後座の花は宗旦むくげと山ごぼうをひさご籠にいけました。
濃茶は重ね茶碗、続き薄で薄茶を差し上げました。
水指は赤紫色の義山「蓮池」、
これは見立てでギヤマンの花器に塗蓋を合わせたものです。
それから薄器は大宗匠お好みの三景(三渓)棗、
三渓園を造り、広く市民に公開した原三渓翁に心から敬意を表して・・・。
茶碗は見込みに蓮華のある青磁、仁清写しの水玉文、
ユーモラスな魚が泳いでいる南京赤絵など。
半東のTさまと一緒に、三渓園の蓮池をめぐるさまざまな景色を
お楽しみいただけたら・・・と考えました。
Kさま、ご連客の皆様が楽しんでくださったようで嬉しいです。
Kさまから、蓮の花の赤紫色(マジェンダ色)は
「日常の中の小さな物事を慈しむ心」
を表していることを教わりました・・・ステキですね。
そんな眼差しで茶事をやっていきたいものです。
茶事の終わりに、Kさまが「蓮の花」を歌ってくださいました。
清らかでひたむきさを感じる歌声をみんなで聴き入りました。
もう二度とないであろう、この時間とご縁を思い、
ふいに涙が滲んできました。
心に残る一会となり、感謝しています。
(前へ)



写真は「蓮華微笑」、昨年の早朝観蓮会で写したものです。