新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

更に「英語の話」を

2018-04-03 17:12:01 | コラム
Slangとは:

性懲りもなく、英語の話で押そうと思う。今回は「俗語」のことである。これが英語の中で我が国で最も広く誤解されている言葉である。すなわち、残念なことにslangと昨日解説した使ってはならない汚い言葉であるswearwordとを混同しておられる方が誠に多いという意味である。甚だ残念且つ遺憾な現象である。思うに、学校教育ではこう言うことまで教えていないのだと勝手に解釈している。

その結果として、アメリカ人は「下品なスラングを多用する」と蔑視する方向に進むのだった。かの大作家松本清張氏が「アメリカ兵が下品なスラングで話し始めた」と書いておられたのは良い(悪い?)例であろう。これは明らかな誤りである。兵隊たちは確かに両方を話す例が多いが、もしも松本氏が“スラング”とスゥエアーウワードを識別できた英語力をお持ちだったら敬意を表したいものだ。

ここでもOxfordの助けを借りよう。“Very informal words and expressions that are more common in spoken language, especially used by a particular group of people, for example, children, soldiers, criminals, etc.”とある。ジーニアスには「特定の社会や職業の通用語、専門用語。隠語、符丁、合い言葉」とある。何だ、犯罪者も使うのならば下品ではないか-と言いたいだろうが、それは昨日のswearwordの解説を読めば解って貰えると思う。

隠語とは何かの例を一つだけ挙げておくと、紙の流通部門では値上げ後に「値上げ以前の値段で仕入れをしたい」と要求する際に「前替えで頼む」などと言うようなことだ。このような言葉は各業界にあるとと思う。

“slang”の例を挙げて見よう。
I don’t care for booze. 「酒は嫌いだ」という意味だ。このboozeは「酒」の意味でかなり広く使われている。
cop=「警官」なのだが、その謂われは警官のバッジが銅製なので、“copper”(「カパー」であって残念ながら「コッパー」ではない、念のため)を短縮したと聞いたことがあった。
cabby or cabbie=「タクシーの運転手」。タクシーは“taxi cab”というから“cab”を縮めたのだろう。
pop=古い言い方では炭酸系飲料だが、soft drinkの代わりに使われている。
Give me a buzz.=「電話をくれ」なのだが“buzz”が俗語である。この代わりに“ring”を使っても同じことになるので、ringも俗語に入れて良いだろう。勿論、正式には“call”と言うべきだ。
gas=ガソリンで、元は“gasoline”なのは言うまでもあるまい。故に、gas stationとなる。「ガソリン・スタンド」は和製英語だから、混同しないこと。
gotcha=(相手が言うことが)「解った」であり、誰かを「見付けた」ないしは「捕まえた」という意味に使う。I’ve got you.を短縮した形。これは多少上品ではないだろうと思う言い方だ。

私は以下の硬貨の俗称もslangと考えているのだが。
buck=ドルである。10㌦ならば複数の“s”を付けねばならない。
quarter=25セント。勿論、1/4のことである。
dime=10セントなのだが、“a dime”とすると否定的に使って“I don’t care a dime about that matter.”で「そんなことちっとも気にしない」となって、ややidiom的な感も。
nickel=5セントになる。
penny=1セントである。
未だ幾らでもあるとは思うが、この辺りで十分だと思う。ここに挙げた実例でswearwordとは別物だとご理解願えたと思う。



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