暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

辛卯の「炉開きと口切の会」 (1)

2011年11月05日 | 稽古忘備録
辛卯11月2日、「炉開きと口切の会」が和やかに行われました。

毎年、点前や水屋をみんなで分担して行われています。
今年は茶事形式で行われ、先生、客7名、亭主(交代で)、水屋兼懐石2名でした。

茶事次第は、席入、口切、初炭、懐石(点心・煮物椀・八寸)、菓子(粟ぜんざい)、
中立(銅鑼)、濃茶(台天目)、薄茶、退席でした。

              
              
席入後、亭主としてお客様と挨拶を交わしました。
正客は大先輩Sさんです。
「おめでとうございます。
 口切という大変栄誉なお席にお招き頂きまして、ありがとうございます」
「お出まし頂きまして、ありがとうございます。
 今日は口切の大役を仰せつかりました。
 一生懸命つとめさせて頂きますので 宜しくお願い申し上げます・・・」

挨拶が終わると、正客より
「何卒お壷の拝見を・・・」と声がかかりました。
床に荘られている壷をかぎ畳を大きく回って取りに行き、
かぎ畳に座り、網、口緒をはずして、勝手付に置きます。
口覆をはずして封印を正し、再び口覆をし、
かぎ畳を大きく回って正客前へ運びだしました。

              

拝見の間、亭主(私)はかぎ畳に座っています。
詰が壷を正客へ持っていく頃に席を立ち、水屋から御茶入日記を持って
正客前へ座り、壷の下座へ置き、壷を持ってかぎ畳を大きく回って戻ります。
口覆をはずし壷の封印を改めて、再び口覆をします。

お正客のS先輩より
「お壷は?」
「信楽でございます」
「釉薬の気色を味わい深く拝見させて頂きました。お口覆は?」
「青海波金襴でございます」
「ありがとうございました」

水屋から葉茶上合(はちゃじょうご)一式を運び出し、壷の下座へ置きます。
前畳縁内へ挽家(ひきや)二つを左右同時に出し、
その前に一式のった美濃紙を出します。
挽家の蓋を左右同時に開けて横に置きます。
壷の口覆をはずし、右肩に置きます。

いよいよ、口切です。

        (2)へつづく           

茶道具と仕覆展が終了

2011年11月03日 | 茶道具
10月31日に「茶道具と仕覆展」が終了しました。

開催中展示会へ訪れてくださった方々に心から御礼申し上げます。
本当にありがとうございました!
自分の作品、それも始めたばかりの仕覆を見に来て頂いて
嬉しいやら、有難いやら・・・でした。

小林先生の魅惑的な仕覆ワールドを楽しんで頂けましたか?

「仕覆で一番のお気に入りは?」と何人かの方に尋ねてみました。
友人のRさんは薄緑の御物袋(ごもつぶくろ、写真上)を選びました。
「形、布の色と風合い、紐との調和、ひだの美しさが素晴らしいです。
 シンプルだからごまかしがきかない作品ですね」
もちろん、先生の作品です。
先生も満足そうに聞いていらっしゃいました。

               

茶友のSさんからメールを頂きました。
「かわいらしい仕覆、珍しい裂地、どれも素敵でしたが、
 こわくってお値段が聞けませんでした・・・」
「実は私もなんです・・・」と返信しました。

Sさんの一番のお気に入りはシリアの布の仕覆でした。
きっと中の茶碗も拝見したかったことでしょう。

メールの翌日、シリア布の仕覆を開けて見せて頂きました。
小振りな茶碗は時代を感じる白薩摩、菊桐が格調高く、
貫入が少し入っていて、使ってあげたくなりました。
「好いお茶碗ですね。最近、白薩摩の好さがやっとわかってきました」
思い切ってお値段を聞くと、仕覆込みで「○○万円」(ため息・・・)。

先生曰く
「どうしても仕覆より茶道具の方へ眼が行ってしまうので、
 茶道具をお見せするのは最小限に留めました。仕覆を見て欲しいので・・。
 それで、茶籠と茶箱をそれぞれ一つずつ茶道具と仕覆を対比して
 展示したのです。
 ご希望があればどれでもお見せしますよ」

                 
                 (上段の左側が茶箱と茶道具、右側がそれらの仕覆)

蓮華院・名残の茶会があったりで、作品づくりに時間がとれず、
茶籠の仕覆はやっと間に合ったような状況でした。
これから茶籠の中に裂を貼る作業へとりかかります。
それから、茶巾筒の編み袋を作って一先ず茶籠の仕覆の完成です。
完成する日を夢見て、もうひと頑張りです。

                            


口切の準備中です つづき

2011年11月02日 | 稽古忘備録
  (つづき)
茶友Hさんから頂戴した半袋(はんたい)3個は「初昔」「後昔」
そして「雲鶴」です。
「暁雲」と書いた半袋を用意し、全部で4個を茶壺に入れ、
お茶屋さんで買った煎茶を口いっぱいに詰めました。
巾五分(1.6センチ)くらいの美濃紙で封をし、印を押して、
口覆(くちおおい)を掛け口紐を結び、網に入れて床の間にかざりました。

さぁ、いよいよ口切の稽古です!
先ず、去年の口切を思い出しながらやってみましたが、
一番肝心な葉茶上合(はちゃじょうご)の扱いが今一つわかりません。

               

教本を広げて順番を確かめながら、所作を確認していきました。
「・・・うーん! こことここがわからないわ?」
先生へお電話しました。
「口切を稽古しましたが、どうしてもわからないところがありますので
 本番前に一度見て頂けないでしょうか?」

口切準備でお忙しいところ、お邪魔しました。
一番のポイントはいつ茶壺の拝見が乞われるかでしょうか。
教本では口切をしてから拝見ですが、
先生宅の口切は最初に拝見を乞います。
「まだ封を切らないうちに茶壺を見て頂いた方が好いと思うし、
 口切への期待感がつのりますよ・・・」と先生。

・・・去年のことをすっかり忘れていました。
もう一つは、かぎ畳を大きく回るかどうかの区別が曖昧でした。
最後に壷を水屋へ下げてから入日記を下げに正客前へ行きますが
茶壺が席中にないので、その時はいつもの足になります
・・・とご指導いただきました。

疑問に思っていた箇所や葉茶上合(じょうご)の所作を丁寧に教えて頂き、
これで安心して(?)本番に臨めそうです。
先生、いつもありがとうございます!

                 

今日(11月2日)が「炉開きと口切の会」です。
そろそろ着付けの時間です・・・帰宅したら投稿しますね。

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