僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

潜入失敗

2006年07月22日 | SF小説ハートマン
スペースギアに戻ると街から少し離れた農場の納屋らしき建物の裏にそっと移動した。もう一度調べてみる必要がある。
スペースギアはいつでも呼び出せるようにコールオプションをオールタイムにセットする。

コックピットを出るとプシュッとエアロックが閉まり、ハイブリッド合金の小部屋は自分で探知した環境の色に変装を始めた。1分もすればどこにそんな物があるのか分からなくなってしまう。装備されたばかりの外殻迷彩装置(NINJYA)が稼働したのだ。

クラブの建物に屋上から潜入を試みた。いくつかのドアを通り抜けた時、いきなりレーザービームがハートマンの右肩を貫いた。オートセキュリティシステムの赤外線に見つかってしまたのだ。

「しまった、発見された。」

戻ろうとしたハートマンの左足をまたもやビームが貫通する。肉の焼ける臭いがした。
「脱出しなければ…」
走り出した瞬間に襲ってきた激しい痛みに思わず転倒する。衝撃でハンディウエポンがホルダーから外れ通路に転がった。

異常な物音を感知し、各所に配置されていた外来者監視用防犯カメラが一斉に向きを換え彼を追う。すぐに戦闘用ガードマンが駆けつけるだろう。

バイオリストコンピュータは痛みの感覚だけを断続的にに遮断しながらスペースギアに(エスケープモード)を指示した。   つづく
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