新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

2月23日 その2 アメリカの元同僚から

2025-02-23 13:48:56 | コラム
トランプ大統領の振る舞いについて:

私からは、このところやや常軌を逸しているかのようなトランプ大統領の言動について、元の同僚の意見を訊いてみた。

>引用開始
彼は常識的に使われている言葉を誤用していると思う。即ち、常識とは「何らかの決定から生じる結果が、有益か有害かを考察する思考過程」である。然るに、トランプ大統領(イーロン・マスク氏も)の言動を総合的に見れば、アメリカ人全体にとって望ましい結果が生じるかどうかを考慮していないと言わざるを得ない。トランプ大統領は1月の就任式で誓った憲法を擁護する宣誓を明らかに無視しているのではないか。

私はトランプ大統領の情緒不安定かと不安に思わせられる.一貫性のない不当とも言える振る舞いによって、全世界に危害を与えているのかもしれないと危惧している。我が国や外国での多くの世論調査の結果でも、トランプ大統領の政治姿勢についての懸念が示されており、彼の人気は低下している。さらに、大統領の精神的な不安定さを懸念する声すら上がっている。
<引用終わり

と、上記のように答えてきた。そもそも、彼はトランプ支持者ではないのだから、厳しい言い方になっているのは不思議ではないと思う。私はすでに指摘したように、トランプ流の「MAGA」と「アメリカファースト」が如何なる結果を生じるかは、当面はジッと見守っていくしかないと思っている。

世相雑感

2025-02-23 07:53:05 | コラム
由無し事を:

デフレ、インフレ、それとも物余り:
高田馬場駅前で驚安の殿堂・ドン・キホーテが繁盛している。一昨日も何処の国から来たのかも分からないインバウンドの若者風が「大きなトローリーケースお買い上げ」で、嬉しそうに引っ張っていった。だが、わざわざここまで来てまで買う訳が解らない気がした。

その直ぐ近くに昨年だったかに開店したOドラッグがある。出始めは素性が解らなくて、さして繁盛していなかった。その売値の安さが徐々に認識され始めるや、かなりの賑わいになった。その安さは多くの品種で近所の「殿堂」をも凌いでいるほど。物によっては20~30%もご近所を下回ることがある。大まかな捉え方では、兎角の評判がある殿堂以上に巧みに仕入しているようなのだし、現金のみしか受け付けない。

殿堂のやや新宿寄りのところには衣料品の「しまむら」がある。女性用の衣類が主力だと思っていたが、どうやら男性用にも注力している模様。私は下着の在庫補填に何点か買ってみたが、品質・価格とも申し分なかった。「なるほど。繁盛している訳だ」と納得した。先週末に入ってみたが、ここでもセルフレジが導入されていた。

これらの3店から思う事は「我が国(または東京)では、未だ品物によっては供給過多で処分せざるを得ない状態が続いているようだし、インフレと物価高を憂うる声があるとはいえ、店の選び方と買い方次第では、経済的な値段で入手できるということのように思えてならない。ならばデフレが続いているのか。

だからこそ、郊外に立地する「アウトレット」に人気があるのかもしれないが、これらの3店は東京の真っただ中だ。

スモールホテルと民宿:
ここ新宿区百人町界隈にもG7(8にしようと提案した大統領もおられたが)以外からのインバウンド様が数多く訪れている。彼らの人品骨柄から見ても、財務省が喜ぶ8兆円だか9兆円の国庫の収入に貢献して下さるとも思えない。

我が家と新大久保駅の中間に、てっきりアパートだと思っていた低層の集合住宅がある。最近はそこから多くの外国人が大きなトローリーケースを引きずって出てくるし、時にはアルファードが迎えに来ていることもある。ここにはホテルという標識も出ていないし、アパート風の外見は変わっていない。ということは民宿に転換したのだろうか。

その通りの反対側の路地の奥の小さな2階建てには、外壁に新宿XXホテルと書かれている。リチャード・ロジャースが1936年だったかに作った“There’s a small hotel”を思い出させてくれた、将に「スモールホテル」だ。先週、ここから英語ではない言葉を話す白人が3人出てきたのに出会った。

