Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(358)

2020-12-20 00:10:00 | コラム
どらえ「もん」→「もん」たーじゅ(モンタージュ)

今年最後のシネマしりとりがモンタージュだなんて、出来過ぎてはいません?

いかにも映画好きって感じで、この流れ、かなーりいい感じ。

サイレントからトーキーへ。
モノクロームからカラーへ。
そしてフィルムからデジタルへ。

百数十年の映画史のなかでいろんな「大改革」があったけれども、いちばんの発見はモンタージュでしょう、やっぱり。

いわゆるモンタージュ写真の、アレです。

英語でいうところのエディティング(編集)と同じ仏語、
しかし、
エディティングが「削る」という意味合いが強いのに対し、モンタージュは「積み重ねる」みたいな意味合いで用いられることが多いのよね。

多くの映画作家が「脚本、編集が重要」というのは、突き詰めれば「モンタージュが大事」といっているようなもので。

どんな話を創るか、、、ではなくって「どう組み立てていくか」ってことなのです。

でも。
イマサラその定義を大真面目に語ってもしょうがない気がする。
自分よりはるかに詳しいひとがゴマンと居るし、ほかのページを参考にしてください! みたいな。

ただ、セルゲーイ・ミハーイロヴィチ・エイゼンシュテーインくらいは紹介しておかないと。

このひとの『戦艦ポチョムキン』(25)、「オデッサの階段」で展開した緻密な編集のことをモンタージュと呼びます。






物事を起こった順に並べるだけの①直列のモンタージュ、
人物AとBの行動を交互に見せる②並列のモンタージュ、
それから③回想のモンタージュ…などなど、いろんな種類があるけれども、

人物の動きをそのままキャメラにおさめていただけの「第三芸術」と呼ばれていた映画が、第一級の表現をそなえられたのは、このモンタージュの発見があったからだ、、、といわれています。


アアダコウダ文章でいうより、ホンモノを見せたほうが分かり易いでしょう、

「労働者が家畜のように扱われている」ことをモンタージュで表現したチャップリンの『モダンタイムス』(36)冒頭


カーツ暗殺と部族の儀式をモンタージュした『地獄の黙示録』(79)クライマックス


あらゆるモンタージュテクニックを駆使したヒッチコック『サイコ』(60)ハイライト


・・・ね、こういうことです。


真面目に語ると100000文字くらいになってしまうので、かなり端折ってしまいましたが、
映画監督が最も悩み考え抜くのがモンタージュだよと、そういう認識を持ってもらえれば、映画好きとしては幸福なのであります。。。


来年最初のしりとりです・・・
もんたー「じゅ」→「じゅ」ーくぼっくす。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『う・し・ろ・ぐ・ら・い』
コメント
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