神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

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上海・武夷山の旅 第四日目 午後の部

2012-05-25 | 茶旅
昼食を食べた村までは土砂崩れの道はあったものの、そこそこ舗装された普通の山道でした。
さらに進んでいくと、道は狭くなり、道路もがたがた道になってきました。
岩質なのでデコボコがひどく、車高の低い車(と言うか、一般車)はかなり運転に注意が必要となります。

李さんのお友だちのHONDAに乗っていたうらりんさんと私は、馬力があり悪路に強い茶農家さんの四駆に途中で乗り換えました。
茶農家さんは慣れているので、前から降りてきた車とも難なくすれ違えますが、
後ろに続く李さんと李さんのお友だちは悪路での幅寄せにも一苦労、だんだん遅れを取るようになってきました。

李さんたちを待つ間、車を降りて少し休憩。
新緑の季節なので、目に鮮やかな緑色の世界が広がっています。



道ばたに何気なくある老[木叢]の茶樹。100年はあるだろう、とのこと。



道路は大きく穴のあいたような場所も多く、
そのたびに李さんたちの車の同乗者は降りて車を軽くし、ゆっくりと越さなければなりません。
李さんの車はブレーキオイルが焼けたような匂いもしてきました。

あともう少し、というところで道はさらにハードになり、
李さんと李さんのお友だちはギブアップ。
これ以上進むと車体を損傷しかねません。
二台の車はそこに乗り捨てて行くことになりました。
日本から参加した私たちは茶農家さんの車で工場まで乗せてもらって先に見学し、
荒田さん、美帆子さん、李さん夫婦、茶農家さんの奥さんは残りの道を歩くことになりました。
李さんのお友だちはもともと運転役をかって出てくれただけなので、車に残って私たちの降りてくるのを待つことに。

昔、商社に勤めていた頃、三菱の自動車を中国へ輸出していたのですが、
四駆のパジェロの売り上げがダントツでした。
今は都市部ではドイツ製やトヨタの高級車が人気のようですが、
内陸部や山間部へ入ると四駆がないと困るシーンもまだまだ多いのでしょうね。
(日本で四駆の車の盗難が多いと言うことの理由も何となくわかりました・・・。)

ほどなくして、目的の村が見えてきました!


このあたり一体は福建省武夷山市星村鎮桐木村と言って、
正山小種、海外ではラプサンスーチョンの名で有名な紅茶の産地です。
紅茶発祥の地とも言われ、400年余り昔から小種紅茶を作っています。

正山小種と言えば正露丸の香りに似たスモーキーさが特徴とされていますが、
中国国内で流通している桐木産の紅茶はスモーク臭のないものがほとんどです。

在来種の新芽だけで作った金駿眉が数年前に爆発的な人気を博して以来、
静かな紅茶ブームが中国にも来ていますが、もともとそれほど生産量が多いわけではありません。
ブーム後、生産農家は増えたようですが、国家級の自然保護区なので、むやみに工場を建てることはできないでしょう。

今回訪れた茶農家さんの作業場もそれほど大きな規模ではありません。
一人の茶師さん(奥さんの弟さんでなかなかのイケメン♪)の目が届く範囲で作っているという感じです。

摘んできた茶葉をここで少し熱風を与えて水分を飛ばします。
この後揉捻、発酵、烘焙の工程を経て、毛茶(荒茶)ができあがります。



徒歩組が到着するまでの間、出来たての毛茶をごちそうになりました。



荒田さんたちもやっと到着。
道ばたで珍しい在来種を発見したりして、楽しかったそうです。
お茶好きにとっては、楽園のような場所ですからね!

裏庭の茶畑。
放し飼いの鶏さんたちが散歩中。



蜂蜜の箱でしょうか?



目に映る全ての景色が心地よい、とでもいいますか、マイナスイオンいっぱい。
うらりんさん、小町さんとも大変だったけど来て良かったね!と感動しきり。

もっとゆっくりしたかったのですが、残念なことに雨が激しく降ってきました。
また土砂崩れがあっても大変です。
茶農家さんが四駆で二往復して車を置いてきたところまで送ってくださいました。

待ってくれていたお友だちと無事会えて、車に乗り込みました。
まだまだ油断は禁物で、凹凸の激しい場所では降りて車を軽くしてやり過ごします。

こんなガタガタ道です。
雨が降るとすぐに水たまりが大きくなります。



しばらくして、やっと舗装道路に出ました。
そこからは何事もなかったかのように車は加速を始めました。


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