言いたい事は「インバウンド様が増えた結果、オリンピック以来の出来事で、このような場末にまで宿泊する以外に、日本探訪の機会が得られなくなったという事態か」のようなのである。石破さんは「オーバーツーリズムを生じさせてまで外国人を呼び込む政策が適切なのかどうか」の検討を始めても遅くないような気がしてならない。

宮嶋茂樹氏の「直球&曲球」から:
この兵庫県出身のカメラマンの関西風の言葉で表現される直言は、いつも楽しく読んでいる。去る20日にもウクライナ問題を論じて「不肖・宮嶋、最近体調を崩し(中略)侵攻直後から4度訪れ、前線から人々の暮らしまで、そこいらの学者センセイ方よりも、身近に、つぶさに現場を見てきた」と言っていた。私はこういう表現が好きだし、現場を見て経験してから語ることが重要だと思っている。

何が言いたいのかといえば、ここから先は我田引水だろうし、手間味噌と批判されそうなことなのだ。即ち、私はアメリカの製造業界、そのアメリカの企業社会の文化と我が国との相違点等々をリタイア以来、機会あるごとに語ってきたし、書いてきた。

だが、その主張と見解は、22年にも及んだアメリカの大手企業に勤務し、彼らの家庭にも招かれて家族とも交流した実体験に基づいているので、宮嶋氏風に言えば「学者センセイや有名なジャーナリストの方々とは趣を異にしている」ので、多くの場合に「変わったことを言う人」風に解釈されてしまうようだと、少し僻みたくもなっている。

換言すれば、取材するとか、資料・統計を見るとか等の伝聞ではなく、「百聞は一見に如かず」なのだから、自分から入って行って現地の市民とまで交流し、文化に奥深く触れようよ」ということ。アメリカの家の台所に入って、依頼されたすき焼きをやって見せたところ、「美味い」と喜ばれはしたが「二度とこれほど台所を汚す料理をしようとは思わない」と言われたことがあるから言うのだ。

トランプ大統領の話題から離れよう

2025-02-22 08:16:36 | コラム
久しぶりに軽めの話題を:

*口癖:
その昔にフランク永井という歌手が歌った歌謡曲に「ABC・XYZ、これがおいらの口癖さ」という歌詞があった。こんなアルファベットを口癖にした人が本当にいたのだろうかと疑ったことを覚えている。

「ま、あのー」編:
先ほどMLBに移籍した佐々木朗希投手の一般女性(って何を言いたくて使うのかな)との結婚が発表され、記者会見があったようだった。佐々木はしきりに「ま、あのー」と言ってから語り始めたのだが、聞くともなく聞いていると、短い話の間に5回も「ま、あのー」が出てきたのだった。別に聞き苦しいとまでいう性質の癖ではないが、ここから入っていく人が、国会議員などにも多いのが特徴だ。

この「ま、あのー」には笑ってしまった思い出がある。昭和20年代のことだったと思う。某大学のサッカー部の監督さんは部員たちに長時間の訓示をされるのだったそうで、その話し方の特徴が「ま、あのー」から入っていかれることだった。長話に飽きた部員たちがしたことは「ま、あのー」を数えることで凌いだそうだ。即ち「今日は10回だった」や「いや、俺には11回に聞こえた」と言うような具合に。

“you know”編:
某アメリカ企業の東京事務所に、アメリカの州立大学出身者で書いても話しても非常に優れた英語能力の持ち主がいたそうだ。だが、彼の話し方の口癖にあまり褒められたことではない“you know”の多用があったそうだ。この“you know”がstaff meetingでの発言などで始まると一同がウンザリさせられたとか。そこで、彼らがとった作戦は、発言を聞かずに“you know”を数えることだったそうだ。

ここでは、偉そうに言っておきたい事は「英語の世界では“you know”と言う表現を話しの中に挟むことは、その人物の教養のほどを疑われることになる」という重要な点である。私がこれまで使ってきた言い方は「“you know”を多用することは、必ずしも貴殿が『有能』であると示すことにはならない」だった。お解りいただけただろうか。

*フジテレビ:
このテレビ局が「中居正広氏」関連の問題を起こした(3年ほどだったか前の一件を週刊文春に掘り起こされ)時に、フジテレビを方々で批判し非難して言ったことが「報道機関としてあるまじき所業」だった。私はこれを聞いて「フジテレビが報道機関だった」と初めて知って、不明を恥じた。フジは自ら「面白くなければテレビじゃない」と称して、報道機関であることを放棄したのだと信じていたので。

