狙って放ったことばなのに、思ったとおりの反応を得られない―ということが、日常生活では「あり過ぎる」くらいに、ある。
きのうのテーマ「告白」に関連づけていえば、「好きだ」といったのに、相手がジョークと捉え「また~!!」と返されたり。
ちょっと高度なブラックジョークを放ったら、笑うとか白けるではなく、怒ってしまったり。
そのときの間抜けな感じといったら、ない。
ないが、日常というのはそういうことの繰り返しで、1割の打率でいいんですよ、思ったとおりにコトが運ぶのは・・・などといってはみるものの、なかには百発百中のヤツも居てね、悔しい思いをすることがある。
映画のキャラクターは、どんなだろう。
ここで取り上げるのは、教科書的な意味での名台詞ではない。
以下の10傑のうち半分以上が野卑に過ぎるし、そうでないものも、同じ映画のなかで決定的な名台詞が「誕生してしまった」ため、光を浴びることがなかった「ちょっと気の毒な」ことばなのである。
ただ、この台詞を生み出した作家、そしてそれを発したキャラクターたちは、おそらく狙っていたはずで、
だから『「名」かどうかは怪しいが、とりあえず「キメ」台詞』というビミョーなタイトルを冠してみたというわけ。
(1)ジョン・マクレーン「あったりめぇよ」、『ダイハード』(88)
実際には「yippee ki yay、mother fucker」、しかしまぁ「あったりめぇよ」でも不自然な感じはしない。
名台詞として認定? してもいいけれど、短過ぎるし、二作目や三作目ではちがう訳しかたをされていたので、日本では浸透し難いのではないか。
(2)ジョディ「それが、お前の性だ」、『クライング・ゲーム』(92)
決め台詞としては決定的というか、ちょっと二の句が継げなくなる。
でもこれ、日常生活にも応用も出来ることばで、けっこう使うよ「これが俺の性だから」って。
(3)権藤「これからが、いよいよほんとうの俺なんだ」、『天国と地獄』(63)
全財産を失った主人公が、窮地だからこそ放つヒトコト。
自分に自信がないといえないが、権藤さんだったら大丈夫だろうと思わせる力強さがある。
(4)ハリー・キャラハン「やんなよ、俺を楽しませてくれ」、『ダーティハリー』シリーズ(71~)
「go ahead、make my day」―というオリジナル言語のほうが有名か。
これはある意味で名台詞に入るのだろうが、ダーディなハリーが「そういう名誉」を喜ぶとは思えないので敢えて選出してみた。
(5)ジュールズ「聖書は読むか?」、『パルプ・フィクション』(94…トップ画像)
その後、エゼキエル書のなかの「ありもしない」一節を長々と発する。
本人もいっているとおり「処刑場面として相応しい文言」だと思ったから発するようになった「決め台詞」であり、だから「聖書は読むか?」というのは、その前戯にあたる。
しかし相手が「うん、よく読むよ」と答えたらどうするんだ? という無粋なツッコミも可能なので、「名」台詞なのかどうかは、ひじょうに疑わしい。
(6)オットー「(俺のことを)馬鹿とはいうな」、『ワンダとダイヤと優しい奴ら』(88)
「stupid」という侮蔑語を極端に嫌う、馬鹿な犯罪者―というキャラクター設定が抜群に面白い。
(7)サリエリ「わたしは、凡人のなかのチャンピオンだよ」、『アマデウス』(84)
その前に、司祭に対し「君も同じだ」という。
説教しにきたはずの司祭が、いつの間にか逆になっているという構図の妙。
(8)勘兵衛「この米、おろそかには食わぬぞ」、『七人の侍』(54)
これは「勝ったのは百姓たちだ」という名台詞があったために、ちょっと影が薄くなった・・・とされているけれど、このシーンが好きな映画小僧、すっごく多いのだ。
(9)アリス「ファックしましょ」、『アイズ ワイド シャット』(99)
ある意味で最強の決め台詞。
鈴木保奈美のバージョン(=東京ラブストーリー)も悪くないけれど、リアリティはなかったよね。
(10)ゾンビ「脳ミソを!」、『バタリアン』(85)
あの勢いで迫られたら、なんとなく差し出してしまう?? かもしれない。
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『GW特別企画(4)映画の眼光』
