新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

マイナンバーカードの健康保険証利用

2025-01-09 06:49:22 | コラム
「なるほど、そういう事だったのか」:

一昨日、調剤薬局でのこと。かかりつけ薬剤師が当方のNCGMでの血液と尿検査の変化(推移か?)を把握していると確認した。昨年の11月だったかに、この薬局で例のカード用の機器が設置されていて、登録を求められたので深く考えずにやってみてあった。実は、マイナンバーカードの健康保険証利用は河野太郎元大臣がごり押しているだけのことと思っていた。

日本調剤のサイトを検索してみると、メリットとして、

*過去のお薬情報や特定健診等の情報を正確に共有
患者さまの同意があれば、過去に処方されたお薬情報や特定健診の情報を薬剤師に共有することができます。わざわざデータをお持ちいただかなくても正確に情報共有することが可能となり、あなたの「かかりつけ薬剤師」が継続的なデータをみた上で健康管理に関するサポートやアドバイスをいたします。

とあった。この事と今回の薬局での経験で、遅まきながら、マイナンバーカードの健康保険証利用とは如何なる事かと学び得たのだった。確かに薬剤師さんが患者の具合/体調を、データを基にして把握してくれていれば、確かにこちらから相談も質問も出来るし、適切な助言/勧告(「アドバイス」なんて言わないよ)をして貰えると確認できた。だが、屁理屈を言えば「個人情報」のことだろう。

私は深い考えもなく、あの機器で登録する際に「同意する」に触れていた。これは「登録した内容を何処で誰が閲覧しても宜しいです」と言ったことなのだとも“Better late than never.”で知り得た。

この辺りを歯科の院長先生に尋ねてみると「患者さんたちのそういう資料を詳細に把握できる/され得る事が果たして良いのかどうかの議論は未だ残っている。現にこのクリニックではそこには入っていない」と教えて頂けた。即ち、悪意でそのデータにサイバー攻撃をかける輩が出てくる危険性があるという意味かと解釈した。

余談ではあるが、国立国際医療研究センター病院での保険証確認のカウンターは従来の保険証とマイナンバーカードの健康保険証の二つに分けてある。後者の方が空いているので、私はそちらを選んだ。

何れは「此処にスマートフォンをかざして」という時が来るのだろうという危険を感じている。

1月8日 その2 スポーツ中継におけるカタカナ語批判

2025-01-08 13:37:52 | コラム
カタカナ語排斥論者はズッと以前からおかしいと指摘してきた:

正月とは言いにくい昨7日に、高校ラグビーの決勝戦を途中から気が付いて観戦。また、三が日に行われた大学選手権の準決勝に試合も観戦した。当方の意図は見出しにもあるように、試合の内容を論じようというところにはない。

中継を担当したのは大学の方はNHKで高校は確かTBSだった。ラグビーの試合の中継での特徴は何度も指摘してきたことで、アナウンサーたちは躊躇せずにおかしなカタカナ語を使う事だ。彼等はテレビ業界内か局内に「スポーツ中継用語の聖典」でも用意されていて、それに忠実に従っているだけかも知れないと疑っている。アナウンサーたちはその用語集に疑義を呈する訳にはいかないのか。

先ずは「ノーサイド」(=no side)から行こう:
こんな古語というか、古くなって本家の英連邦他でも使っていないと承知している。だが、ラグビーを美しい男性同士のスポーツマンシップとフェアープレーの精神の発露であると尊敬して止まないテレビ局は、未だに試合終了と同時に「ノーサイド」と声高らかに叫ぶのだ。そこで、この際にと調べてみた所、新語時事用語辞典に次のような解説があった。

