Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

映画監督別10傑(18)フランシス・フォード・コッポラ

2018-06-10 00:10:00 | コラム
~フランシス・フォード・コッポラのキャリア10傑~

スコセッシ75歳、ルーカス74歳、スピルバーグ71歳、デ・パルマ77歳、
そして長兄的存在のコッポラ79歳、

俺たち同世代、70年代に伝説作ったおじいちゃん集団なんだぜ~!!




精力的に過ぎるスピ爺とスコ爺は置いておいて・・・
とくにコッポラの場合、娘のソフィアがその道を完璧な形で継承してくれたというのもあり、晩年のドン・コルレオーネよろしく「余生をのんびりと過ごしている感」が強いのだが、まぁそりゃそうだ、とは思う。

もちろん新作があれば劇場までちゃんと行きますよ、
でもこれだけの遺産を残してくれたんだ、もう好き勝手やっていても誰もなにもいわないんじゃないかな。

そのくらい、映画界にとっての巨人であると。


名前は知っているけど―という、映画ファンに「なりたて」のひとだって居るかもしれない。

そういうひとは、1位にした作品が『午前十時の映画祭』で上映中なので、とりあえず観にいって衝撃を受けてほしい。


(1)『地獄の黙示録』(79)

戦争を描こうとして、米国をまるごと描いてしまったとされる映画史のなかの異物。

狂気の世界では、狂気こそが正気ということか。



(2)『ゴッドファーザー PART II』(74)

衝撃という意味では第1作なのだろうが、第2作の無常感のほうが好き。



(3)『ゴッドファーザー』(72)

冒頭の結婚式から、ドアーがゆっくり閉まるエンディングまですべてが完璧。

個人的神映画のひとつ『グッドフェローズ』(90)が生まれたのも、この傑作のおかげ。

(4)『ドラキュラ』(92)

黒澤映画を参考にしたとされるプロローグが素晴らしい。



(5)『カンバセーション…盗聴…』(73)

ジーン・ハックマンが裏社会に生きる男を好演。

地味だが、めっぽう面白い。

(6)『アウトサイダー』(83)

C・トーマス・ハウエル、マット・ディロン、ラルフ・マッチオ、パトリック・スウェイジ、ロブ・ロウ、エミリオ・エステベス、ダイアン・レイン、
さらにトム・ウェイツ、トム・クルーズまで出演する、当時のコッポラだからキャスティング出来たであろう豪華な青春映画。

(7)『ワン・フロム・ザ・ハート』(82)

スタジオに巨大過ぎるセットを建てて撮影された実験映画として有名だが、正直そんなことよりもナスターシャ・キンスキーの美しさに尽きる。



(8)『キャプテンEO』(86)

ディズニーランドに行ってみようと思ったのも、これがあったから。



(9)『タッカー』(88)

51台「のみ」完成した「タッカー車」を作った男、プレストン・トマス・タッカーの物語。

製作総指揮に盟友のルーカス、
日本ではさほどヒットしなかったと記憶するが、常に笑顔のジェフ・ブリッジスを見ているだけで飽きなかった。

(10)『コットンクラブ』(84)

原案のひとりは、『ゴッドファーザー』の生みの親マリオ・プーゾ。
禁酒法時代のニューヨークを舞台にした、ギャングと音楽家、タップダンサー、シンガーの物語。

コッポラはやっぱり、大作志向・嗜好が強いひとだなと。

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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(61)大場久美子』
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ベルギーに一票

2018-06-09 00:10:00 | コラム
「スタジアムの建設が間に合わない」
「開催1週間前なのに、盛り上がる気配がない」

もはやこれは、世界規模のスポーツイベントにおける「開催直前あるある」なんじゃないだろうか。


蓋を開けてみれば、結局は間に合うし、かつ盛り上がるだろう、、、と。

日本で開催されるラグビーW杯(2019)に関しては一抹の不安はあるけれども、
まもなく開催される『サッカーW杯 ロシア大会』(6.14~7.15)は、まちがいなく盛り上がるでしょう。

