内側からアメリカを見てきた経験から言えば:
この度のワシントンDCでの安倍総理とオバマ大統領の記者会見を聞いて(恐らく一部分だけが流れたと思うが)つくづく民主党政権下でと言うか、オバマ大統領の着任後にアメリカは弱くなったものだと、今更ながら痛感させられた。同時に情けないと嘆きたい思いもあった。昨29日夜のBSフジのPrime Newsでは藤崎一郎元駐米大使が、この度の総理の訪米を「嘗てない厚遇」と評していたが、私はそこにもアメリカの弱体化を見る思いがあった。
私は1972年夏から1994年1月末までアメリカの大手紙パルプ林産物メーカーの事業部の一員として日本に駐在し、アメリカのビジネスの精神と思想と哲学の下に、アメリカを内側から我が国を見てきたのだった。その立場から見るアメリカの企業の実態は、失礼を顧みずに言えば、「アメリカに駐在乃至は留学された方々が見てこられたものとはかなり異なったものである」と言えると信じている。
同時に私は我が国の会社では課長の端くれまでしか経験していなかったが、それなりに我が国の企業社会の文化を心得ていたので、アメリカ側の一員として活動する上に大いに役立ったと思っている。その約22年の経験と子供の頃から英語に慣れ親しんできたことから言えば、当時のアメリカは我が国を指導するべきたちがにあると思っているのか、あるいは相当程度意のままに動かせる系列会社の如くに見なしていたかの如き風潮があったと言える。
93年一杯の実質的な在職時に良く言ってきたことは「この世の流れを創り出しているのはアメリカであって、未だ残念ながら我が国はそこまでの地位を確立していない。しかも、アメリカで始まった新たな波は好むと好まざるとに拘わらず必ず我が国に及んできて、大きな影響を与えてしまうものだ」だった。換言すれば、アメリカ世界最大の経済大国であり、技術的にも最先端を行っていた国だったということになる
私がこれを言いながら何時も危惧していたことは「我が国には何時まで経っても米欧崇拝精神から離れられない人が多く、多少以上無批判に新しい流れに飛びついてしまう傾向が残っていること」だった。そのアメリカもクリントン政権が誕生した頃には、徐々にスーパーパワー的な要素が薄くなり、ジャパン・アズ・ナンバーワン等と煽てられるようになった反面「ジャパン・バッシング」だの「ジャパン・ナッシング」等とも言われ始めていた。
このアメリカの弱体化は”Yes, we can.”と”Change!”で売り出したオバマ大統領が出現してからリーマン・ショック等も影響して徐々に加速し、今日のような世界の警察官の役目を放棄した、中国に軽視され、ロシアを扱いかねて、中近東を一層混乱させ、挙げ句の果てにISILの如き無法集団を出現させてしまった弱いアメリカになってしまったのであると、私は見ている。
藤崎元大使が「厚遇」と形容されたことが表しているのがこの「弱くなったアメリカ」に他ならないと思う。現在の世界の情勢でオバマ大統領は何処か他国の指導者を肝胆相照らした間柄を確立されているだろうか。いや、ないだろう。私はこれまでに繰り返してオバマ大統領を批判してきたので、ここではそこに言及は避ける。だが、アメリカとオバマ大統領は真の意味の同盟国を必要とする重大な時に直面している。
それだからこその「厚遇であろう。私はあの記者会見でのオバマ大統領の語りを聞いていたが、演説が上手いとの俗説とは全く異なってほとんど顔を上げることなく原稿を読んでいたし、質問に答えた際の何を言いたいのかサッパリ解釈できない回りくどい表現を聞いて非常に失望させられた。後に出た安倍総理が明解に(日本語で)語られただけに対照的だった。
一般論だが、人は自信がない時ほど沢山言葉を使って長い時間しゃべって、何とか意志を伝えたがるものだが、それがかえって逆効果で焦点がぼけてしまうものだ。オバマ大統領はその典型的な例を示してしまっていた。しかも、彼が語った内容は言わば我が国と安倍総理を持ち上げるが如き感が濃厚で、私にはアメリカと民主党政権の弱体化をまざまざと見る思いだった。