>引用開始
ラグビーの試合が終了した場合、レフェリー(主審)は「ノーサイド」と宣言し笛を吹く。ただし、英語圏ではno sideの宣言は1970年頃の使用例を最後に廃れており、以降はfull timeの語がラグビーの試合終了の意で用いられている。2020年現在、no sideを試合終了の意で用いるのは日本だけである。国際試合においても、審判が試合終了を告げる笛を吹く際にノーサイドの宣言を伴うことはなく、試合の観戦記事や実況などで用いられるのみである。
<引用終わる

まー、「故きを温ねて新しきを知る」という美しい精神の発露辺りかなと思って看過するか。

ペナルテイー:
次もラグビーで「〜ティームにペナルテイー」と叫ぶこと。この言葉をアナウンサーたちは「反則を犯した方のティーム」に対して使うのだ。中には正しく「A大学が反則を犯しましたので、B大学にペナルテイーキックが与えられます」と言う者もいる。

「〜にペナルテイー」をおかしいと思わない方がおかしいのだ。中には懸命に守っているティームについて「ペナルテイーをしないように」などと訳知り顔で言う者もいる。中学・高校から大学でどんな英語を勉強してきたのだろう。

サウスポー:
言うまでもない事で「左投げの投手」の意味で、広辞苑にも“southpaw“の英単語付きで掲載されている。だが、この用語は戦後間もなくの頃「アメリカでは左投げの投手をこのように呼んでいる。語源は南部出身の投手に左投げが多かったから」と華々しく紹介され、野球界でも放送業界でも遍く使われるようになった。

1970年代の後半に初めて憧れのアメリカ大リーグの野球を見る機会を与えられた時に、当然アメリカでも使われていると信じて「あのサウスポーの投手は云々」と言ってしまった。すると、皆から「君は英語を知っているとは知っていたが、そんな古い言葉まで知っているとは驚いた。現代の我が国ではそんな言葉を遣う者はいないよ」と笑われてしまった。ここでも「温故知新」的だった。

ハンド:
サッカーからも取り上げて公平を期そう。これをご覧になった方は「冗談か」と受け止められるかも。「ハンド」とは言うまでもなく「手を使ったか、手に当たってしまったか」の反則のこと。だが、英語では“hand”(=手)とは言わないのだ。正式には“handball“なのである。中には解ったように「ハンドリングだ」との説を唱える方もおられるが、それは違うのだ。

結び:
何れにせよ、「テレビ局もアナウンサーさんたちも、もっと良く勉強しましょうよ」と言って終わる。


恐怖の詐欺電話と迷惑電話

2025-01-08 07:52:54 | コラム
連中は184のような新手を使って迫ってくる:

「今頃になってそんな事を言うのか」と笑われそうなお話を。数ヶ月ほど前に、彼らからの固定電話への攻撃を、ある手段を用いて退けることに何とか成功したかと思い込んでいた。また、我が方の電話機は「非通知」は受信しないように設定してある。

だが、昨年末辺りから184で始まる合計11桁の番号から2~3度かかってきた。勿論ナンバーディスプレイ方式であるから放置した。ところが、奇怪なことに留守電になっても何事か話し続けて「音声のガイダンスに従って」との機械的な声で何か言い出してからは、諦めたのか切ってくれたのだった。

我ながら非常に迂闊だったことがあった。それは、暫くして「184」即ち「イヤヨ」が非通知にしようとした時に最初に使う番号だったと気が付いたこと。「なるほど。次にはこういう手で来るのか」と、彼らの巧妙さというか、執拗さに今更ながら電話攻勢の危険性を認識できた。

そこに、昨日のこと。何処のチャンネルだったかは例によって記憶がないが、大阪で高齢の女性が「この184から始まる電話を一度は無視したものの、再三かけてくるので結局は取り上げたそうだ。音声では「警察」と名乗った話に引き込まれて、結果的に数百万円を奪われる残念な事態となったという物語」を、音声までを詳細に再現して伝えていた。

そこで、ふと閃いて我が家にかかってきた184で始まった8桁を残して、184の代わりに090として検索してみた。すると、果たせるかな、その携帯電話の番号は危険な詐欺等の電話である事が判明した。しかも、その元締めは、その番号の前後までもかなりの数で抑えていることも解った。