私はこの中居に端を発した事案が何時になったら収束するかには殆ど関心も興味もない。これが何時になったら解決するかよりも「103万円の壁」の問題や「高額療養費制度改正(改悪?)」等々の方が我が国にとっては遥かに重大な問題だと思っているのだが。

*人手不足:
今更敢えて取り上げる必要はないかもしれないが、我が国にとっては益々重要な問題になってきたと思う。と言うのは、つい二・三日前に何処かのテレビ局が「引っ越しできなくなるかもしれない危機」を取り上げていた。私は今更ながらある程度以上の衝撃を受けたのだった。番組の結論は「進学と人事異動による動きが本格化する前の3月初旬ならば問題なく引っ越せる」だった。

その番組で印象的だったのが「引っ越しを請け負った運送会社が同じ大きさの段ボール箱を次々と運び出して、トラックにキッチリと隙間なく積み上げていた」様子だった。箱にはこの会社独自のデザインの模様が印刷されていた。番組で強調されていた点は「引っ越しの費用は季節次第で高騰するが、最早費用の上昇は防げる性質ではない」という厳しい現実だった。

そこで、運送業界に詳しい関係者に尋ねてみた。矢張り、最大の問題は「人手不足とそれに伴う人件費も高騰」であるそうだ。特に、ドライバー不足は慢性化しているし、要員も容易に集まらないので、ドライバーと2人のアルバイトで仕事を請け負えば、人件費だけで6~7万円にも達するので、高騰するのは止めようがないのだそうだ。

規格化された段ボール箱を使うのは積載効率を良くするためには必須であるし、箱は仕入れ商品であるので、経費として請求していく性質だそうだ。と言う事は「箱に入りきれない家具や道具が多くなると、作業に長時間を要し効率が悪くなる危険性が高くなるので、下見の段階で「我が社にはできません」と辞退することもあるのだそうだ。そう聞いてみれば「断られた」という例が放映されていた。

何とも難儀な時代になったものだと思って聞いていた。ドライバー不足は都内でも近県でも生じ始めていて、路線バスの便数がどんどん減らされている。車の運転したことがないというか、免許を取ろうともしなかった私には良く解らないことだが、聞くところでは我が国のバス等の運転免許取得が容易ではないことも、高くはない賃金とともにドライバー不足の最大の原因の一つだとか。

それならば、改善すれば良いじゃないかと思うのだが、管轄する官庁も政府もそこまでの関心はないかのように聞こえた。人手不足が問題になってきた国に、その問題の拍車をかけるようなインバウンド様が何千万人も入ってくださったと喜んでいるのは、矛盾しているのではないのかな、石破さん。

余談になるが、先月訪れた熱海のホテルで風呂場の掃除に来た係員が、新宿区では見かけたことがない顔つきだったの「英語は解るか」と切り出して尋ねてみれば、スリランカ人(Sri Lanka)で以前のセイロン島。公用語はシンハラ語だが、英連邦に属しているので、英語は解る。長期化していた内戦は終息したようだが経済的な危機が続いているので、我が国に脱出してくる者が増えたようだ。

トランプ大統領の相互関税政策への対応は

2025-02-21 06:31:47 | コラム
トランプ大統領は関係諸国が対策を立ててくるとは想定していないのか:

昨日からしきりに報道され始めた「トランプ大領のゼレンスキー・ウクライナ大統領に対する物議をかもした発言」があったが、今回も相殺関税について論じていこうと思う。

昨20日に朝日新聞は「武藤容治経済産業相が3月に訪米し、米上院で商務長官の人事が承認されたラトニック氏らトランプ政権の閣僚と会談する方向で調整に入った」と報じていた。10日以上も先の話だが、計画があることは“Better late than never.”であろう。私が懸念することは「トランプ大統領に忠誠を誓った閣僚やトランプ政権の要人を説得できるのか」という点だ。

私は「連結の売上高は45.2兆円、利益は53.3兆円、従業員38万人」というトヨタ自動車では、豊田会長が全社員に「25%のトランプ関税に対応すべく生産を合理化し(協力工場にも協力してもらい)、一層のコスト合理化を果し(関税分を何%か負担して?)、輸出価格を引き下げる渾身の努力を」という大号令をかけるということもあり得るのではと想像している。

