人気ドラマ「ドラゴン桜」では、教師役の阿部寛が”本質を見抜く”重要性を熱く語っていた。
しかし、なぜ日本人は本質を見抜くのが下手クソなのだろうか?日常の(身の回りの)表面上の話題やテーマばかりを追いかけ、深く埋もれたお宝を探し出そうとはしない。
数学という学問は本質を見抜く典型の学問である。表層上の概念を思い切り捨て去り、物事を丸裸にして、観念を武器に地下深くに潜り込む。そこにはたっぷりと甘いシロップが掛かった(あまーい)お宝があるにも関わらず、本質からは目をそらす日本人。
そこで今日は、日米同盟の本質を探る旅です。少しくらいネタですが、悪しからずです。
第二次大戦の後、日本と同じくアメリカとの軍事同盟の元で主権を失っていたドイツやイタリア、台湾、フィリピン、タイ、パキスタンや多くの中南米諸国。
そして今、韓国までもがその軛(くびき)から脱し、正常な主権国家への道を歩み始めている。にも拘らず、なぜ日本にだけはそれができないのか。
矢部宏治の「知ってはいけない2〜日本の主権はこうして失われた」(講談社)は、ベストセラー「知ってはいけない」の著者が”戦後日本の最後の謎”を解く、今更だが衝撃の一冊である。
かつて占領下で結ばれた、極めて不平等な”旧安保条約”――それを対等な関係に変えた筈の”安保改定”(1960年)が、なぜ?日本の主権をさらに奪いとっていったのか?
”アメリカによる支配”はなぜ続くのか?
安倍首相の祖父・岸信介が“日本を売った”3つの密約とは?”知ってはいけない、だが知らなくてはならない”日本に潜むいくつもの事実が、この本には埋められている。
最初から不平等な日米同盟
「知ってはいけない」では、なぜ日本とアメリカにここまでおかしな関係が生まれたのか?という事。首都圏の上空が全部米軍に支配されたり、1952年に独立した戦後日本というのは、元々朝鮮戦争への軍事支援を条件に米軍が独立を認めた国だった。カーター・マグルーダー陸軍少将が<旧安保条約>と<行政協定>を書いたんですが、軍人がこれを書いているんです。
つまり、朝鮮戦争を戦う為に米軍の思い通りに作られたのが<旧安保条約>だったという訳です。
以下、「アメリカによる支配はなぜ続く」より抜粋です。
不平等な旧安保条約については(60年の安保闘争では国会を取り囲む程の)明らかにおかしな条約でしたが、敗戦直後にできたものは(100歩下がって)仕方ないとして、改正してもなお続くおかしな関係性に問題がある。
旧安保条約には、”アメリカは米軍を日本およびその周辺に配備する権利を持つ”とある。
これは日本の国土の自由使用と自由出撃を意味する。つまり、日本全体を基地として使え、国境を越えて自由に他国を攻撃できるーこんな条約を結んでる国は他にはない。
でも、そんな理不尽な同盟がなぜ?今にも続いてるのかというと、1960年に安倍首相の祖父の岸首相が安保改定をしたが、実はその3年前の1957年に、岸が首相になってすぐアメリカに行き、ある合意をしていた。
それは安保改定に先立つ”日米共同声明”というもので、”日本国内の米軍の配備と使用については、アメリカが<実行可能な場合>はいつでも協議する”という内容だった。
明らかに<実行可能な>という所が引っかかりるが、ここが最大のポイント。
今までそういう協議は1回もなされた事がない。外務省の官僚は国民には伝えないだけで、こうした事実の重大性をちゃんと理解してると(我ら庶民は)思いがちだが、実際はその外務省ですら全く解ってないという衝撃的な事実がある。
どうしてそういう事になったのか?なぜ日本の外務官僚はそれを知らないのか?っていう歴史を明らかにした本なのだ。
アメリカは日本を守ってくれない
高級官僚らの日本の偉い人は外国との交渉を密室でやりたがる。
海外でも勿論隠す事もあるけど、主権が関わる様な基本的な問題はオープンな所でやるのが原則だ。そうすれば、どんなに小さい国でも無茶苦茶な主権侵害な状況にはならない。
なぜ?日本がそういう事になってるかというと、元々岸信介はA級戦犯容疑者として獄中にいて、そこから出て、僅か7年で首相になった。その過程で、CIAから資金的にも人脈的にも、もの凄く支援をしてもらっていた事が、米国務省が発表した資料から判ってる。
つまり、最初にもの凄い後ろ暗い(モヤモヤとした)所があるから、交渉を密室でやろうとする。
ではなぜ、アメリカは岸を選んだのか?
