ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

朝日新聞紙の見出し「『移民の国』銃で国境閉ざす市民」を拝読しました

2016年08月02日 | 日記
 2016年8月2日に発行された朝日新聞紙朝刊の中面に掲載された見出し「『移民の国』銃で国境閉ざす市民」を拝読しました。

 この解説記事はコラム「大統領選 分断大国 揺れる人種 下」として掲載されました。

 朝日新聞紙のWeb版である朝日新聞 DIGTALでは見出し「揺れる人種:下 『移民の国』銃で国境閉ざす市民」と、伝えています。



 この記事は、メキシコとの国境が近いアリゾナ州南部の気温が50度(たぶん摂氏)にまで上がる砂漠では、武装して歩く男たちがいたと伝えます。

 迷彩服を着て、手にはライフル銃を持つ男たちは、NGO「アリゾナ・ボーダー・レコン」のメンバーで、不法移民を防ぐために、自主的に警戒に当たっています。

 このNGOを結成したティム・ファーリーさんは、30年近く建設現場で働いていましたが2008年のリーマンショック時に、家も仕事も年収8万ドル(約800万円)も失いました。そして、このNGOを結成したそうです。

 建設現場で働いていた時も、当時の部下はヒスパニック系でスペイン語ばかり話していたそうです。

 このNGOのメンバーは現在、250人にも膨らみ、国境近くでキャンプしながら警備を続け、もし不法移民を見つけた場合は、国境警備隊に引き渡すそうです。

 トランプ氏はクリーブランドの共和党大会で「国境に壁を建設する」と叫ぶと、参加者たちは「壁をつくってくれ」と連呼したそうです。

 建国以来「移民の国」をうたってきた米国では、この半世紀間にヒスパニック系やアジア系が増える他人種化が進みました。しかも、白人層は高齢化する一方、新しいマイノリティーは若者が多く、世代別では人種構成が大きく異なる事態に陥っています。

 2040年過ぎには、ヒスパニック系を除いた白人が、人口の半分を切ると推定されています。今年7月から始まった黒人男性が警察官に射殺される事件も、その根底には、こうした白人比率の減少などの複雑な人種問題があります。

 米国での人種の多様化は、長年続いてきた米国政治の枠を変えようとし始めています。トランプ氏は米国の白人層の代弁者として、何を約束するのか、目が離せません。

 米国社会の変化は日本にも大きな影響を与えることと思います。また、日本の少子高齢化による問題を移民受け入れで解決する案もありますが、その場合にはしっかりとした議論と合意が必要です。

朝日新聞紙の見出し「白人の不満層 トランプ氏に熱」を拝読しました

2016年08月02日 | 日記
 2016年8月1日に発行された朝日新聞紙朝刊の中面に掲載された見出し「白人の不満層 トランプ氏に熱」を拝読しました。

 この解説記事はコラム「大統領選 分断大国 揺れる人種 上」として掲載されました。

 朝日新聞紙のWeb版である朝日新聞 DIGTALでは見出し「揺れる人種:上 白人の不満層、トランプ氏に熱」と、伝えています。



 この記事は、ペンシルベニア州ピッツバーグ近郊にあるグリーンビルという町の衰退を伝えます。現在、トラック運転手のディーン・シェルボンディーさん(50歳)は「今では想像もできないが、20年ほど前までは川沿いに工場や製鉄所が並び、にぎやかだったんだ」と語ります。

 以前は、製鉄業で栄えたペンシルベニア州ピッツバーグ近郊にある地元グリーンビルは、貨車製造などの産業で繁栄していたそうです。

 ディーンさんもトレーラーで鉄鋼を運ぶ会社を経営し、一時は運転手を40人も雇用して、父親とともに会社経営に励んでいたそうです。

 ところが、ピッツバーグの衰退によって、仕事がなくなり、現在は自分一人でトラック運転手として働いています。年収は3万ドル(約300万円)にまで下がったそうです。

 「周囲では失業者ばかりで、みんなは仕事探しを諦めている。このため、実際の失業者は国の統計の2倍はいる」と語ります。

 2年以上も閉塞感に押しつぶされていたときに、トランプ氏の大統領選予備選への出馬演説を聴いて態度が変わったそうです。一度も大統領選挙に投票したことがなかったが、この演説を聴いて、トランプ氏の応援に夢中になったそうです。

 トランプ氏は「不公平な自由貿易で破壊された街々を訪問してきた。リストラされた工場労働者たち、彼らは“忘れられた人々”です」と訴え、白人層の熱烈な支持を受けます。

 トランプ氏は白人の56パーセントの支持を得ています。「大学を出ていない白人」層では、65パーセントがトランプ氏を支持しています。

 流れ込む移民や、米国の大学院で高度な教育を受けた非白人系の多様な人々が、現在の米国の産業を支えています。

 一番分かりやすい比喩は、米国大リーグボールの各球団の選手の多国籍化です。逆にいえば、白人(特にWASP(ワスプ)=ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)の選手は大幅に減っています。このように、米国では白人層は仕事を失っています。大学院まで行ける白人層の家庭と、行くことができない白人層家庭では、その差は雲泥の差です。

 240年前に建国した米国は、これまで白人中心の社会を築いてきましたが、それが急速に根底から揺らぎ、本当に多民族国家に移行しています。あのガン所持の問題にもかかわる、米国の根深い問題です。

 この流れに、逆行したいという願いがトランプ氏を支持しています。しかし、仮にトランプ氏が大統領になったら、公約をどのように実現するのか、本当にどうやって実現するのか、その道は見えません。

 米国で進んでいるこの混乱は、日本の将来象にならなければ、いいとの杞憂を持っています。杞憂で終わればいいのですが・・

(追記)
 1980年代後半(プラザ合意以降)に、米国ミシガン州のデトロイト市中心街に行った時は、目的のビルから外には出てはいけないとアドバイスされました。ちょうど、日米構造協議という名前の輸出規制が始まり、日本の乗用車の輸入数に上限が設けられ、米国の自動車メーカー保護が始まっていました。しかし、トヨタ自動車やホンダの車が多くなり、デトロイト郊外の自動車メーカーの工場が閉鎖されはじめ、黒人系を中心とした工業労働者のレイオフが始まっていました。この結果、ダウンタウンに外出する際は、場所を考えるように助言されました。
 
 その一方で、デトロイト市郊外のディアボーン市にあるフォード博物館は広大な博物館で、巨大フォード・モーターズの実力を見せつけられました。このディアボーン市近くにはマネージャーの白人層の住宅地があり、大きな家と、大きなRV車駐車している街並みが続き、豊かな米国を垣間見ました。