彼らがここまで経費をかけたというか資本を投じているという事は、余程費用対効果が優れている仕事なのだろうと読めるではないか。しかも、標的にする高齢者のリストも完備していることも察しがつく。しかも、そこに我が方如きの番号までも載せてあるようなので怖い。最近では、彼らは既に家内のガラケイまでにも魔の手を伸ばしてくるのだ。

この184と言い、匿名・流動型犯罪と言い、我が国はアメリカのような街中での治安が悪化したのではなくても、市民生活を脅かすような犯罪が増加傾向にあるのは嘆かわしいことである。我々高齢者も警戒おさおさ怠りなきよう過ごさねばならないようだ。警察も一刻も早く実力を発揮して、彼らのような悪質な犯罪者どもの元締めを摘発してほしいものだ。

1月7日 その2 続・バイデン大統領が日本製鉄のUSスティール買収を阻止

2025-01-07 14:28:36 | コラム
バイデン大統領は「木を見て森を見ず」ではなかったのか:

先ず、日本政府の姿勢について:
何年前のことだったか、故田久保忠衛氏が産経新聞の「正論」に「日本はアメリカの核の傘で庇護されている言わば妾のような存在。その日本では何人も言わば宗主国であるアメリカの大統領(トランプ)の批判をするとは許されざる行為」と述べていた。このような遠慮は未だに政府に残っているようで、首相も誰も即座に反応せず、林官房長官に至っては本7日になって「残念なこと」と語っただけ。

アメリカ人という人種に対しては即座に言葉を返すことなく沈黙を守っていれば、自分たちの主張を受け入れたと解釈するのである。いや「勝った」と思うのだ。ハーバード大学大学院でMPA(公共経営学修士)を取られた林氏が、もしもこの程度のアメリカとの交渉や議論(debateでも良いか)の仕方を弁えていなかったのであれば、私は深刻な勉強と認識不足だと思う。

林官房長官の穏やかな反応を聞いていると、「バイデン大統領が阻止を決定したのに対して、日本製鉄は遺憾の意を表明して法的に争う姿勢を鮮明にしたにも拘わらず、日本の政府は言うなれば『民事には介入しない』という実質的に音無しの構えに出る積もりか」と受け止めてしまう。情けないことではないか。

私の理解:
この度、バイデン大統領が日本製鉄のUSスティール買収を阻止したことは予想通りのことで意外でも驚きでもない。「矢張りやってくれたか」と受け止めたのは誠に残念な結果である。産業界の実情に精通しているのかが疑わしいトランプ氏が、選挙キャンペーン中に先手を打って「反対」を唱えてしまったので、立場上追随せざるを得なかったようだ。だが、本当にそれだけの理由からだったら、事態は深刻だと思っていた。

私は「バイデン大統領の認識ではアメリカの鉄鋼業界が中国等の新興勢力に圧倒されて、劣勢であるとは知らず、自力で再建が可能とでも見ておられるのかもしれない」と疑いたくなってしまう。鉄鋼と言い紙パルプと言い、素材産業が衰退しつつあるだけではなく、新興勢力に市場を奪われている現状を何処までご承知かという事。と言うのは、私は既に24年12月26日に以下のように指摘していたのだから、

>引用開始
アメリカ側では懸案事項になっていたこの問題を、23日に連邦政府の傘下にあるCFIUS(=対米外国投資委員会)バイデン大統領の決断に任せることにしたと報じられた。CFIUSは「国家安全保障上のリスクがある」などと表明していたが、忌憚のないところを言えば「何を今頃になって言っているのか」辺りになる。

