Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(408)

2022-03-16 00:10:00 | コラム
そんどらろっ「く」→「く」ろーねんばーぐ

名優ウィリアム・ハートが鬼籍に入った。

享年71歳、合掌。

『蜘蛛女のキス』(85)のゲイの囚人、『スモーク』(95)の悩める作家など代表作は多いが、
出番は少ないもののさすがの存在感を示したのが、2005年の『ヒストリー・オブ・バイオレンス』。


監督は天才にして奇人のデヴィッド・クローネンバーグ。

カナダ出身の映画監督といえば現在はドゥニ・ヴィルヌーヴ、
90~2000年代初頭はアトム・エゴヤン、
だろうが、それ以前から映画好きだったものとしては、やっぱりクローネンバーグになると思う。

知性さえ宿る寒々しい映像はカナダ出身者に共通する特徴だが、クローネンバーグならではの一大特徴は「身体そのものをテーマとする」ところ。

初期の代表作『スキャナーズ』(81)、
スティーブン・キング原作の映画化で「大」成功したひとつとされる『デッドゾーン』(83)、


初めてのメジャー作『ザ・フライ』(86)、
変態性が炸裂した『戦慄の絆』(88)、


クローネンバーグしか映像化出来なかったであろう『裸のランチ』(91)などなどなどなど、おさえておくべき傑作を沢山生み出している。

また俳優としても活躍、『誘う女』(95)のニコール嬢を狙う殺し屋なんてじつに雰囲気たっぷりで感心した。

78歳、未だ現役であることは喜ばしいが、映画ファンとして「さらに」うれしいのが、その息子ブランドンも映画監督になったこと。

しかもその作風が完全に、血は水よりも濃いことを証明していること。

現在、わが国で最新作『ポゼッサー』が公開中。

このポスターだけで観客を選ぶことは誰にでも分かると思うが(^^;)

よいですよ、狂っていて。振り切れていて。

こんなこといっては怒るひとも居そうだけど・・・
宮崎吾朗さんって、お父さんの存在が大き過ぎて影響を受けまいともがいてもがいてもがきつづけていると思うんです、

でもブランドンは、開き直っているというか。

オヤジ?
それがどうした??

みたいな。
本年の自分の10傑に入りそうなくらい気に入ってます。

繰り返しますが、観客を選ぶタイプの映画なんだけどね!!




次回のしりとりは・・・
くろーねんばー「ぐ」→「ぐ」るーぷ。

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明日のコラムは・・・

『所詮は派遣、、、なので。』
コメント (2)
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