ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

無線LAN機能付き携帯電話機の購入の顛末記です

2010年10月11日 | イノベーション
 8月4日に掲載した携帯電話機の新機種を購入する経緯の顛末記(てんまつき)です。
 『携帯電話機を「買うか買わぬか思案中」です』との題目でご説明した話の結末は、NECカシオモバイルコミュニケーションズのdocomo PRIMEシリーズの「N-04B」を購入して終わりました。ただし、その後にいろいろなことがありました。

 当初に購入を検討した携帯電話機「N-08」の実物を見に、発売日直後に東京の秋葉原駅近くの電機量販店に行きました。同機種は要は小型のパソコンでした。電話するには、専用マイクとイヤフォンが必要となるなど、使い勝手が悪かったのです。しかも、大きさが“ネットパソコン”を少し小振りにした程度で、大きすぎました。この結果、無線LANの親機機能となる「Wi-Fi機能」を持つ、普通に電話ができる携帯電話機に購入対象を絞りました。

 対象機種はNEC系の「N-04B」と富士通の「F-06B」の2機種です。「N-04B」は折り畳みタイプ、「F-06B」はスライドタイプです。「F-06B」は防水の点が気に入ったのですが、結局使い慣れた折り畳みタイプの「N-04B」を選びました。ここまでの選択には、あまり深い意味はありません。

 購入し使い始めた携帯電話機「N-04B」です。




 さて、以下が今回の本論です。「N-04B」の取扱説明書はCD-ROMでした。最近は印刷した本形式の取扱説明書は重いので喜ばれないそうです。確かにそうです。使いたい無線LANの親機機能となる「Wi-Fi機能」を使えるようにしようと、取扱説明書を読みました。結局、接続の仕方は分かりませんでした。説明文が分からないのです。購入したのは9月中旬です。その後に、旅行などに出かけたため、出先で取扱説明書を丹念に読みました。やはり、分かりませんでした。NECカシオモバイルコミュニケーションズのWebページに外部ライターの方がWi-Fi機能の接続の仕方を分かりやすく説明したブログ風記事が載っていたのですが、そのURLが分からなくなりました。この記事も結構、難しそうだったとの記憶があります。

 このため、旅行先で意を決して最寄りのドコモショップに行きました。対応してくれた店員の方はとても親切でした。どこかに電話し、私の携帯電話機をオンにして、電話の話し相手の説明通りに操作を進めました。途中で、セキュリティー関係の質問を受けながら、約15分ぐらいで「Wi-Fi機能」を使えるように設定してくれました。店員は、私の携帯電話機とノート型パソコンのディスプレーを見ながら、どんどん操作していきます。私には何をしているのかディスプレー画面が見えないので分かりませんでした。


 店員の方はパソコンにも詳しかったようでした。操作を終えて、その店員も「簡単には設定できないですね」と苦笑していました。「電話で説明を聞きながら、設定操作しないと、またやれといわれてもたぶんできない」といいます。実は、購入したドコモショップの店員に「Wi-Fi機能の設定が分からなかったら、聞きに来ます」というと、「その設定ができる店員はたぶん1人しかいない」との答えでした。その店員自身も、「Wi-Fi機能」の中に無線LANの親機機能があることを、今回初めて知ったそうです。子機としての使い方しか知らなかったようでした。

 高度な機能を付与しても、簡単に設定できないのは問題です。店員に他の機能を聞いても、マニュアル的な答えはできても、それ以上の本質的な答えができないことがよくあります。

 今回の機種交換で感じたのは、携帯電話機の料金設定の複雑さです。料金プランを選ぶために、いくつか質問すると、型通りの答えが多く、あまり参考になりませんでした。また、対象機種が約6万円と高価なので、以前のAUからの携帯電話機の「番号持ち運び制度」(携帯電話番号ポータビリティー)を利用して、少しでも安くしようとしました。宣伝では「番号持ち運び制度」によって1万円割り引くといっていました。しかし、正確には「いくつかの事務手数料」がかかり、事実上は約5000円引きだったのです。宣伝文句とはいえ、本当にかかる経費を引いた分を伝えない携帯電話機のキャリア会社の姿勢が気になりました。

 また、購入時に「i コンシェル」などの新サービスをつけてほしいと、販売店員が懇願し続けます。「1カ月間は無料なので、取りあえずつけていただき、1カ月以内にキャンセルしても結構ですから」と粘ります。通信電話料だけの事業収益では携帯電話通信事業が成立しないようです。結局、1カ月当たりに通信料として約1万8000円を2年間支払い続けることによって、無線LANの親機機能を手に入れました。かなりの出費です。

 日本の携帯電話機は高機能・高性能である点は間違いありません。でも、今回の機種交換で感じたことは、技術面は日欧米・アジアの中で断然優れているが、ユーザーにとって使いやすいという点では優れていないと感じました。日本企業の新製品開発の姿勢が技術優先である点は変わっていないと感じました。日本の製造業企業にとって、ユーザーがほしがる機能と使いやすい操作性を両立させることが、日本でのイノベーション創出には大きな課題と感じました。かなりの難題なのですが‥‥。