暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

芙蓉を愛でるランチ茶会へ

2024年10月27日 | 茶事・茶会(2015年~他会記録)

      (芙蓉の大樹にピンクの花が咲いていました)

 

10月の或る日のこと・・・

「急ですが、芙蓉の花が咲いているうちに我が家へいらっしゃいませんか?

簡単なランチと薄茶一服のランチ茶会をします・・・洋服でどうぞ!」

もちろん大喜びで、Yさまと連れ立ってSさま宅へ伺いました。KさまとFさまもいらしていて、お二人は慣れた様子でSさまのランチ支度を手伝っています。

玄関入った所に御軸らしきものが掛けられていましたが、全く読めませんで・・・汗!

 

「一期一會」(いちごいちえ)と伺ってから再度拝見すると、「なるほど・・」そのように見えて来ました。不思議な絵のような個性あふれる書の筆者のお名前が・・・?? 

キッチンからニンニクの香りが満ちて来てお腹が鳴ってきました。ランチはSさまお得意のイタリアンのようです。

テーブルに着くと、最初に温かなスープが素敵なテーブルウエアで出され、海外出張が多いSさまのセンスが溢れていました。どれも垂涎の器です。

オリーブオイルが掛けられていて好い薫りです。とても優しいお味でクリ―ミィだけれど何のスープかしら?

蕪のスープとのことで、初めて頂きましたがとても美味しく作ってみたくなりました。

メインはスパゲッティ、香草とカラスミがアクセントになっていて美味しゅうございました。

更に、次々とSさまの魔法の手によるお料理が・・・ムール貝のスープ煮、2種のバケット(生ハムと玉ねぎ、無花果)、果物入りのグリーンサラダが出され、どれも一味違う工夫とセンスが満載で舌鼓を打ちながら完食しました。

特に久しぶりに食したムール貝が癖になりそうなお味で、ついつい沢山いただきました。

最後に冷たい無花果のデザート、無花果をシャンパンで煮たそうで甘みが控えめで柔らかく、優しいお味でした。

ご馳走さま!!・・・こんな風にさり気なくランチのおもてなしが出来たら・・・と憧れます。

ランチの後のおしゃべりも楽しい時間でしたが、近くの松本記念音楽迎賓館に付属する茶室を見せてくださるとのことで、急遽そちらへ伺って時雨庵などの茶室を見学させていただきました。深山のような広い庭には楓や桜がたくさんあり、桜が美しい春の茶会がお勧めとのことでした。

戻ってから芙蓉の花が見えるSさまの茶室で薄茶を頂きました。F様とY様が薄茶を点ててくださり、一息出来てとっても落ち着きました。

    (点前座・・・帰雁絵の細水指は虫明焼です)

床の短冊は、先代の小堀遠州流家元の御筆で、

   茶の道は思ふにふかき武蔵野の
       月の出しほを差して行くかな   宗通

 

 

床には秋の野の花が篭花入に生けられています。シュウメイ菊、リンドウ、藤袴、霜柱・・・

点前座に回ると、切り掛け風炉と水指が置かれ、水指は帰雁絵の虫明焼でした。暁庵が虫明焼が大好きなことをご存じのようで・・・うれしいお出会いです。

蕎麦柄の四方薄器(永楽作)が味わい深く、名残りのお席を華やかに惹きたてています。

干菓子「菊寿糖」と熱い薄茶が乾いた喉を潤し、なんとも美味しい一服でした。

茶碗は小ぶりの織部、作者を教えていただいたのですが既に忘却の彼方です・・・トホホッ

お洒落なランチと熱い薄茶と尽きない語らいが今も忘れられません・・・

ありがとうございました! 

 

 


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