Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

ハルキよりリュウ

2023-05-18 00:10:00 | コラム
某日―。
村上春樹の新作長編『街とその不確かな壁』を読む。

はっきりいえば、可も不可もなく。
いつもどおりのハルキ節ゆえ、ハルキストは好きだろうし、そうでないひとは「まあまあ」なんじゃないだろうか。

嫌い?
そんなことはありません。

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』は、やっぱりドキドキワクワクして読んだクチだし。


ただ相性でいったら自分、同じ村上でも村上龍のほうがよいのだよね。

いや相性というか、「出会いのちがい」かもしれない。

高1のころいじめられていた自分は、その避難先として図書室を選んだ。
そこで夢中になって読んでいたのが、『コインロッカー・ベイビーズ』だったわけです。


W村上は、ともに「自意識をめぐる物語」、、、っていうか純文学の主題はすべてそこにあると思うのだけれど、自分のこころを掴んだのはリュウのほうであったと。


双方とも人気作家だから、映画化作品もそこそこあって。

映画との相性という意味では・・・
『ラブ&ポップ』(98)や『オーディション』(2000)など監督にも恵まれたリュウに軍配が上がるか、、、

と思っていたら、
『ドライブ・マイ・カー』(2021)が出現して分からなくなってきたよね。


ハルキ74、リュウ71。
まぁ、同姓の同業というだけで競う感じで捉えるのは受け手の悪い癖かな。

ただ、新作を発表する度に「とりあえず読んでみる」と思える程度には、自分はふたりのことが好きです^^






…………………………………………

明日のコラムは・・・

『令和版・海外俳優列伝(74)クリント・イーストウッド(前)』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする