まいが中学生になる時、もう学校に行かないと言った。ママはパパと相談して、田舎のおばあちゃんの所でしばらく暮らしましょうといった。おばあちゃんは、ママのママで。外国から来ておじいちゃんと結婚し、今は一人で暮らしていた。
まいはおばあちゃんが大好きだった。
おばあちゃんの家は前庭にお大きな樫の木があり周りに草花が咲いて庭木も植えてあって、小道が通っていた。
毎日おばあちゃんとダイニングテーブルでお茶を飲み食事をした。台所の前の庭には料理にすぐ使えるようにハーブや月桂樹などが植えてあった。
まいは裏山で心地いい居場所を見つけた、おばあちゃんと裏山で野イチゴを積んでジャムを作った。
おばあちゃんから超能力の話を聞いて、まいもそれを持ちたいと思った。
それには精神力を鍛え、意思を強く持つ努力をしないといけないとおばあちゃんは言った。まいは規則正しい生活をし、きちんと食事を食べ、身の回りのことやおばあちゃんの手伝いをした。
おばあちゃんと暮らしていて、このままでいいのか迷っていた。おばあちゃんはそれなら魔女修行がいりますね。といった。
おばあちゃんから自然の中で暮らす知恵を教わった。山野草名前も教わった。
ある朝にわとりが殺された。その時おばあちゃんは、本物の魔女は動揺しないと言った。
心が望まないことは無視しなさいと言った。
そして人は身体と魂からできているとおばあちゃんは言った。体があって明るく楽しいことが感じられる、そしてそれで魂が成長出来ると教えてくれた。
魂が離れる時は証拠を見せてあげましょうね。といった。
パパの単身赴任先で家族が一緒に暮らすことになって、おばあちゃんに別れを告げた。
そして2年後おばあちゃんが亡くなった。
台所の外にある小さな部屋の隅に姫忘れな草をみにいった。おばあちゃんはそれはキュウリグサだとおしえてくれた。水をやろうとしたとき、泥で汚れたガラスに指で文字が書いてあった。
ニシノマジョカラ ヒガシノマジョヘ
オバアチャンノ タマシイ ダッシュツ セイコウ
早く読みたいと思っていたが、待った甲斐があった。永久保存版の名作になった。
小川洋子さんの「博士の愛した数式」の隣に大切にしまっておこう。
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