私は以前からアメリカの民主党政権はクリントン大統領以来我が国に対して極めて冷淡で冷たい仕打ちが多かったと指摘してきたし、オバマ大統領の就任は我が国にとっては「悪いお知らせ」だと言ってきた。だが、事ここに至って今回の「厚遇」である。私はここで我が国はアメリカを見くびる必要など毛頭なく、同盟関係を一層強化して蔓延り続ける中国に真正面と裏面から対応していくべき時だと考えている。
だが、我が国には左寄りな反日的な勢力のみならず、彼等の回し者であるかの如きマスコミがいる。彼等は何かといえば「中国は世界第二の経済大国で、遠からずアメリカを抜いて最大の云々」などとほざく。だが、彼等は仮令中国の政治・経済とうの実態を承知していても、本当のことは言わないし言えないのだろう。
私は長い間紙パルプ産業界にいて、環境保護と維持の投資がどれほど巨額になるものか、環境問題論者の主張通りにすれば幾ら投資し改善してもそれは「帰ってこない投資」(リターンがない投資)に終わると承知している。中国はこれから紙パのみならずあらゆる産業界でこういう投資(インフラストラクチャーとでも言うか)をするべき状態である。
現時点で、中国経済にそれだけの負担に耐える力が備わっているのかは疑問ではないのか。しかも、その一方であれだけの予算を軍備に割いているのでは無理があるのではないのか。これは所謂有識者が挙って指摘されているではないか。
話しが本題から外れた。私は今こそアメリカの関係を強化しておくべき時だし、必要に応じてアメリカを陰に陽に支えて置かねばならないと思う。だが、1970年代に我が国のある大手メーカーに一家言ある取締役がこう言われた「アメリカそもそも我が国には及びもつかない力を持っている。一時期彼らが弱ったかに見えても無償で何らかの技術などを提供してまで援助するべきではない。我が国は何時までもお人好しでいるべきではない」を思い出す。
私は「止まない雨はないし、明けない夜はない」と信じている。アメリカが何時まで弱っている訳がないだろう。大統領が交替すれば華々しく復活してくるのではないだろうか。その時に備える手を安倍総理は着々と打っておられるものと考えている。
この度のワシントンDCでの安倍総理とオバマ大統領の記者会見を聞いて(恐らく一部分だけが流れたと思うが)つくづく民主党政権下でと言うか、オバマ大統領の着任後にアメリカは弱くなったものだと、今更ながら痛感させられた。同時に情けないと嘆きたい思いもあった。昨29日夜のBSフジのPrime Newsでは藤崎一郎元駐米大使が、この度の総理の訪米を「嘗てない厚遇」と評していたが、私はそこにもアメリカの弱体化を見る思いがあった。
私は1972年夏から1994年1月末までアメリカの大手紙パルプ林産物メーカーの事業部の一員として日本に駐在し、アメリカのビジネスの精神と思想と哲学の下に、アメリカを内側から我が国を見てきたのだった。その立場から見るアメリカの企業の実態は、失礼を顧みずに言えば、「アメリカに駐在乃至は留学された方々が見てこられたものとはかなり異なったものである」と言えると信じている。
同時に私は我が国の会社では課長の端くれまでしか経験していなかったが、それなりに我が国の企業社会の文化を心得ていたので、アメリカ側の一員として活動する上に大いに役立ったと思っている。その約22年の経験と子供の頃から英語に慣れ親しんできたことから言えば、当時のアメリカは我が国を指導するべきたちがにあると思っているのか、あるいは相当程度意のままに動かせる系列会社の如くに見なしていたかの如き風潮があったと言える。
93年一杯の実質的な在職時に良く言ってきたことは「この世の流れを創り出しているのはアメリカであって、未だ残念ながら我が国はそこまでの地位を確立していない。しかも、アメリカで始まった新たな波は好むと好まざるとに拘わらず必ず我が国に及んできて、大きな影響を与えてしまうものだ」だった。換言すれば、アメリカ世界最大の経済大国であり、技術的にも最先端を行っていた国だったということになる
