僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

日曜日の朝

2006年09月29日 | SF小説ハートマン
日曜日の朝早くお父さんの呼ぶ声で目が覚めた。
「おい宇宙、これから星見ちゃん家に行くから一緒においで。」
「えーっこんな朝から、何しに行くの?」
「おじさんが宇宙君も一緒に来てくれって言ってるんだ。今日はテストじゃないだろ?」
「うん、でもご飯まだだよ。」
「大丈夫、星見ちゃん家で何か食べよう。お母さんにもそう言っといたから。」

お父さんはいつもそうだけど、人の家に行っても遠慮とかしないんだ。子どもの僕が恥ずかしくなっちゃうこともある。美味しいお菓子をいただいた時なんか
「こりゃぁ美味いですね。」
なんて言いながら一人で全部ぱくぱく食べちゃって
「すみません、あんまり美味いんで気がついたらみんな食べちゃいましたね」
とか笑っている。もぅほんとにやめて欲しいよ。
ちょっと帰りが遅くなって、家の人にご飯食べていかない?なんて誘われると、いいえ結構ですなんて言ったことがない。
特に星見ちゃん家だとまるで自分の家のようにしている。

「何か僕に用事があるのかなぁ」
「こないだの写真のことだって言ってたぞ、写真がどうかしたのか?」
お父さんはそう言って僕を意味ありげに見た。
「あと、これも持ってくるように言われたんだけどな。」
と、黒島の写真アルバムを持ち上げて見せた。

焼尻島と黒島。僕が不思議に思っているあの写真のことだろうか?ハートマンのこと知ってるのかな?スペースギアの駐機場、セクションの入り口。そのことをおじさんは何か知ってるのかも知れない。ちょっとドキドキしてきた。
僕は急いで顔を洗い身支度をした。    つづく
コメント (34)
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