サッカーに精通しているわけではない自分だって、あぁ早く始まらないかな・・・と思っているくらいだから。
(夏季五輪、冬季五輪よりもサッカーW杯のほうが興奮する)


正直、日本代表を熱心に応援しているわけじゃあない。

もちろんグループステージ突破は果たしてほしいよ。

ポーランドやセネガル、コロンビアに勝つ図は想像し難いけれども。
戦術はともかくとして、ハリル氏解任のゴタゴタはどうかと思ったけれども。(個人的には、アギーレ・ジャパンをもう少し観たかった)

でもまぁ、勝負事はやってみるまで分からないからね、ひょっとしたらひょっとする可能性は充分にある。


ただ個人的にサッカーのW杯で楽しみなのは、8強になって以降だったりする。

まぁレベルの高いこと高いこと!


国内の視聴率は母国が敗退決定の直後から急降下するものだが、8強に残ったホンモノ同士の戦いこそ、ほんとうは観るべきでしょうよ。

前回(ブラジル大会)の決勝、ドイツVSアルゼンチンなんて、サッカードシロートの自分でさえ最高画質の永久保存しているくらいなんだから。




そんな自分が推している国は、ベルギー。




派手さはないし、いわゆるスーパースターが居るわけでもないが、地味に強い国。


前回もベルギーを応援していたが、今回は(順当にいけば)8強まではまちがいなく進むのではないかな~。

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明日のコラムは・・・

『映画監督別10傑(18)フランシス・フォード・コッポラ』
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シネマしりとり「薀蓄篇」(250)

2018-06-08 00:10:00 | コラム
さいた「ま」→「ま」んしんそうい(満身創痍)

満身創痍とは簡単いえば、傷だらけの状態を指す。

自分もよく怪我自慢を展開するけれど、それでも(試合の前からテーピングをぐるぐる巻いている)桜庭和志や、



常にどこかを折っている出川哲朗には敵わないわけで、こういうひとたちこそ、満身創痍という(自分にとっては)格好いいことばを使う資格があるのだと思う。


映画と満身創痍。
物語の基本とされる起承転結の「転」があるかぎり、映画と傷だらけは切っても切れない関係なのだった。

以下が、印象に残る「映画のなかの満身創痍」。


(1)『ダイ・ハード』(88…トップ画像)

裸足という時点で出血「前提」であり、そりゃあ(数時間ぶりに)再会した妻は、その変わりように驚くわな。

(2)『トゥルー・ロマンス』(93)

どれだけ痛めつけられても、ファック・ユー。

この映画のアラバマは、クラレンス以上にクール。



(3)『用心棒』(61)

ジャイアント馬場みたいな巨人に、ボコボコにされる。

(4)『ミザリー』(90)

髭剃りさえも、おそろしい。



ここまでいたぶられるなら、死んだほうがいいかもしれない。

(5)『裸の銃を持つ男』(88)

その後のO・J・シンプソンを思うと、、、ね苦笑



(6)『レザボア・ドッグス』(92)

血だるまになって、ひくひくいっている、ミスター・オレンジ。

(7)『ロボコップ』(87)

キチガイ連中につかまり、ヒトとしての機能を破壊される主人公。

(8)『ジョニーは戦場へ行った』(71)

このなかで最も悲惨であろうし、最も笑えない。



(9)『ユージュアル・サスペクツ』(95)

「全身火傷の男が、死ぬほど怖がっているんだぞ!」

(10)『ランボー』(82)

身体だけでなく、こころがもっとやられている。




次回のしりとりは・・・
まんしんそう「い」→「い」っぱつや。

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『ベルギーに一票』
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シネマしりとり「薀蓄篇」(249)

2018-06-07 00:10:00 | コラム
つば「さ」→「さ」いたま

『サザエさん』『ドラえもん』問題というべきか、
長寿アニメーションの宿命みたいなものだろう、『クレヨンしんちゃん』の主人公・野原しんのすけの声を担当していた矢島晶子が「喉の限界」を理由に降板することが発表され、ファンのあいだで動揺が広がっている。

