暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

HOLLYWOOD FESTIVAL ORCHESTRA(Japan Tour 2025)

2025年01月06日 | 歌舞伎・能など

 

令和7年(2025年)1月4日(土)にHOLLYWOOD FESTIVAL ORCHESTRA(Japan Tour 2025)へ行きました。

横浜みなとみらいホールで14時開演でした。

思えば5回目でしょうか? 最初は確か京都在住の時の2015年お正月だった・・・・

それ以来、コロナ時を除いて2年に1回のオーケストラの演奏を楽しんできました。

「もし行けるなら1月4日のチケット2枚を取るけれど・・・」と暮に次男から嬉しい電話があり、正月一番の楽しみでした。

 

      (開演前のみなとみらい大ホール)

13時半の開場に合わせてみなとみらい大ホールへツレといそいそと向かいました。エントランスで切符とパンフを受け取り、座った席は中央の最高の席でした。これだけでも感激!でしたが・・・・。

毎年同じようなハリウッド映画音楽のオーケストラ演奏なのですが、今年は今までで一番素晴らしかった!

スクリーンを離れた映画音楽が、私たち観客の想像力を引き出したり、この映画は誰々さんと見たっけ・・という想い出が昨日の如く現れたり、スクリーンに映し出される映像の動きに合わせた演奏に魅せられたり・・・いつも感動させられ、元気をもらいます。

指揮者ロイド・バトラー、コンサートマスターが大ファンのヴァ―ジル・ルブーからジェリー・バイスに変わったのが残念だったけれど、もちろん全員が申し分のない演奏者でした。

後半の初めにお馴染みのビリー・キングが登場し、「ゴースト」、「ゴッドファーザー愛のテーマ」「スタンドバイミー」「慕情」を熱唱しました。ビリー・キングも相当なお歳だと思うのですが、声量や歌唱力は変わらずに素晴らしい歌声を聞かせてくれました。

そのあとに登場するのが日本人の歌手で、今までちょっぴり物足りなさを感じていたのですが、今年は違いました。

八神純子さんです。

「みずいろの雨」「TERA~ Here we will stay」「サウンドオブミュージック~私のお気に入り」「シエルブールの雨傘」の4曲を歌いましたが、どの曲もその歌唱力、表現力にもうもう魅せられました。

中でも11分14秒にも及ぶ組曲「TERA(地球のことだそうです)」(作詞:KAZUKI、作曲:八神純子、編曲:澤近泰輔)が圧巻でした。

オーケストラを従えて、ある時は静かに、ある時は死に絶えるように、ある時は素敵な明日が来ることを信じて・・・謡いあげました。ピアノ演奏の方(お名前が・・・)も八神さんの好さをより引き立たててステキでした。

もう感動し、圧倒され、涙が出てきて困りました・・・。

ハリウッド・オーケストラに負けないどころか、その良さと可能性を逆に引っ張り出すような八神純子さんの歌の力に大拍手です。

帰りにホールの売店で「TERA」のCD(八神純子サイン入りカバー)を買いました。

 

最後のアンコールアワーの盛り上がりはものすごく、今までで一番素晴らしかったHOLLYWOOD FESTIVAL ORCHESTRA(Japan Tour 2025)でした。 ブラボー!

ご招待してくれてありがとう!

 

(参考)

〇 HOLLYWOOD FESTIVAL ORCHESTRA 2015年1月3日  大阪・オリックス劇場     

〇 HOLLYWOOD FESTIVAL ORCHESTRA 2017年1月6日  横浜みなとみらいホール

〇 ハリウッド・フェスティバル・オーケストラ 2019年1月20日 東京渋谷・Bunkamuraオーチャードホール

〇 ハリウッド・フェスティバル・オーケストラ 2023年1月  横浜みなとみらいホール(ブログに記録はないが参席)

 

 


新しい習い事・・・花塾

2025年01月03日 | 暮らし

 

ここ数年考えていたことをやっと実行に移せました。昨年11月のことです。

お花を習いたいと思いました。茶花や伝統生け花(池坊流、草月流など)ではなく、全く知らない現代アートのような花に触れてみたい・・・と。

ずっーと先生を探していましたが、決心して通うことになったのが花塾でした。先生は40歳代の男性です。

11月はまずは体験ということで、クリスマスの花(テーブルフラワー?)を活けさせていただきました。

 (天高く五葉松・・・令和7年元旦に撮影)