きのうのテーマ「告白」に関連づけていえば、「好きだ」といったのに、相手がジョークと捉え「また~!!」と返されたり。
ちょっと高度なブラックジョークを放ったら、笑うとか白けるではなく、怒ってしまったり。
そのときの間抜けな感じといったら、ない。
ないが、日常というのはそういうことの繰り返しで、1割の打率でいいんですよ、思ったとおりにコトが運ぶのは・・・などといってはみるものの、なかには百発百中のヤツも居てね、悔しい思いをすることがある。
映画のキャラクターは、どんなだろう。
ここで取り上げるのは、教科書的な意味での名台詞ではない。
以下の10傑のうち半分以上が野卑に過ぎるし、そうでないものも、同じ映画のなかで決定的な名台詞が「誕生してしまった」ため、光を浴びることがなかった「ちょっと気の毒な」ことばなのである。
ただ、この台詞を生み出した作家、そしてそれを発したキャラクターたちは、おそらく狙っていたはずで、
だから『「名」かどうかは怪しいが、とりあえず「キメ」台詞』というビミョーなタイトルを冠してみたというわけ。
(1)ジョン・マクレーン「あったりめぇよ」、『ダイハード』(88)
実際には「yippee ki yay、mother fucker」、しかしまぁ「あったりめぇよ」でも不自然な感じはしない。
名台詞として認定? してもいいけれど、短過ぎるし、二作目や三作目ではちがう訳しかたをされていたので、日本では浸透し難いのではないか。
(2)ジョディ「それが、お前の性だ」、『クライング・ゲーム』(92)
決め台詞としては決定的というか、ちょっと二の句が継げなくなる。
でもこれ、日常生活にも応用も出来ることばで、けっこう使うよ「これが俺の性だから」って。
(3)権藤「これからが、いよいよほんとうの俺なんだ」、『天国と地獄』(63)
全財産を失った主人公が、窮地だからこそ放つヒトコト。
自分に自信がないといえないが、権藤さんだったら大丈夫だろうと思わせる力強さがある。
(4)ハリー・キャラハン「やんなよ、俺を楽しませてくれ」、『ダーティハリー』シリーズ(71~)
「go ahead、make my day」―というオリジナル言語のほうが有名か。
これはある意味で名台詞に入るのだろうが、ダーディなハリーが「そういう名誉」を喜ぶとは思えないので敢えて選出してみた。
(5)ジュールズ「聖書は読むか?」、『パルプ・フィクション』(94…トップ画像)
その後、エゼキエル書のなかの「ありもしない」一節を長々と発する。
本人もいっているとおり「処刑場面として相応しい文言」だと思ったから発するようになった「決め台詞」であり、だから「聖書は読むか?」というのは、その前戯にあたる。
しかし相手が「うん、よく読むよ」と答えたらどうするんだ? という無粋なツッコミも可能なので、「名」台詞なのかどうかは、ひじょうに疑わしい。
(6)オットー「(俺のことを)馬鹿とはいうな」、『ワンダとダイヤと優しい奴ら』(88)
「stupid」という侮蔑語を極端に嫌う、馬鹿な犯罪者―というキャラクター設定が抜群に面白い。
(7)サリエリ「わたしは、凡人のなかのチャンピオンだよ」、『アマデウス』(84)
その前に、司祭に対し「君も同じだ」という。
説教しにきたはずの司祭が、いつの間にか逆になっているという構図の妙。
(8)勘兵衛「この米、おろそかには食わぬぞ」、『七人の侍』(54)
これは「勝ったのは百姓たちだ」という名台詞があったために、ちょっと影が薄くなった・・・とされているけれど、このシーンが好きな映画小僧、すっごく多いのだ。
(9)アリス「ファックしましょ」、『アイズ ワイド シャット』(99)
ある意味で最強の決め台詞。
鈴木保奈美のバージョン(=東京ラブストーリー)も悪くないけれど、リアリティはなかったよね。
(10)ゾンビ「脳ミソを!」、『バタリアン』(85)
あの勢いで迫られたら、なんとなく差し出してしまう?? かもしれない。
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ブラックだけどユーモア 笑い呼ぶゾンビ物のはしりでしょうか
決め台詞
ーボンド ジェームズ・ボンドー
ただ名前を言ってるだけだけど