評で終わってました。だから、実質”我が豊穣の人材”ブログです。

 それに、ファウンド(Found)の意味ですが。英語というのは表と裏の意味があるんですね、全ての単語において。こういうのは日本語にはない事で、非常に面白いです。
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