そして12月24日の花塾のテーマは「お正月の花」を活けるでした。

オアシスが入れられた四角い黒い花器を2個、大きな花束が1個渡されました。

最初に講義があります。花束に入っている花の名前、松の生け方、松を使う理由、水仙の枝の重ね方、袴の取り方とはめ方など、初めて伺うことも多く、面白かったです。水仙の袴の扱いがこんなに難しいなんて・・・。

特に2つの花器を並行ではなく縦にずらして、遠近感と重なりが出るように生けるのがとても新鮮でした。

生徒さんは私を入れて4名の女性です。丁度良い人数で、わからなくなると

「先生、これはどのように活けたらよいのでしょうか?」と伺うと、すぐに適切な指示をしてくださいます。

どの花を中心にしたらよいかを考えて、根じめは千両でしてください・・・驚いたことはあんなにたくさんと思っていた花をすべて使い切ったことです。

無駄なものをそぎ落とす茶花とは正反対の生け方ですが、とても華やかでにぎやかな中にも調和があり、内心びっくりでした。

活け終わると、前に並べて写真を順番に撮りました。

        (お正月の花を生ける・・・花塾にて)

他の方の作品も次々に並べられて・・・同じ花材でもそれぞれが違う個性が感じられて、どれもステキでした。

カルチャーなので3ヶ月ごとの更新になるそうですが、とりあえず1年間は続けてみようと決心したところです。

12月中は玄関に、正月から茶室の床に飾ってあります。

1ヶ月に1回、茶花ではないフラワーアレンジメントが茶室の床を彩るかもしれません・・・ネ。

 

         (お正月の茶室の床が華やかになりました)

 


令和7年(2025年)の年頭に思うこと・・・

2025年01月01日 | お茶と私

 

新年あけまして おめでとうございます

   昨年は大変お世話になりました

   本年もよろしくお願いいたします

        令和7年 元旦    暁庵

 

今年はどんな年になるのでしょうか? 

先のことはわかりませんが、令和7年(2025年)年頭に思うことがあります。

 

昨年10月26日(土)に第28回「丘の上チャリティ茶会」へ出かけた折のことです。以下ブログより転載します。

席主の一人・高橋敏夫牧師から鋭い質問がお正客へありました。

「貴女は茶の湯を長く修練していますが、茶の湯に究極に求められているものは何だと思いますか?」

しばらく考えられてから「それは「茶の心」でしょうか」とお正客が答えると、

「「茶の心」も良いけれど、私は「ぬくもり」だと思いますよ」と。

正解はありませんが、茶の湯の有り様や心構えをいろいろ考えさせられる質問でした。

 

暁庵だったらなんと答えるのだろうか・・・と自問しました。

すぐに「人の縁(えにし)」だと思いました。

茶の湯を通して出会った、いろいろな「人の縁」が頭を駆け巡ります。

惜しげなく根気よくお教え導いてくださった先生方や先輩方、共に研鑽に励んでいる茶友たち、暁庵の茶道教室で稽古に励んでいる生徒さん、茶事や茶会で一期一会のご縁をいただいたお客様・・・どの出会いもかけがいのない、貴重な出会いです。まさに「五百生のお茶のご縁」でしょうか。

これぞ茶の湯に究極に求められているものであり、とても大事なものだと思っています。

もちろん「人の縁」は、良いことばかりではなく、辛いことや悲しいこともありましたが、そんな時はお茶の神様があえてそのようにしてくださったのだ・・・、反省や苦しい現状を乗り越える試練をくださったのだ・・・と思うことにしています。

今年も「人の縁」を大切にしながら、ゆっくりと茶の道を愉しく歩んでいけたら・・・と願っています。

令和7年もよろしくお付き合いのほどお願い申し上げます。

 

(参考) 「五百生のお茶のご縁」より抜粋

「心に響く100の言葉」(特別保存版 PHPアーカイブス)で心に飛び込んできた言葉がありました。

仏教詩人・坂村真民(1909~2006)の座右の銘の仏語です。真民先生はツレの高校時代の恩師でもあります。

  聞法因縁五百生(もんぽういんねんごひゃくしょう)

