Cape Fear、in JAPAN

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令和版・海外俳優列伝(114)ジェラール・ドパルデュー

2024-01-16 00:10:00 | コラム
48年12月27日生まれ・75歳。
フランス出身。

クマのような図体に、たしかな演技力―フランス映画界の重鎮、、、であることはまちがいないドパルデューさんですが、ふたつばかり懸念材料があって。

①母国の課税方針―年収が100万ユーロを超す国民に対しその75%を課税―に反発しエロー首相(当時)と大論争を展開、「フランスのパスポートと社会保障を返還する」と宣言し2013年にロシア国籍を取得しました。

現在フランスとの関係はどうなのか、そして、ここ数年のロシアの蛮行をどう思っているのか知りたいところ。

②複数の女性に対する性的暴行疑惑で訴えられている。

ワインスタインやビル・コスビー、(未だ疑惑の段階ではあるものの)松本人志…ドパルデューも、そうなってしまうのでしょうか。


※この映画では、ロダンにしか見えなかったものです



<経歴>

息子ギヨーム・ドパルデューは芸能界入りを果たすも、37歳の若さ(急性肺炎)で死去。

映画俳優デビュー作は、65年の『Beatnik et le minet』。

『水の中の小さな太陽』(71)や『ラ・スクムーン』(72)を経た74年、『バルスーズ』ではじめて注目を受ける。

この映画、すんごいです。
リバイバル公開時「なんとなく」観ただけだったのですが、ぶったまげました。


いちおうは青春映画なのでしょうか、
ただジャンル分けを拒否する自由な創りで、ともかく面白くて不気味で鮮烈です。
『禁じられた遊び』(52)のブリジット・フォッセーが出ているからと、クラシック映画好きも反応するかもしれません。
けれども彼女の演技に、ショックを受ける向きも居ることでしょう。

いやーすごかった。
もういちど観たいな。

76年―ベルナルド・ベルトルッチがイタリア近代史を見つめる超大作『1900年』で、デ・ニーロやドミニク・サンダと共演する。

完全版は300分を超しますが、演技陣の熱演とヴィットリオ・ストラーロの映像で飽きることはないですね。



『終電車』(80)、『隣の女』(81)、『ダントン』(83)、『ソフィー・マルソーの刑事物語』(84)、
自分にとっての初ドバルデューとなった『愛と宿命の泉 PART I/フロレット家のジャン』(86)では悲劇の男ジャンを熱演、
つづく『カミーユ・クローデル』(88)ではロダンを演じ、イザベル・アジャーニとの演技対決を展開する。

90年、「鼻デカ」シラノを演じた『シラノ・ド・ベルジュラック』で数々の演技賞に輝く。


同年にはハリウッド産のロマコメ『グリーン・カード』にも主演し米国での知名度も上がる。


リドリー・スコットの『1492 コロンブス』(92)、
『ゴダールの決別』(93)、『エリザ』(95)、『ミルドレッド』(96)、
ケネス・ブラナーによる大作『ハムレット』(96)ではレナルドー役、
『宮廷料理人ヴァテール』(2000)、『あるいは裏切りという名の犬』(2004)、『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』(2007)、
『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』(2012)、『ファヒム パリが見た奇跡』(2019)、
最新作は『メグレと若い女の死』(2023)・・・という具合にコンスタントにキャリアを築いてはいるものの、冒頭で記したようなモヤモヤがあるので、そのあたりがちょっと、、、ていうね(^^;)

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明日のコラムは・・・

『令和版・海外俳優列伝(115)ジェレミー・アイアンズ』
コメント
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