4編の短編集。密室トリックを今回も青砥&榎本のコンビが解く。
ポイントは密室トリックでも、それの背景が問題で、犯罪の舞台装置に巧妙に動機を紛れ込ませた犯人との知恵比べ。
☆佇む男
癌で余命宣告を受けていた会長が山荘で死んでいた。重い硝子テーブルに足を入れドアに背を付けて蹲る、窮屈な姿勢のまま亡くなっていた。ガラステーブルの上には乱れた筆跡で遺言書が残っていた。
後ろには白幕が張られ、左右には供花、という演出も葬儀会社の会長というこだわりが見えた。
もたれかかっていた開口部のロックも完全で密室というほかない。覚悟の自殺か。しかし榎本は疑問を持った。
なかなかに凝ったストーリーだったが、まずは密室破りの解錠方法の解説、作者はこれをヒントに、こんなストーリーに持っていったのか。遺言書をアイテムに出したのもいいとして、それらしい舞台は盛り過ぎ飾り過ぎ(葬儀社だけに)の感じもある。犯罪を計画するというのは偶発的な事件と違って、こんなふうに犯人が事前に知恵を凝らすので、解くのが難しそう。それで対決という面白いことになるけれど、これも疲れた。
☆鍵のかかった部屋
家族間の犯罪は気分がよくない。まぁここでは養父が息子を殺したらしいと見当がつき、その密室の殺人を解明する、犯行動機は財産狙いで、あまり驚く事ではなかった。
理科の教師なので手口は楽に考え付くでしょう。今時、練炭自殺は道具をそろえるだけで大変だろうし、高密度の部屋にする手間も面倒。なんか高校生にはそぐわないかも。
ここでは解錠と施錠の方法が逆だというのは榎本がドアを開けてみてわかるのがミソかな。
高密度の部屋はドアを開閉するときには内と外で圧力が変化するのを利用するというのも普通に分かりやすい。
☆歪んだ箱
地盤が緩く傾いてしまった家。
新築物件で結婚して住む予定だったが、歩きにくいほど傾いてしまった。
雨漏りする上にあちこちに隙間もある。宅地造成も手抜き、基礎のコンクリートの質も悪かった。
引き渡し後の残金がまだ払ってなかったのは不幸中の幸いだったが、補修するならその代金は払えという。
その上過去の解決した暴力事件まで持ち出してきた。
殺すしかない。
リビングに誘い込んで殺した。その部屋にある二つの内開きのドアは蹴飛ばしても閉まらない、打ち込んでやっと枠にはめると開けられない。見たところそうやった痕跡もない。密室だった。
榎本はその謎を解く。しかしその解をまるでコロンボのドラマを見ているように横で言い訳のように否定していく犯人。
話し過ぎて穴に落ちるような成り行きが面白かったが、その殺害方法が日常では考えられない方法で、それも無理やりのようで苦しい。
去り際に振り向いで「あ、一つ忘れていましたが」とは言わないが榎本さんなかなか鋭い。
☆密室劇場
前作からのバカミスが続く。話も繋いである。
茶柱劇場は、劇場主が亡くなってもそのまま引き継がれていて、劇団名も「土性骨」から心機一転「ES&B」に替えた。「アース、セックス&ボーン」ということで。
今回のメイン・イベントは「彼方の星」(ヨンダー・バード)で飛行機が砂漠に不時着して救援隊を求めている。という設定。
またも漫才コンビの一人が殺された。殺したのは富増半蔵で、増本の推理にあっさりと犯行を認めた。
ボケとツッコミのスピードが合わないでイライラしてくる。それなのに「M1に出ようと誘って来た」のでかっとなって。
なぜ?という問いに、死んだロベルト十蘭がノートに書いていた、次のコンビ名が「半狂蘭」。二人の名前が入っているし、逃げられないと思ったという。
貴志さんがまたもボケて突っ込んでみた可笑しな一遍。
