千年以上も続く、京都祇園祭「前祭」へ行った。
始発の新幹線で、京都駅に8時前に到着、先ずは歩いて西本願寺へ行きお参り、そこから四条通へと向かった。
前祭では、33基あるうちの23基が各町から出て、四条通を人力で引っ張り、その勇壮で美しい装飾を施された山鉾を見るために集まっている人の数の凄いこと。
9時前、出発を控え、「男達」が次々と鉾に乗り込み、下で女性や関係者らが誇らしげに見守っていた。
この伝統行事は、山鉾には女人禁制が守られているそうで、特に先頭を行く長刀鉾の「いき稚児」は男児で、祭りの前からは母親でも世話をすることが禁じられているそうだ。
「こういうのを男女差別だという人もいるが、祭りは神事であり、それを守るのが伝統であり、変えるべきではない」と、食事をした居酒屋のおかみさんは言った。
山鉾巡行のクライマックスは、「辻回し」と呼ばれる、巨大な鉾が交差点を曲がるもので、四条烏丸の交差点はもう身動きが取れないほどになっていて、あっという間に一緒にいた夫とはぐれてしまった。
全て人力で引くので、曲がり角では、沢山の竹を道路に並べ、水を撒いて、合図と共に一気に曲がる方向へ引っ張るのである。
一度では無理で何度も行われ、危険も伴うので、皆が固唾をのんで見守り、曲がりきると大歓声が沸きあがる。
蟷螂鉾も人気のようで、この上に乗っかるカマキリは動く。
いつも動くわけではない、時々動くので、バタバタと羽根を広げカマを上下に揺すると、「カマキリさん、動きはったワ~」と皆大喜びである。
四条烏丸で辻回しを見て、はぐれた夫と合流し、汗だくの祇園祭は終了。
この祭りの前日の宵山は、各町の山や鉾の提灯の灯が綺麗で、それぞれが売る粽を買い求めるというのが京都の習わしだとか。
♪コンチキチン♪の鐘の音は今も耳に残っているが、流れるように出た汗の暑さは、3日も経つと忘れてしまった。