「あの声しか考えられない」という思いと、
だからといって、次の声優さんが「矢島テイスト」でやるのはちがう! という思い。

分かるなぁ。


『クレヨンしんちゃん』の舞台は、埼玉県春日部市。

行ったことがなくても、このアニメーションのおかげで親近感を抱いているひとは多いはず。


最近は「自虐性」を売りに群馬県を舞台にした映画や漫画も増えたけれど、埼玉県を舞台にしたもののほうが「圧倒的に」多い―と感じてしまうのは、地域性を全面に押し出す『クレヨンしんちゃん』の印象が強いから、、、という理由も3割くらい含まれているのではないかしら。

昔は、「ダサいたま」なんていわれていたのにね!

現在は、そんな感じがまったくしないもの。


東京都心にちかい、というのもあるし。
さいたまスーパーアリーナもあるし。
(これは個人的な趣味だが)益若つばさに菜々緒、こじはる、川島海荷、菊田真衣子などなど、美人タレントやモデルを沢山輩出しているし。


そんな、埼玉県を舞台とした映画の代表作がこちら。


『キューポラのある街』(62)…川口市




鋳物工場による直立炉(キューポラ)が立ち並ぶ町を舞台にした、青春物語。

サユリストでない自分でも、この映画の吉永小百合は素晴らしいと思うし、現代っ子が観ても元気をもらうであろう物語の「強さ」が素晴らしい。


『鬼畜』(78)…川越市

清張×野村芳太郎による大作。

主人公(緒形拳)と、その妻(岩下志麻)、さらに妾(小川真由美)。

ほんとうの鬼畜は誰なのか? というお話。


『鉄塔 武蔵野線』(97)…新座市・所沢市・三芳町・川越市・狭山市・日高市

日本ファンタジーノベル大賞受賞作を映画化、「武蔵野線 1=原子力発電所」を目指して旅をする少年の物語。



伊藤淳史の初主演作であり、はっきりいうが、いまとはちがってわざとらしくない演技を披露していて好感が持てる。


『SR サイタマノラッパー』(2009)

そう、埼玉には入江悠が居る。
2000年代のインディーズで、最も成功を収めた映画監督。

出身は横浜だが、青春時代を送ったのは埼玉。

土着性の強い物語でありながら、その視点はとてつもなく広くて感動する。




あすのしりとりは・・・
さいた「ま」→「ま」んしんそうい。

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『シネマしりとり「薀蓄篇」(250)』
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DA―WA

2018-06-06 00:10:00 | コラム
「~だわ」
「~なのよ」

「~なのよ」はともかく、
「~だわ」などという女子に、未だかつて出会ったことがない。


『それから』の三千代は、たしかに「残酷だわ」と発したが、あれは小説だし、時代もちがう。

現代日本で語尾に「~だわ」といっている女子は、まぁゼロとはいわないけれども「ごくわずか」でしょう。


ところがモノカキをやっていると、女子の口調を「~だわ」にしてくれ、、、なんていう指示を出されることがある。


いやいやちょっと待ってくださいよ、これ若い女性の発したことばじゃないですか、自分もその場に居たわけで、「~だわ」なんていってませんよ。

といったところで、ボスの指示は変わらない。


狙いは分からなくもない。
要はことばだけで男か女かを表現したいわけでしょう、しかしだね、読み手は不自然な語尾のほうを気にしてしまい、話している内容が頭に入ってこないのではないか。


とくにひどいのが、外国人のインタビュー記事(の和訳)。

外国語なのでこっちも確認のしようもないし、どう確認したらいいのかも分からんのだが、女性であれば「ほぼ100%」で「~だわ」にしている。

マドンナやケイト・ブランシェットが、「~だわ」みたいに話すと思う?


そういうことになっている。
つまりは、過去例をそのまま踏襲する、、、を繰り返している。

裁判みたいだね。

こういうの、古いなぁと思ってしまうのだが。




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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(249)』
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