  同席対面五百生(どうせきたいめんごひゃくしょう)  仏語

 

五百ぺん生まれ変わりした長い深い因縁のおかげで、今この尊い教えを聞くことができた。席を同じうし、顔を合わせることができた。なんとありがたいことであろうかという仏語であって、お茶でいう一期一会とまったく同じである。

わたしは、この言葉が好きで仏教が好きになったのであるが、人生というものは、このお言葉のように、深いえにしの不思議な出会いなのである。  坂村真民

 

 


令和6年クリスマス・飯後の茶事・・・(4)

2024年12月31日 | 「立礼の茶事」(2023年~自会記録)

   (散紅葉がきれいでした・・・12月25日撮影 広尾・祥雲寺にて)

 

茶事の数日後、茶事の礼状がYさまから直接我が家へ届けられました。

開けてみてびっくり仰天しました! 素晴らしい巻紙の絵手紙を写真にて掲載します。

さらにSKさまからも心温まる礼状が郵送で届きました。こちらも掲載させていただきます。

 Yさまからの巻紙の絵手紙

 

 

 SKさまからのお手紙

昨日はすばらしいクリスマス茶会にお招きいただきありがとうございました

最後に板木をひとたたき

送りに喚鐘を鳴らしていただいたその音が心にここちよく ジングルベルのようにも聞こえ

気持ちよく帰路につきました

寄付の火入の一閑人のサンタ帽 席中では初めての責紐釜にロザリオがかかり

暁庵様の楽しい設えにノックダウン 本当に楽しく素晴らしかったです

また花生けは洋花のダリアを太い鎖で釣り 魅せられました

なぜ私がお正客かしら・・・と席に着き 濃茶と薄茶をいただいたお茶碗を手にして暁庵様の本意に感謝しました

私の好みのすばらしい木守の赤楽写しに 御本の沓形切高台を選んでくださって この上もなく幸せでした

ありがとうございました

たくさんのアイディアと室礼の工夫 お心のこもったおもてなし 感動いたしました

後片づけなど どうぞお疲れがでませんようご自愛くださいませ

今年も残り数日 どうぞ良いお年をお迎え下さいませ   12月24日  SK

 

    (今日は大晦日、除夜の鐘ですね・・・25日撮影、広尾・祥雲寺にて)

 暁庵より

ステキなお客様をお迎えして、亭主も半東も楽しく幸せな時間をご一緒させていただき感謝でございます。

道具はあり合わせでしたが、心だけは熱くオーバーヒート気味、半東AYさんの強力なサポートのおかげで最後までやり通せて安堵しています。

(毎回、これが最後かしら??と思いながら続いています・・・

ほっこり温かなお手紙がとても嬉しかったです。こちらこそ元気をいただき、ありがとうございました。  

    

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            「クリスマスの茶事」支度に勤しんでいます

 

読者の皆様へ 

今年も「暁庵の茶事クロスロード」をご愛読いただき、ありがとうございました!

どうぞお元気で良い年をお迎えください。    令和6年大晦日  暁庵  

 

 


令和6年クリスマス・飯後の茶事・・・(3)

2024年12月29日 | 「立礼の茶事」(2023年~自会記録)

       (いつもよりもっと暗くしたい!・・・)      

つづき)

蝋燭の灯のもとで濃茶を練って差し上げるのが好きですが、今回はいつもよりもっと暗くしたい!と思いました。

だいぶ前になりますが、香川県直島の家プロジェクトで訪れた「南寺」(ジェームス・タレルの作品)の暗闇が心に浮かんできたのです。

真っ暗闇の中、しばらく静かに座っていると見えてくる幽かな明かり、目が闇に慣れてくるとさらに明るく感じられるという、不思議で魅力的なタレルの作品でした。お正客さまがタレルの「南寺」をよくご存じで、私の思いに反応してくれて嬉しかったです。

「南寺」のような真っ暗闇の中での席入りは無理なので、蝋燭の灯りを最小限の2つに絞りました。床の小灯しと点茶盤の南蛮人燭台です。

 

