釜師の長野家の初釜へお招きいただきました。
・・・ところが、新年早々の大失敗。
乗るつもりの電車に遅れ、後の電車で行き先を間違え、
間違った事に気づかず、かなり先へ行ってから引き返し・・・
というドジで、お招きの時間に大幅に遅れてしまいました。
何とか初座の濃茶席へ滑り込み、冷や汗を拭いました。
長野てつ志さま、奥さま、長野新さま、新氏夫人の珠己さま、
遅れましたのに何かとお気遣いいただき、感謝申し上げます。
残念ながら肝心なお話を聞き逃しましたので、
長野家初釜のハイライトである釜のことだけ書き留めておきます。
初座の釜は長野てつ志氏の「鷺文丸釜」が掛けられていました。
丸いお形が優しく、ざわつく心を鎮めてくれます。
釜肌、色が何ともいえない好い味わいでした。
中立で近寄って拝見すると、胴に鷺と水辺の景色の模様があり、
一瞬、鷺模様の古芦屋釜を連想しました。
鐶付は茄子でした(一富士 二鷹 三茄子の茄子でしょうか?)。
最近のお作ではないそうですが、
形、釜肌、色艶、模様ともに素晴らしく
初釜でのお出合いは何とも嬉しいことでした。
後座は「肩付釜(月光の銘あり)」が掛けられました。
長野新氏の作です。
初座の丸釜と対照的な、きりりと清新の気が漲る釜です。
肩の上方と下方では釜肌が少し違うように見えました。
胴に日(光)月の模様があり、鐶付は兎です。
謡曲「竹生島」の一節
緑樹影沈んで
魚木に登る気色あり
月海上に浮かんでハ
兎も波を奔(カケ)るか
面白の島の景色や
を思い出し、日月の波間を兎が駆け抜けていく様が
頭の中をよぎりました。
とても清冽な一瞬でした。
後でお話を伺うと、昨年の伝統工芸東日本支部展に出展した作品で、
ご自身で初めて銘を付けられた釜だそうです。
きっといろいろ苦心、工夫されて、会心の一作となったことでしょう。
蓋は神輿蓋で、透かしのあるツマミは花びらと鳥の模様でした。
蓋もツマミも釜と一体となって溶け込んでいました。
最後に福引があり、お正客さまが引き当てた
長野てつ志氏作の「ふなくぎ」の鐶がこれまた素晴らしく、
羨ましかったです・・・。
釜師の初釜らしく、お二人の釜とご一家総出で
お心こもるおもてなしを頂き、お客さまとのお出逢いも楽しく
「今年は春から縁起がいいわいなぁ~」
のち
写真は、太郎冠者(有楽椿)です。
・・・ところが、新年早々の大失敗。
乗るつもりの電車に遅れ、後の電車で行き先を間違え、
間違った事に気づかず、かなり先へ行ってから引き返し・・・
というドジで、お招きの時間に大幅に遅れてしまいました。
何とか初座の濃茶席へ滑り込み、冷や汗を拭いました。
長野てつ志さま、奥さま、長野新さま、新氏夫人の珠己さま、
遅れましたのに何かとお気遣いいただき、感謝申し上げます。
残念ながら肝心なお話を聞き逃しましたので、
長野家初釜のハイライトである釜のことだけ書き留めておきます。
初座の釜は長野てつ志氏の「鷺文丸釜」が掛けられていました。
丸いお形が優しく、ざわつく心を鎮めてくれます。
釜肌、色が何ともいえない好い味わいでした。
中立で近寄って拝見すると、胴に鷺と水辺の景色の模様があり、
一瞬、鷺模様の古芦屋釜を連想しました。
鐶付は茄子でした(一富士 二鷹 三茄子の茄子でしょうか?)。
最近のお作ではないそうですが、
形、釜肌、色艶、模様ともに素晴らしく
初釜でのお出合いは何とも嬉しいことでした。
後座は「肩付釜(月光の銘あり)」が掛けられました。
長野新氏の作です。
初座の丸釜と対照的な、きりりと清新の気が漲る釜です。
肩の上方と下方では釜肌が少し違うように見えました。
胴に日(光)月の模様があり、鐶付は兎です。
謡曲「竹生島」の一節
緑樹影沈んで
魚木に登る気色あり
月海上に浮かんでハ
兎も波を奔(カケ)るか
面白の島の景色や
を思い出し、日月の波間を兎が駆け抜けていく様が
頭の中をよぎりました。
とても清冽な一瞬でした。
後でお話を伺うと、昨年の伝統工芸東日本支部展に出展した作品で、
ご自身で初めて銘を付けられた釜だそうです。
きっといろいろ苦心、工夫されて、会心の一作となったことでしょう。
蓋は神輿蓋で、透かしのあるツマミは花びらと鳥の模様でした。
蓋もツマミも釜と一体となって溶け込んでいました。
最後に福引があり、お正客さまが引き当てた
長野てつ志氏作の「ふなくぎ」の鐶がこれまた素晴らしく、
羨ましかったです・・・。
釜師の初釜らしく、お二人の釜とご一家総出で
お心こもるおもてなしを頂き、お客さまとのお出逢いも楽しく
「今年は春から縁起がいいわいなぁ~」
のち
写真は、太郎冠者(有楽椿)です。