Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(490)

2024-01-25 00:10:00 | コラム
がんた「い」→「い」まむらしょうへい

イマヘイこと今村昌平は、昭和の日本映画界を代表する存在―であるにもかかわらず、すべての映画ファンが通る道とはいえない、、、のは、観ていて「確実に汗をかく」作風だからでしょう。

その汗も爽やかなものではなく、ねっとり・じっとりとしている。

日本の土着性に向き合い生と性を見つめる―イマヘイはその作風を自ら「重喜劇」と呼び、ヒトってそんなえらいものじゃないよ・基本はしょうもないイキモノなんだ。という物語を紡ぎつづけた。
観るひとを選ぶから興行面では苦戦、ゆえに潤沢な資金にも恵まれず赤貧に喘ぎながらの創作であった、
カンヌでは2度のパルムドールに輝き(尤も、この作品で…?と思わなくもないが)、また次世代の育成にも意欲的で日本映画学校(現・日本映画大学)を創立したり、その功績はもっと称えられるべきでしょう。

好きは大好き、嫌いは大嫌い。
いや後者の場合は、イメージが邪魔をして「そもそも観ていない」のかもしれない。

もったいない。
あまりにも、もったいない。

爽やかな汗だけがすべてじゃないですよ、身体にまとわりつくような、イヤ~な汗も体感してみましょうよ^^


以下、おすすめのイマヘイ映画5選。


①『豚と軍艦』(61)

入門篇としては、これがベスト。
横須賀の町に豚が放たれるっていう設定がまず、痛快じゃないですか。



②『復讐するは我にあり』(79)

イマヘイ最大のヒット作になるのかな。
原作の映画化権を深作欣二などと争い、見事ゲット。

うん深作版も観たかった気もするけれど、やっぱりイマヘイでよかったね!



③『人間蒸発』(67)

これはノンフィクションなのか、はたまたフィクションなのか。


「撮る・撮られる」ことの本質を突き、「映画とはなにか」というテーマにまで到達した勇気あるモキュメンタリ―。



④『赤い殺意』(64)

安いサスペンスを想像するタイトルだが、悲劇と喜劇が紙一重であることを、春川ますみの佇まいで表現していて見事。


⑤『神々の深き欲望』(68)



神話をやろうとした野心的傑作。
撮影があまりにも過酷で、嵐寛寿郎が脱走を試みたという逸話はあまりにも有名!


次回のしりとりは・・・
いまむらしょうへ「い」→「い」しょう。

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明日のコラムは・・・

『この米、おろそかには喰わぬぞ!』
コメント
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