私がこれを言いながら何時も危惧していたことは「我が国には何時まで経っても米欧崇拝精神から離れられない人が多く、多少以上無批判に新しい流れに飛びついてしまう傾向が残っていること」だった。そのアメリカもクリントン政権が誕生した頃には、徐々にスーパーパワー的な要素が薄くなり、ジャパン・アズ・ナンバーワン等と煽てられるようになった反面「ジャパン・バッシング」だの「ジャパン・ナッシング」等とも言われ始めていた。
このアメリカの弱体化は”Yes, we can.”と”Change!”で売り出したオバマ大統領が出現してからリーマン・ショック等も影響して徐々に加速し、今日のような世界の警察官の役目を放棄した、中国に軽視され、ロシアを扱いかねて、中近東を一層混乱させ、挙げ句の果てにISILの如き無法集団を出現させてしまった弱いアメリカになってしまったのであると、私は見ている。
藤崎元大使が「厚遇」と形容されたことが表しているのがこの「弱くなったアメリカ」に他ならないと思う。現在の世界の情勢でオバマ大統領は何処か他国の指導者を肝胆相照らした間柄を確立されているだろうか。いや、ないだろう。私はこれまでに繰り返してオバマ大統領を批判してきたので、ここではそこに言及は避ける。だが、アメリカとオバマ大統領は真の意味の同盟国を必要とする重大な時に直面している。
それだからこその「厚遇であろう。私はあの記者会見でのオバマ大統領の語りを聞いていたが、演説が上手いとの俗説とは全く異なってほとんど顔を上げることなく原稿を読んでいたし、質問に答えた際の何を言いたいのかサッパリ解釈できない回りくどい表現を聞いて非常に失望させられた。後に出た安倍総理が明解に(日本語で)語られただけに対照的だった。
一般論だが、人は自信がない時ほど沢山言葉を使って長い時間しゃべって、何とか意志を伝えたがるものだが、それがかえって逆効果で焦点がぼけてしまうものだ。オバマ大統領はその典型的な例を示してしまっていた。しかも、彼が語った内容は言わば我が国と安倍総理を持ち上げるが如き感が濃厚で、私にはアメリカと民主党政権の弱体化をまざまざと見る思いだった。
私は以前からアメリカの民主党政権はクリントン大統領以来我が国に対して極めて冷淡で冷たい仕打ちが多かったと指摘してきたし、オバマ大統領の就任は我が国にとっては「悪いお知らせ」だと言ってきた。だが、事ここに至って今回の「厚遇」である。私はここで我が国はアメリカを見くびる必要など毛頭なく、同盟関係を一層強化して蔓延り続ける中国に真正面と裏面から対応していくべき時だと考えている。
だが、我が国には左寄りな反日的な勢力のみならず、彼等の回し者であるかの如きマスコミがいる。彼等は何かといえば「中国は世界第二の経済大国で、遠からずアメリカを抜いて最大の云々」などとほざく。だが、彼等は仮令中国の政治・経済とうの実態を承知していても、本当のことは言わないし言えないのだろう。
私は長い間紙パルプ産業界にいて、環境保護と維持の投資がどれほど巨額になるものか、環境問題論者の主張通りにすれば幾ら投資し改善してもそれは「帰ってこない投資」(リターンがない投資)に終わると承知している。中国はこれから紙パのみならずあらゆる産業界でこういう投資(インフラストラクチャーとでも言うか)をするべき状態である。
現時点で、中国経済にそれだけの負担に耐える力が備わっているのかは疑問ではないのか。しかも、その一方であれだけの予算を軍備に割いているのでは無理があるのではないのか。これは所謂有識者が挙って指摘されているではないか。
話しが本題から外れた。私は今こそアメリカの関係を強化しておくべき時だし、必要に応じてアメリカを陰に陽に支えて置かねばならないと思う。だが、1970年代に我が国のある大手メーカーに一家言ある取締役がこう言われた「アメリカそもそも我が国には及びもつかない力を持っている。一時期彼らが弱ったかに見えても無償で何らかの技術などを提供してまで援助するべきではない。我が国は何時までもお人好しでいるべきではない」を思い出す。
私は「止まない雨はないし、明けない夜はない」と信じている。アメリカが何時まで弱っている訳がないだろう。大統領が交替すれば華々しく復活してくるのではないだろうか。その時に備える手を安倍総理は着々と打っておられるものと考えている。