だいぶ前から一度伺えたら・・と
憧れていた茶事へお招きいただきました。
何から書いたら・・と思うほど、充実感のある茶事でした。
ご亭主さまとは初の御目文字でしたが、
「どうぞお気楽に・・・」のお言葉に甘えて、
経験不足の正客はご亭主さまの大船に乗せていただき、
安心して楽しませていただきました。
待合の掛物は烏瓜の画賛「秋色有佳興」。
矢筈ススキの三本の穂と、御所水引草が秋色の露地でした。
欅を刳り貫いた行李蓋の煙草盆に安南トンボ写しの火入、
始めて見る乱菊の灰の景色に見惚れました。
ご亭主のお心入れを感じて、とても嬉しくなりました。
一番印象に残ったことは「水」でしょうか。
待合でいただいた白湯のまろやかな味、お尋ねすると
「真姿の池」の名水を汲んで用意されたそうです。
他の湧水では昆布で出汁をとると濁ってしまうそうで、
「真姿の湧水を料理にもお茶にも一番良いと思い、使っています」
美味しいお茶を点てるには「水」が肝心と思っている私には
ご亭主の心意気を嬉しく感じました。
本席の掛物は、
大徳寺196世伝外和尚の筆で「松風説法羅月談空」。
実は、このお軸が掛けられている事を密かに望んでいました。
すると、「お正客のお望みで・・・」
心の中までお見通しで恐れ入りました。
かわいらしい虫籠に祥瑞の香炉、香銘は「秋の月」です。
釜は籐兵ヱの滑らかな肌の筒釜で、蔦の地紋が秋の風情です。
初入りで、風炉の遠山灰の見事さに客一同息をのみました。
継ぎ目がどこにもなく、流れるようなカーブを描く芸術品です。
フランケンシュタインのような私の灰型とは大違いです。
でもまぁ、気を取り直していきましょう・・・。
懐石の一文字が甘く、小芋の赤味噌仕立てに茗荷が利いています。
煮物碗の蓋をあけると、松茸の香りとともに青呉汁(枝豆)の
緑が眼を楽しませてくれました。
大好きな日月蒔絵の碗も嬉しく賞味しました。
お酒も三種類ご用意いただき、不調法な正客に代わり次客さんが
歓声をあげていました。
そして、私には特別な飲み物(ナイショ)をステキな器で
用意してくださり、きめ細かな心配りに感謝です。
(つづく)
写真は、「秋明菊(貴船菊)」です。
我家の庭で咲き始めました。
憧れていた茶事へお招きいただきました。
何から書いたら・・と思うほど、充実感のある茶事でした。
ご亭主さまとは初の御目文字でしたが、
「どうぞお気楽に・・・」のお言葉に甘えて、
経験不足の正客はご亭主さまの大船に乗せていただき、
安心して楽しませていただきました。
待合の掛物は烏瓜の画賛「秋色有佳興」。
矢筈ススキの三本の穂と、御所水引草が秋色の露地でした。
欅を刳り貫いた行李蓋の煙草盆に安南トンボ写しの火入、
始めて見る乱菊の灰の景色に見惚れました。
ご亭主のお心入れを感じて、とても嬉しくなりました。
一番印象に残ったことは「水」でしょうか。
待合でいただいた白湯のまろやかな味、お尋ねすると
「真姿の池」の名水を汲んで用意されたそうです。
他の湧水では昆布で出汁をとると濁ってしまうそうで、
「真姿の湧水を料理にもお茶にも一番良いと思い、使っています」
美味しいお茶を点てるには「水」が肝心と思っている私には
ご亭主の心意気を嬉しく感じました。
本席の掛物は、
大徳寺196世伝外和尚の筆で「松風説法羅月談空」。
実は、このお軸が掛けられている事を密かに望んでいました。
すると、「お正客のお望みで・・・」
心の中までお見通しで恐れ入りました。
かわいらしい虫籠に祥瑞の香炉、香銘は「秋の月」です。
釜は籐兵ヱの滑らかな肌の筒釜で、蔦の地紋が秋の風情です。
初入りで、風炉の遠山灰の見事さに客一同息をのみました。
継ぎ目がどこにもなく、流れるようなカーブを描く芸術品です。
フランケンシュタインのような私の灰型とは大違いです。
でもまぁ、気を取り直していきましょう・・・。
懐石の一文字が甘く、小芋の赤味噌仕立てに茗荷が利いています。
煮物碗の蓋をあけると、松茸の香りとともに青呉汁(枝豆)の
緑が眼を楽しませてくれました。
大好きな日月蒔絵の碗も嬉しく賞味しました。
お酒も三種類ご用意いただき、不調法な正客に代わり次客さんが
歓声をあげていました。
そして、私には特別な飲み物(ナイショ)をステキな器で
用意してくださり、きめ細かな心配りに感謝です。
(つづく)

写真は、「秋明菊(貴船菊)」です。
我家の庭で咲き始めました。