職場のMさんが9月の終わり頃に旅行でラサへ行き、そのお土産にこの「マニ車」のストラップをもらった。
高校のクラス会を色んなところでするらしいが、今回はチベット高原鉄道に乗ってラサへいったとか。
以前NHKの特集を見たが、すごく高い所を走っている鉄道で、聖地ラサまで一気に行ける。
別に聖地へ行きたいというわけじゃなく、駅・電車好きの私としては死ぬまでには一度、と思っているところなのだが、話を聞くうちに思いが変ってきた。
高い所なので、電車の中にも酸素ボンベのようなものがあるというのは番組でも見たが、着いてから歩くのにもその気圧の違いからかすごくしんどいらしいのだ。Mさんは日頃からよく歩いている人なのに、気分が優れずゴハンもそこそこだったとか。
ラサも、マニ車は回してきたが、どこへ行ってもバターの臭いがすごくて、言っては悪いが気分が悪かったと。お寺の中もお供えにバター。そして人の臭い。このあたりの人たちはお風呂に入る習慣がないらしく、そんなこんなで食欲は失せたとか。
肝心の鉄道も、現地の人たちは列車の中に持ち込んだ食料を簡単な調理をして食べているから、ここでもまた色んな食品の臭いが充満して、人の臭いと混ざって気分が悪くなったとか。
何より、ラサへは拝みながら這うようにして一歩一歩行く人たちがいるというのに、こんな宗教心のない観光客が電車でささっと行って、マニ車を簡単に回して、あちこち写真を撮って、行った行ったと言っていいものなのかと思った、と。なるほど頷いてしまう私だった。
「マニ車」といっても知らない人が多いから、分かってくれる人にだけ、と言って渡されたこのストラップ。
これを回せば、回した数だけお経を唱えたことになる、というマニ車。
すごい思いをして行って来たMサン。
「もう綺麗なところにしか行きたくない。外でトイレということもあったンよ。こういうところはイヤ。デンマークへ行こうね」だって。
同感・・・。