家族は昨日から夏休みなのに、読み終わっていたこの本を図書館に返さなくてはいけないので、やっとレビューしたが、貴志さんにしてはみんな凡作で、少し気が抜けた。
☆佇む男
癌で余命宣告を受けていた会長が山荘で死んでいた。重い硝子テーブルに足を入れドアに背を付けて蹲る、窮屈な姿勢のまま亡くなっていた。ガラステーブルの上には乱れた筆跡で遺言書が残っていた。
後ろには白幕が張られ、左右には供花、という演出も葬儀会社の会長というこだわりが見えた。
もたれかかっていた開口部のロックも完全で密室というほかない。覚悟の自殺か。しかし榎本は疑問を持った。
なかなかに凝ったストーリーだったが、まずは密室破りの解錠方法の解説、作者はこれをヒントに、こんなストーリーに持っていったのか。遺言書をアイテムに出したのもいいとして、それらしい舞台は盛り過ぎ飾り過ぎ(葬儀社だけに)の感じもある。犯罪を計画するというのは偶発的な事件と違って、こんなふうに犯人が事前に知恵を凝らすので、解くのが難しそう。それで対決という面白いことになるけれど、これも疲れた。
☆鍵のかかった部屋
家族間の犯罪は気分がよくない。まぁここでは養父が息子を殺したらしいと見当がつき、その密室の殺人を解明する、犯行動機は財産狙いで、あまり驚く事ではなかった。
理科の教師なので手口は楽に考え付くでしょう。今時、練炭自殺は道具をそろえるだけで大変だろうし、高密度の部屋にする手間も面倒。なんか高校生にはそぐわないかも。
ここでは解錠と施錠の方法が逆だというのは榎本がドアを開けてみてわかるのがミソかな。
高密度の部屋はドアを開閉するときには内と外で圧力が変化するのを利用するというのも普通に分かりやすい。
☆歪んだ箱
地盤が緩く傾いてしまった家。
新築物件で結婚して住む予定だったが、歩きにくいほど傾いてしまった。
雨漏りする上にあちこちに隙間もある。宅地造成も手抜き、基礎のコンクリートの質も悪かった。
引き渡し後の残金がまだ払ってなかったのは不幸中の幸いだったが、補修するならその代金は払えという。
その上過去の解決した暴力事件まで持ち出してきた。
殺すしかない。
リビングに誘い込んで殺した。その部屋にある二つの内開きのドアは蹴飛ばしても閉まらない、打ち込んでやっと枠にはめると開けられない。見たところそうやった痕跡もない。密室だった。
榎本はその謎を解く。しかしその解をまるでコロンボのドラマを見ているように横で言い訳のように否定していく犯人。
話し過ぎて穴に落ちるような成り行きが面白かったが、その殺害方法が日常では考えられない方法で、それも無理やりのようで苦しい。
去り際に振り向いで「あ、一つ忘れていましたが」とは言わないが榎本さんなかなか鋭い。
☆密室劇場
前作からのバカミスが続く。話も繋いである。
茶柱劇場は、劇場主が亡くなってもそのまま引き継がれていて、劇団名も「土性骨」から心機一転「ES&B」に替えた。「アース、セックス&ボーン」ということで。
今回のメイン・イベントは「彼方の星」(ヨンダー・バード)で飛行機が砂漠に不時着して救援隊を求めている。という設定。
またも漫才コンビの一人が殺された。殺したのは富増半蔵で、増本の推理にあっさりと犯行を認めた。
ボケとツッコミのスピードが合わないでイライラしてくる。それなのに「M1に出ようと誘って来た」のでかっとなって。
なぜ?という問いに、死んだロベルト十蘭がノートに書いていた、次のコンビ名が「半狂蘭」。二人の名前が入っているし、逃げられないと思ったという。
貴志さんがまたもボケて突っ込んでみた可笑しな一遍。
家族は昨日から夏休みなのに、読み終わっていたこの本を図書館に返さなくてはいけないので、やっとレビューしたが、貴志さんにしてはみんな凡作で、少し気が抜けた。