バイデン大統領は既に買収を支持しない意向を示していたし、トランプ次期大統領等は期待通りに反対を表明していた。私には両氏が21世紀の今日USスティールが世界の鉄鋼産業界でどのような地位というか、勢力になってしまっているかを良く承知の上で、立場上否定的な言辞を弄しておられるのだと推定しているが、そうでなかったら大変な事なのだ。

それは世界の鉄鋼産業界は言わば新興勢力の中国、インド、韓国等に圧倒されてしまい、生産量では日本製鉄は第4位でUSスティールに至っては24位の弱小メーカーに落ち込んでしまっている。即ち、市場では新興勢力の大量生産体制と安値の攻勢に圧倒されて、先進国は押されっぱなしなのだ。その24位に沈んだUSスティールに、日本製鉄が合併という救いの手を差し伸べたと言えば解りやすいかも知れない。

この時点での当方が危険視していたことは「バイデン大統領もトランプ次期大統領もアメリカの製造業が世界的に劣勢であり鉄鋼業界も例外ではない事を正確に認識出ていないのではないか。出来ていれば、真っ向から反対など出来るわけがないから」と言う点だ。
<引用終わる

JIJIの報道:
バイデン大統領は声明で、買収計画は「国家安全保障と重要なサプライチェーン(供給網)にリスクをもたらす」と述べ、安保への懸念を強調した。

ただ、米シンクタンクのハドソン研究所によると、USスティールの取引先は自動車や建設など民間部門が多く、国防関連先に鉄鋼を供給していない。また、国防総省が必要とする鉄鋼は米生産量の3%にとどまり、米鉄鋼業界は十分な生産量を確保できているという。

また、USスティールのブリット最高経営責任者(CEO)は3日、バイデン米大統領が日本製鉄による買収計画を阻止したことについて、「恥ずべき、腐敗したものだ」と批判する声明を発表した。「バイデン氏の政治的腐敗と闘うつもりだ」と述べ、法廷闘争を示唆した。このように米企業のトップが、現職大統領を強い言葉で批判するのは異例なのだそうであると聞いた。

USスティールの反応:
CEOブリット氏は声明で「経済、安全保障上の重要な同盟国である日本を侮辱し、米国の競争力をリスクにさらした」とも指摘。中国が不当に安価な鉄鋼を輸出し、市場支配を強めていることを念頭に、「中国共産党指導者は小躍りしている」と語り、買収阻止は中国を利することになると主張した。

日本製鉄はアメリカ政府に対して法的措置を講じる意向。バイデン米大統領が買収中止命令を出したことを受け、日本製鉄とUSスティールは3日、「明らかに政治的な判断だ」とする共同声明を発表した。今回の判断は適正な手続きが取られず、法令違反だとして米政府を提訴する方針を明らかにした。  

声明で両社は「この決定はバイデン大統領の政治的な思惑のためになされたものであり、米国憲法上の適正手続きと、対米外国投資委員会(CFIUS)を規律する法令に明らかに違反している」と批判し、「法的権利を守るためにあらゆる措置を追求する」と表明した。 

声明は「日鉄による買収は、米国の国家安全保障を弱体化させるのではなく、強化するものであることは明らか」として、買収計画が米国鉄鋼業界全体に利益をもたらすものであると主張した。

その上で「同盟国である日本をこのように扱うことは衝撃的で、非常に憂慮すべきことだ。米国へ大規模な投資を検討しようとしている米国の同盟国を拠点とする全ての企業に対して、投資を控えさせる強いメッセージを送るものだ」と外交関係にも言及しながら厳しく非難した。「我々は決して諦めない」とも述べ、米政府に対する提訴を含め対応策を講じる考えを示した。

結び:
上述のように、当方の見解と各社の報道を纏めてみると、このような論調になるのである。私にはバイデン大統領はナショナリズムに走ったことで大衆受けを狙ったのではないかと見えるのだ。

上手い喩えにはならないかもしれないが、バイデン大統領はこの事態を処理するに当たって、「木を見て森を見ず」のような手を打ってしまったのではないのか。