象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

これはマラソンか?それとも駅伝か?〜真夜中の訪問者”その100”

2022年03月10日 12時41分14秒 | 真夜中の訪問者

 私はマラソン大会の夢をよく見る。
 しかし、結果は悲惨なもので、決まった様に最初は調子良いがすぐに失速し、疲労困憊になり、いつもドンジリでゴールする(悲)。
 レース後は酸欠に陥り、窒息しそうになり、ゼイゼイ言いながら夢から覚める。
 殆どがこんなパターンで、走って逃げ回る夢も含め、決まった様にうなされる。

 しかし、今回見た夢は少し違った。
 私は、中南米のある国の片田舎にいた。
 私たちは、ある駅伝大会に出場する為にここに来ていた。
 私は第5区で、最も距離が長く、相手も強豪揃いだ。4、5人ほどライバルを絞り、彼らの情報を集めていた。
 

駅伝か?マラソンか?

 いきなり大会が始まった。
 何着でタスキを受けたかは知る余地もないが、そんなに悪い順番ではなかったように思う。
 私はいつもの様に快調に飛ばした。
 まるで空でも飛べるかの如く身体が軽い。一気に、4人ほど抜き去ると、呆気なく独走状態にはいる。
 中間点に差し掛かった頃であろうか、(何処かで見た事のある様な)長身の選手が私に近づいきた。
 私はその男を試した。ペースを上げたり下げたりして、相手の実力を図る。
 しかしどれだけ揺さぶっても、何の苦もなくついてくるではないか。
 ”この野郎!お遊びはもう終わりだ”
 少し血が上った私は、一気にスパートをかけた。しかし、スライドがなかなか伸びない。
 ”おかしいな、先程まであんなに調子良かったのに”
 そうこう思ってると、長身の男に一気に抜き返され、大きく水を開けられるではないか・・・

 何だか嫌な予感がした。
 ”毎度のパターンじゃないか”
 そう、私は何時もここで失速し、呼吸困難に陥るのだ。
 しかし、この日は違った。
 呼吸困難に陥ったのは相手の方なのだ。
 長身の男は、大きな背中を折り曲げるようにして、しゃがみこんでいた。相手の顔をよく見ると、昔の飲み仲間じゃないか?
 ”彼はあんなに走るのが速かったっけ?”
 首を傾げながら走ってると、脚が次第に軽くなり、呼吸困難も何とか治り、快調なペースに戻った。
 ”いつもとは違う”

 私は一気に飛ばした。まるで空を飛んでるように快調に感じた。
 しかし、後ろから男の影が迫ってくるではないか。
 現地民みたいな小男が、サルの様な走りでグングン追ってくる。
 そういえば、一番のライバルとマークしてた男だった。
 私は一層アクセルを全開にした。
 ”ここで追いつかれたら、この勝負は負ける”
 いつの間にか私の走りは、カニみたいな横走りになってるではないか(笑)。
 カニとサルでいいコンビだが、笑う余裕はなかった。お互いに必死である。
 全力で走り続けてるにも関わらず、全然キツくない。おかしいなと思ってる内に、猿男は遠くへ消えてしまった。
 

世界新記録?

 私は全開のまま、2位以下に大差を付け、余裕でゴールする。
 しかし、ここで奇妙な事が起きた。
 タスキを渡す相手がいないのだ。駅伝の筈だが、ここで大会は打ち切られた模様だ。

 私は地元メディアからの勝利者インタビューを受けていた。何を聞かれたのか?何を喋ったのかは全く覚えてはいない。
 とにかく大会は終了していた。
 インタビューの後、私は結果を見る為に、チームメイトが集まってるロッカーへと向かう。
 誰もが皆、不思議と落ち込んでいた。
 私は急いでタイムテーブルを見ると、1区が55位で大きく出遅れたが、2区で大きく挽回し5位に(何だか変)、そして4区までが5位のまま。私とそれ以下の順位は、何と空白となってるではないか。

 私は大会事務室に行き、”記録なしとはどういう事なのか?これだけ頑張って走ったのに、アンマリじゃないか!”
 ある記録員は、マラソンの公式記録が書かれた紙を持っていた。そこには”世界連盟新記録”と書かれている。
 私は問い詰めた。 
 ”世界連盟とはどういう事だ?素直に世界新記録とすればいいじゃないか!”
 事務室内にいる公式記録員達は手間取っていた。
 というのも、(マラソンの)42.195kmの世界記録には間違いないが、駅伝大会として行われてるので、”参考記録にしかならない”と。
 その上、大会は途中で打ち切られている。
 つまり、あまりに差が開きすぎて、他のチームがやる気を失い、多くが棄権したからだという。

 ”そんなバカな”
 と頭を抱えつつ、皆が待つロッカーに向かおうとした時、夢から覚めた。


最後に

 夢とは変テコリンだから夢であって、だから夢とは面白いのだ。
 奇妙な登場人物と奇怪な出来事。
 サスペンスや推理ドラマほどでもないが、ちょっとしたミステリーでもある。
 それにとても不思議に思ったのが、紙に書かれてある数字をしっかりと覚えてた事だ。
 5区を走り、”55位⇒5位⇒5位⇒5位”という数字をしっかりと覚えていた。
 全て5の数字だった。
 この5の数字が何を意味するのかはわからない。
 しかし、ミステリーとしてみれば悪くはない夢だった。それに初めて呼吸困難になる事もなく、最後まで快調に走れたのだ。
 それだけでも十分じゃないか。
 そう思うことにしよう。



2 コメント

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キプチョゲ (tomas)
2022-03-10 22:42:54
ということは
キプチョゲの世界新記録である
2時間01分39秒を抜いたんでしょうか。
次の夢では
キプチョゲとの一騎打ちを見たいですね。
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tomasさん (象が転んだ)
2022-03-11 04:13:11
それがね
笑っちゃうんですよ。
夢の中でハッキリと確認した訳でもないんですが
2時間40分程でしたか・・・(^^♪
そんな平凡なタイムで世界連盟新記録って何ナノ?って感じだった。
それに、42kmも走った感覚もないし、時間にして数分ですからね・・・(^^)

でも、夢の中で初めて失速しないで最後まで走れましたから、嬉しくて記事にしました。
キプチョゲが夢に出てきたら、受けて立ちますよ。勿論。
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