4月2日、「さくらの茶事」へお招きいただきました。
あいにく春の嵐が吹き荒れた日でした。
電車の遅れを予測して早目に家を出たのですが、
11時半の席入りを30分遅らせて頂き、到着しました。
ほっとして寄り付きへ入ると、
織部の火入れに灰が美しく整えられ、炭火が人待ち顔でした。
汲出しの湯には一片の桜が香りと甘味を添えています。
三畳台目向切の茶室へ席入りすると、
そこは「壷中日月長」の別天地でした。
正客のKさんと次客のIさんは初めてお伺いしたので
マンション内に創造された茶室空間に目を奪われています。
床のお軸は、極楽寺の西垣大道和尚の画賛です。
「天真」の字と兜をつけたかわいらしい童子の絵で、
中回しは荒磯緞子でしょうか。
ご亭主のお孫さんへの想いが溢れていました・・。
炉には煤竹の太い自在が吊るされ、
手取釜が掛けられていました。
江戸後期の作と言う手取釜は緩やかな八角形を成し、
八景地紋のある釜肌や色艶の味わいが深く心に残りました。
初炭手前が始まり、
釣釜の小上げや大上げに相当する自在の扱いを
興味津々拝見しました。
小上げは自在の先端についた紐を引っ張って調節し、
大上げは自在を下げて鉤を炉の向板に止め置きました。
袱紗で手取釜を扱う所作にも目を奪われました。
手取釜、好いですねぇ~。
懐石が運ばれ、
一文字が柔らかく甘く、頷きながら味わいました。
あとでご亭主から炊き方を詳しく教えて頂きました。
一手間も二手間も手の込んでいる本格的な懐石で、
私の簡便な家庭料理とは大違いです。
サヨリのお向う、鯛の煮物椀、筍の木の芽焼き、イカの雲丹焼き・・。
「どれも美味しく、盛り付けも美しく感心しました!
懐石のお店が出せますね」と、お正客のKさん。
主菓子は「さくら」の煉りきり。
桜餡がしっとりと程好い甘味で、桜の香が漂いました。
毎回、手作りの菓子をご用意頂き、とても楽しみにしています。

(次へ)
あいにく春の嵐が吹き荒れた日でした。
電車の遅れを予測して早目に家を出たのですが、
11時半の席入りを30分遅らせて頂き、到着しました。
ほっとして寄り付きへ入ると、
織部の火入れに灰が美しく整えられ、炭火が人待ち顔でした。
汲出しの湯には一片の桜が香りと甘味を添えています。
三畳台目向切の茶室へ席入りすると、
そこは「壷中日月長」の別天地でした。
正客のKさんと次客のIさんは初めてお伺いしたので
マンション内に創造された茶室空間に目を奪われています。
床のお軸は、極楽寺の西垣大道和尚の画賛です。
「天真」の字と兜をつけたかわいらしい童子の絵で、
中回しは荒磯緞子でしょうか。
ご亭主のお孫さんへの想いが溢れていました・・。
炉には煤竹の太い自在が吊るされ、
手取釜が掛けられていました。
江戸後期の作と言う手取釜は緩やかな八角形を成し、
八景地紋のある釜肌や色艶の味わいが深く心に残りました。
初炭手前が始まり、
釣釜の小上げや大上げに相当する自在の扱いを
興味津々拝見しました。
小上げは自在の先端についた紐を引っ張って調節し、
大上げは自在を下げて鉤を炉の向板に止め置きました。
袱紗で手取釜を扱う所作にも目を奪われました。
手取釜、好いですねぇ~。
懐石が運ばれ、
一文字が柔らかく甘く、頷きながら味わいました。
あとでご亭主から炊き方を詳しく教えて頂きました。
一手間も二手間も手の込んでいる本格的な懐石で、
私の簡便な家庭料理とは大違いです。
サヨリのお向う、鯛の煮物椀、筍の木の芽焼き、イカの雲丹焼き・・。
「どれも美味しく、盛り付けも美しく感心しました!
懐石のお店が出せますね」と、お正客のKさん。
主菓子は「さくら」の煉りきり。
桜餡がしっとりと程好い甘味で、桜の香が漂いました。
毎回、手作りの菓子をご用意頂き、とても楽しみにしています。

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