Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(488)

2024-01-14 00:10:00 | コラム
らっきー「まん」→「まん」が

漫画原作に頼り過ぎだとか、映画はもっとオリジナルにこだわってくれとか、いろんな意見があるけれど。

漫画と映画は、基本的には相性がよいと思います。
漫画と舞台劇。よりは、、、ね。

でも、あくまでも「基本的には」。

その失敗例と成功例を2本ずつ、2000年以降に創られたもので紹介してみましょうか。

まず失敗例から。

『自虐の詩』…『週刊宝石』に連載されていた業田良家による4コマ漫画を2007年に映画化。

この原作のなにが素晴らしいかって、4コマで大河ドラマを展開していく試みでしょう。


業田さんも連載当初は「そうしよう」と思っていなかったはず、
2000年代に入ってから再評価の動きが加速し「泣ける漫画」として文庫が売れに売れた―とはいえ、繰り返しますけど「4コマだから感動的」なのであってね、
もうひとつの失敗例と同様に、では「映像表現ではなにが出来るのか」を深く考えなければいけなかったはず。

対抗しないと!
ストップモーションアニメにする。とかさ!!


『振り子』…お笑い芸人・鉄拳による「パラパラ漫画」を2015年に映画化。

この味わい深さを、単に実写化しても仕方なくない??



次いで、成功例を。

『青い春』…松本大洋の人気短編集を組み合わせた形で、2002年に映画化。

松本漫画ってコマ割りがそもそも映画的であり、可能なかぎりそこに近づけようとした豊田利晃監督の狙いはまちがってなかったように思う。

そこにかぶさるTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの選曲も完璧で、映像は原作に近づけようとしつつ、それでいて音のかぶせかたで映画表現が有する独自のものを打ち出していて素晴らしい。



『アイアムアヒーロー』…花沢健吾の原作を2016年に映画化。



ゾンビ誕生は映画史と深く結びついていて、連載開始当初から「いつかは映画化されるだろう」と思っていた。

映画の成功はなによりもゾンビのデザインワークにあり、
このあたりは原作に寄りかかるというよりも、映画のほうに主導権があるんだ!!というプライドと本気度がうかがえたのでR。


次回のしりとりは・・・
まん「が」→「が」んあくしょん。

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明日のコラムは・・・

『スコセッシは休みません^^』
コメント
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