フォロワーの記事に「前頭葉バカ社会」(野田秀樹著、2023)の紹介があった。
「バカの壁」の養老孟司氏が推薦し、「バカと無知」の橘玲氏が絶賛した刺激作との触れ込みだが、”日本人の9割は前頭葉バカであり、<知らない>より怖いのは<考えない>事で、前頭葉を使わないと脳と体は老化する”と著者の野田氏は警鐘を鳴らす。
バカという言葉が何度も登場する著書は大好きで、バカをバカと平気で言える作家は尊敬に値する。
確かに、バカを治すには高血圧と同じで、バカに対する自覚が必要である。つまり、高血圧を治すには運動と減塩が必要な様に、バカを治すにはまず考える事、そして好奇心を持つ事が必要な事を本書では教えてくれる。
言い換えれば、”バカにつける薬は存在する”のだ。
アナタのバカ指数は?
早速だが、血圧を測る様に、前頭葉バカ度を測ってみる。
テストAでは24の項目があり、テストBでは8の項目がある。今の自分に正直に回答し、当てはまった数にAでは3を掛け、Bでは4を掛けて合計したポイントが”バカ指数”となる。
0〜25は”プチ”前頭葉バカで、今の状態をキープする努力を求められる。26〜75は日本人の9割に相当する”普通”の前頭葉バカで、自覚が必要だという。76〜100は”ヤバい”前頭葉バカで、本書第3章の処方箋が必要とされる。
因みに私は、15×3+4×4=61で”普通のバカ”だった。特に目立ったのが、加齢による前頭葉の劣化である。
失敗を恐れて億劫になるとか、自分と異なる意見を受け入れたがらないとか、”もう歳だから”と言い訳をし、不安な事があるとすぐに動揺し、カッとなり易い。更に、リスリングやリカレントなどの言葉は意味すら知らないし、聞いた事すらない。新刊や旅行、資格取得なんって更々興味ないし、他人の自慢話なんて虫唾が走る。
新たな趣味やファッション・グルメには元々から興味がないし、個人旅行なんて時間とカネの無駄。故に、休日は部屋に籠り、コラムばかり書いている。
この様に、テストAの項目を”あるある”と肯きながら1つ1つ確認する度に、自分が前頭葉バカである事はすぐに予想できた。
テストBも同様で、”あのバカは”と決めつけたり、ムダだと決めつけ、行動が億劫になる。人を嫌いになると長所を見つけようとしないし、物事を悪い方向にしか考えない。
全く、ここまで図星だと、反論のしようもない。もっと自分に正直になれば、70を超えるだろうから、"真性バカ"に近くなったかもしれない。つまり、今の自分は相当に前頭葉が劣化しているのだ。
しかし、全てはいい方向に考えよう。
つまり、前頭葉の劣化や老化を知能の高さで補う事は可能である。むしろ、知能とは前頭葉を補う為に、現代人(ホモサピエンス)が進化の過程で身に着けた特異な才能だと思う。
更に言えば、知能と前頭葉は1体1で対応してるとみなせば、前頭葉は知能を支え、知能は前頭葉を鍛えてくれる。
故に、前頭葉が発達する程に高度な知能を生み出す事は可能な筈だ。言い訳に聞こえそうだが、数学なんて前頭葉バカじゃないとできる筈もない。
最後に
事実(フォロワーの記事にある様に)、他の動物と人間の脳の大きな違いは前頭葉の発達にある。が、人間は前頭葉を使わなくても普通に生きていける。いや、寧ろ前頭葉を使わない方がずっと出世できて、勝ち組として君臨できるかもしれない。つまり、”バカほど出世する”は現代の格言なのだろう。
一方、前頭葉は変化に対応するべく発達し、環境などが大きく変化した時には、危機を乗り越える為の働きをする。
日本人の9割が前頭葉バカだというのも、それだけ日本は平和で、何も考えずに生きてきた証拠でもある。事実、原爆を2発落とされても、アメリカに不平不満1つ言わない国は世界広しと言えど、日本だけであろうか。
そう言われれば、”確かに・・”と思う所はある。そういう私も典型の前頭葉バカである。それは、昔も今もこれからも変わらないであろう。
だが、高度な知能があれば、前頭葉の不足を補う事はできる。前頭葉を常に鍛えるには”変化を恐れず挑戦を続ける”とあるが、我ら凡人には出来る事ではない。
一方で、筋肉も同様に鍛える事で強くはなるが、やり過ぎればステロイド中毒になり、醜く腐った筋肉のお化けに成り下がる。つまり、無理に前頭葉を鍛えるではなく、高度な知能を維持しながら、前頭葉を”第2の知能”として痴呆症対策の為に温存できればとも思う。
先月の健康診断で高血圧で引っ掛かった私だが、毎日のスクワットと”踵落とし”で、今は全くの正常値にある。同じ様に、前頭葉も簡単な思考法で復活できればと思うのだが・・・
血圧計みたいに、頭に巻いて簡単にバカ指数判別できる測定器があればいいと思うのは私だけだろうか。或いは、高知能と低知能と頭の回転数などを測れる測定器があれば、もっと日本人は前頭葉指数に対し、真剣に取り組む事が出来るのではないか。
人は通常は頭と脚から腐る。少なくとも、そうならない為に前頭葉は常に覚醒させておく必要があるのだろう。
流石に・・人生を達観してますよね。
確かに・・考え過ぎててばかりいては何も出来ない。
それに知らないでいる事の方が都合の良い事も沢山あるし、よくよく考えて行動した事がプラスになる訳でもない。
つまり確率で言えば、五分五分なんですよ。
従って、人生の半分は運次第ってなる。
残り半分の必然性にしても、敢えて考えないで、わざと知らないふりをして行動した時の方が、いい結果になる時がある。
”脳は第2の腸”とはよく言ったもので、本来生き物は無意識に何も考えずに生きる方が、いや脳ではなく腸を主体にして生きる方が、穏やかに平和に生きれるんじゃないかと思う時がある。
という事で、”前頭葉バカ”がhitmanさんへ送るメッセージでした。
いやそれとも
何も考えんと生きてる自分が悪いのか
でも
何も考えんと生きるって
素晴らしいことのように思えるのだ
真性バカより転んださんへ
愛とバカを込めてのメッセージでした。