涼しい・・・。
すっかり真っ暗になった外では、リーリーと虫の声。
昨日の晩からめっきり涼しくなって、いよいよ秋に入ったのか。
嬉しい・・・。
好物の無花果がお店に並び始めた。
ぽくっと控え目に開けた口から、赤いところがチョコッと覗いているくらいのが好きだ。それも、今朝取った真新しく初々しいものを、じっくりと品定めして買う。
軸の方から綺麗に剥いて、必ず四等分に切って赤いところを見せる。
一口ほおばると、ぷちぷちの食感とじんわり甘みが口中に広がって、「シアワセ~」ということになる。
コドモの頃には大嫌いだったこの無花果。
あの甘苦いような匂いが嫌いで、無花果の木がある畑に近づくのもイヤだった。
母が剥いて食べているのを気持ち悪く思ったものだ。
でも、秋の味覚もほんの一時。
寂しい・・・。
陽の沈むのが早くなり、帰りのバスから見る山の稜線が紺色にくっきりと見え、家に着いた頃にはもう真っ暗。
取り入れる洗濯物は冷たく湿ってしまっている。
ああ・・・大嫌いなこれからの季節は3月まで長い・・・。