      (床に小灯しを置きました)

  (明るくするとこのような・・・お軸は「洗心」)

     (後座の灯りは2つにしました)

   (明るくするとこのような点茶盤の設えです)

後座のお軸は「洗心」、紫野・雲林院の藤田寛道師のお筆です。

このお軸を掛けると、清々しくも身が引き締まる思いがします。

今年1年に心に溜まった様々な悩み、葛藤、焦り、欲望などを洗い流して、新たな気持ちで新年を迎えられたら・・・と。

 

2つの灯の中で濃茶を練って差し上げました。

点前座は思ったより明るく、見えると思っていないので特に不便や失敗もなく濃茶を練ることが出来ました。

赤楽茶碗と黒楽茶碗を用意し、赤楽茶碗で1人分練ってお正客さまに、黒楽茶碗で2人分練って次客さまと半東AYさんに飲んでいただきましたが、「お服加減はいかがでしょうか?」 濃茶は「星授(せいじゅ)」(八女の星野園詰)です。

赤楽茶碗は長次郎の「木守」写(6代左入作、15代直入極)、黒楽茶碗は長次郎の「喝喰」写(昭楽作)です。

うす暗い闇の中で赤楽茶碗と黒楽茶碗をどのように感じられたでしょうか?

なぜ利休さんは赤楽茶碗と黒楽茶碗を長次郎に造らせたのだろうか?

・・・など、茶碗を拝見して頂きながらあれこれお話ししました。

茶入は朝鮮唐津の胴締め(鏡山窯、井上東也造)、仕覆は織部緞子です。

茶杓は銘「たんちょう(丹頂→誕生)」、紫野・藤井誠堂師の御作です。

最後に、教会の蓋置(長崎三彩)も拝見に出しました。

濃茶に続いて干菓子が運ばれ、半東AYさんのお点前で薄茶を差し上げました。暁庵が半東ですが、最初から空いている喫架に座らせていただきました。

美味しそうに点てられた薄茶を運んだり、お客様のいろいろな質問に応えたり(濃茶では遠慮してくださっていたので・・)、忙しいけれど楽しく親しく交流が深まる時間でした。

「お席に入った時からお尋ねしたかったお花のことをやっと聞けました!」と正客SKさま。きっといろいろなお心遣いをしてくださったのね・・・と胸が熱くなりました。

(赤いダリア、ユーカリ、白いピペリカム、もう1種は?。中村錦平造の釣り花入に生けました)

薄茶の茶碗は、御本三島(箱書はありませんが、一番お好みかも・・)と雲鶴青磁の馬上杯です。茶碗を代えて薄茶を楽しんでくださいました。

「半東さんが点ててくださった薄茶がとても美味しいです。お上手ですね!」と褒めてくださり、嬉しかったです

薄茶は「舞の白」(星野園)、干菓子「ホワイトクリスマス」(鶴屋吉信製)と「ともしび」(ショコラ ベル アメール(Chocolat BEL AMEL)のオランジェット)がとても好評で、こちらも半東さんのチョイスでした。

   (茶器や茶碗・・・次客Yさまの礼状より掲載)

薄器と茶杓の拝見が掛かり、後は半東に任せて、暁庵は露地に足元行灯、躙り口に手燭を用意し、雨戸を1枚開けてから茶室へ戻りました。

薄器は紅毛写茶器、茶杓は濃茶と同じ「誕生(たんちょう)」です。

 

名残惜しく、いつまでもこのまま居てほしい・・・と思いながら、最後のご挨拶をしました。

茶道口の襖を締めると、赤い帽子をかぶった可愛いサンタクロースが廊下で待っていたので再び中へ入り、

「今ちょうど、サンタクロースがやってきたようですよ!」

あとはサンタさんにお任せして失礼しましたが、何やら歓声が上がっていたような・・・

 

足元行灯が照らす露地を通リ、うす暗い待合へお戻り頂きました。

お見送りは喚鐘にて・・・。

こうして「令和6年クリスマス・飯後の茶事」が心の中に何か大きなものを残して終了しました。

SKさま、Yさま、半東AYさん、楽しい愉しい茶事をありがとうございました!  まだ続きます

        

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