1つには、能力が高い事。頭がいいし体も強い。もう1つは徹底した反共思想だから。そして更には、そうする為にずっと育ててきた人間(モルモット)だという事。
つまり、この3つが岸を選んだ理由です。
更に衝撃的だったのが、” アメリカは日本を防衛する義務はない”という事。
旧安保条約の下に、<行政協定>という軍事的な取り決めがあり、新安保条約の下には<地位協定>というものがある。この2つは、“内容を変えない”との合意が最初からなされていた。だから条文は1対1で対応し、殆ど一緒なんだけど、条文の数が違う。
つまり、行政協定の方は29条あるのに、地位協定の方は28条しかない。
何がないのかと言うと、行政協定の24条だ。これこそが新安保条約で岸信介の最大の功績とされた、アメリカによる<日本の防衛義務>と<事前協議制度>の2つの義務の事である。が、この日本の命綱とも言える2つの義務を(新安保条約で)アメリカは破棄したのである。
冷戦期は米軍が日本を見捨てる事はあり得なかったが、今は違う。高価な戦闘機や武器を爆買させられ、社会に深刻で慢性的な貧困が生まれてるのに、それに買った武器が日本の安全じゃなく、日本列島の危機や危険を高めてるという矛盾した現状がある。
「知ってはいけない」というタイトルだが、今の日本人が知ってるべきと思える本でもある。怖いかもしれないが、知って損はないと思う。
以上、PRTIMESからでした。
最後に〜日米(ペテン)同盟の本質
薄々は感じていたが、日米同盟とは名ばかりで、米軍がやばくなれば何も言わずに逃げ去ってもいいという、ペテン同盟であったのだ。
失われた20年も安倍の長期政権も、これで説明がつく。つまり、岸もアベも日本を売るという条件で、総理になれた。
正直言うと、この手のネタは苦手である。
誰だって、暗い深刻なネタは好きじゃない。明るく楽しい簡単なネタの方がストレスも溜まらないからだ。
しかし、いま問題になってる日米同盟の本質を見抜くという点では、とてもシンプルで明快な答えを提供してくれてはいる。
一昔前なら、こんな事は殆ど話題にはならなかった。アメリカが強く支持する日米安保の新しい形である”集団的自衛権”行使(アメリカの武力行使時の戦地への自衛隊派兵)の是非ばかりがメディアを騒がし、岸信介の1957年の”密約”は煙に巻かれていたのだ。
2018年の12月末の記事だが、年末に浮かれてる日本人の耳にはしっかりと届いたのだろうか。
(本書に出てくる)アメリカの元国務次官アレクシス・ジョンソンは、”たとえアメリカ政府が条約上どんな<自由>を保持してても、日本国民がこれに敵意を持ってれば、実際にその権利を行使する事はできない”と語る。
(レビューにもある様に)多くの日本人が日米同盟の本質を理解すれば、日米の未来を変える事は不可能ではないかもしれない。が、本質に目を背けたがる日本島民の性向から考えると、アメリカの奴隷のまま日本列島は丸焦げになりそうな気もする。
事実、日本人の多くはアメリカよりも(東シナ海での覇権拡大を目指す)中国に敵意を感じているだろうか。
安保反対と言って騒いでいた中に、”安保条約の中身を読んで反対してた人間はろくにいなかった”ともされる。
確かに、「知ってはいけない」で書かれてる事を知ってる日本人が何%いるだろうか?
しかし、” アメリカは日本を守る義務はない”という(現在の地位協定には存在しない)行政協定の24条の破棄だけは知っておく必要がある。
年末で浮かれるのも悪くはないが、大晦日の夜にこういう話題で静かに盛り上がるのも悪くはない気がする。
そう思う私は、やはりネクラなのだろうか?
クールというより狂ってますね
最近の中国も相当に狂ってますが
夫婦別居も当たり前の時代ですから
同盟といっても色々なんじゃなーいですか
戦争中、満州の阿片で大儲けした。それが岸・安倍の政治の資金源にもなっていた。
1945年の敗戦でA級戦犯として死刑になるはずだったが、アメリカのスパイになることを条件に命を助けられた。
韓国の統一教会もCIAがつくった反共組織で、安倍晋三は統一教会と親しい。
陰謀論の匂いもしますが、物事には裏があることは知っておきたいですよね。
ですから陰謀論を頭から否定する人こそ疑ったほうがいいかもしれません。
第二次世界大戦も、政府の発表を疑いもせずに信じた大衆が一番被害を蒙りました。
岸信介が麻薬で儲けたという話は信憑性が高いと思います。何か裏があったから死刑も免れたと考えるのが妥当でしょう。
こういうのを歪んだ関係というのでしょうが。それだけ戦後のアメリカは(アジアを支配下に収める為に)、日本を独り占めしたがってたのかもですね。
アヘンと満州国と日中戦争という流れで言えば、ピッタリと辻褄が合いますね。それに中国のアヘンにはアメリカも介入してたらしいですから、まさに第二次アヘン戦争です。
岸信介には色んな説がありますが、それだけ悪知恵が働き、頭も身体もタフだったという事でしょうか。アヘンは勿論、CIAとの癒着や密約は岸という人間の本質を具現してる様にも思います。
ただ、物事に対し陰謀という言葉は使いたくない。本質を見抜こうとしないから(理解できない事を)陰謀論で埋め合わせる訳で、つまり真実は1つだけ。
信憑性が高いとか低いとの言い方が誤解はないですかね。でないと、(本質が見えにくい)真実はいつまで経っても陰謀のままですから。
救いや癒やしという視点で見れば、陰謀論こそが秩序回復の試みであり、慢性化した不安を解消するものとも言える。
既存の世界観を脅かすような出来事の本質を理解する為のある種の宗教的役割を果たしてる様に思うのだが。
事実、人は陰謀を信じることで矛盾した世界の中で、不安に苛まれる自分をコントロールできるのではという調査報告もある。
しかし陰謀説もそれが事実ならそれこそが真実であり、わざわざ陰謀と呼ぶ必要もないけど、陰謀とみなす方がある種のもやもやとした不安は解消できる。
転んだ君的に言えば、<陰謀説の本質は癒やしにあり>ってことになるんだろうな。
コロナ渦で陰謀説が出まくりでしたから、とてもウンザリでした。
でも言われるように、癒やしという視点で捉えれば、悪くはないかもですね。