Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

「外」からの変革 ~2020映画回顧1~

2020-12-02 00:10:10 | コラム
本年度の回顧、締めくくりはもちろん「映画」です。

本日から3日間は「2020映画13選」を、最終日の5日は「まとめ」を展開。

というわけで、きょうは13位~10位をお届け。

ではいくぜ!!

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第13位『マリッジ・ストーリー』

夫婦が直面する離婚という最大の危機を、繊細な描写で見つめた21世紀の『クレイマー、クレイマー』。

夫は「息子と本気で遊ぶ母親、僕の無理難題に答えてくれる」と、妻は「几帳面、節約家」と、お互いのよいところを挙げていく。
それなのになぜ、ふたりは別れねばならないのか。

ヨハンソンとドライバーはキャリア最高の演技を披露、
とくにヨハンソンが弁護士ローラ・ダーンに告白する場面の迫真性は、演技者の凄みを見せつけられてゾクゾクした。




第12位『AKIRA IMAX』

合言葉は、♪ラッセーラー♪


大友克洋を一躍「ときのひと」とした伝説的アニメーションが、IMAX4K版として再降臨。

しかし公開直後にコロナショックが襲い、満席であったであろうIMAXシアターも客数に制限を入れることに。

皮肉なことをいえば。
ディストピアのSFを浴びるには「最高」ともいえる環境が「奇しくも」2020年に整ってしまった、、、のかもしれない。


第11位『アルプススタンドのはしの方』

高校演劇の世界で高評価を得ていた戯曲を映画用に脚色、「アルプススタンドのはしで展開される会話劇」という骨格を残しつつ、映画的な広がりをも加味してみせた青春映画の快作。

主なる舞台は一箇所―いわゆるシチュエーションドラマだが、主人公と思われていたキャラクターが入れ替わっていく構成が見事。
ベンチ入りの補欠・矢野が最後の最後に目立ってくるのもうれしかった。

若手俳優はみな好演、なかでも小野莉奈のフレッシュさは特筆すべきで、数年以内にきっとブレイクすることでしょう。




第10位『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』

悲運の象徴となってしまった京都アニメーションが、亡くなった同志たちに向けて放った弔いの力作。


戦争により両腕を失い自在に動く義手を得て「自動手記人形」、つまり「代筆屋」となった少女ヴァイオレットを中心に展開される物語。

コロナや「鬼」の陰に隠れた感はあるが、もはや「信頼と安心の」京アニブランド、作家としての有名どころは吉田玲子くらいかもしれない、
けれどもアニメーションの未来を託すに足る野心と情熱が、この集団にはある。

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明日のコラムは・・・

『「外」からの変革 ~2020映画回顧2~』
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