マスコミ報道は「ただただ大変だ、大問題だ。日本の産業界を危機が襲うのでは」と騒ぎ立てるばかり。著名なエコノミストたちも危機感を煽っている気がする。恰も日本の政財官界が拱手傍観ばかりで、打つ手がないと言わんばかり。そんな事があるのだろうか。いや、ないだろうと期待している。

私はトランプ大統領があそこまでの大幅な関税を賦課するとの強硬な方針を打ち出した以上、関係各国がひれ伏すことなく、猛烈に反撃してくることくらいを予想しているだろうし、その場合に打ち出す二の矢、三の矢(contingency plan)くらいは立ててあると思うのだが。

また、アメリカ式の商法という視点から考えれば、アメリカの輸入車ディーラーが関税対策で利幅を引き下げて売りに出るか否かは極めて疑問だと思う。だが、日本のメーカーが懸命の努力でコストの合理化を図り輸出価格を引き下げて対抗することは想定可能な範囲内ではないか。また、これにより、日本車の国内販売価格が関税ほどには高騰しなければ、熱心な日本車の需要層が買い続ける可能性があるのではなかろうか。

私のアメリカの知り合いのビジネスマンの中には「自分の好みの性能と品質と価格の車を買うときに、貿易赤字や国益を考えて国産車を買おうとまでは考えてはいない」とまで言い切った者がいた。トランプ大統領は高率の関税をかけてまで、自国民の好みにまで立ち入ることができるのだろうか。

先日、林官房長官が「自動車産業は日本の産業の根幹をなしているのだから、考え直してくださいと申し入れたい」と言った気の弱さには失望した。相手国に与える損傷が大きくなるのからこそ、トランプ大統領がそこを狙って、何かを引き出すdealの材料にしようとしているのだから、臆することなく「その手には乗りません。我が方は対策を考慮中」くらいのことを言って欲しかった。

私はどうしても、トヨタに「多額の関税を払いたくなければ、アメリカに工場を作って云々」というトランプ大統領の脅迫めいた表現は見当違いだと思わざるを得ない。要点は「関税を支払うのはトヨタではない」のだから。問題は「トランプ大統領の関税についての誤解と誤認識を、我が方から指摘して訂正させるにはどうすべきか」の手段を練り上げるが必要だと思う。

願わくは「石破首相、岩屋外相、武藤経産相にそこまでやってやろうという強行突破の姿勢とそれを支える度胸があること」ではなかろうか。長年の国際交渉の経験から言えば「頑固に自説に固執する偉い人ほど、その弱点を恐れることなく(慣れるまでは恐ろしいことだが)強硬について出ると、結局は突き崩せることがある」のである。

ここまでくると、残念なことは、故安倍晋三元総理の「トランプ大統領と付き合う方法」と、そこに必要な知恵に学べなくなったことなのかも知れない。このトランプ政治への対応策は、この度の関税問題だけではなく、これから先の4年間にも通用することを忘れてはなるまい。

続・多額の関税を払いたくなければ

2025-02-20 05:42:40 | コラム
トランプ大統領が推し進めている相殺関税について:

昨日の「多額の関税を払いたくなければ」の関連で、TK博士から下記のように知らせて貰ったので引用しますと、

>とあるネットの書き込みで、トランプは思いつきでものを言っているだけなのでとりあえず、言わせておいて後で「できませんでした」と言えば諦める、ようはボケ老人と同じだ、という説明をするのを見つけました。その通りだと思います。こういう人は、真っ向から否定すると、激怒します。

とあって、私は「なるほど。面白い見方だ」と感じ入って読みました。

私は長年のアメリカの会社暮らしの間にでも、80歳近い人と出会うとか、膝を突き合わせて語り合った経験がなかったので、トランプ大統領がどれほど老化したのかは判断しかねます。だが、どう考えてもやや常軌を逸しているのではないかと思わせられる点があるようだと感じています。

今朝ほど、元の同僚はから「トランプ大統領は側近から関税について進講があったのだろうとは見ている。だが、彼は全く気にかけていないのではないか。因みに、我が家ではメキシコ産の食材を数多く使っているので、その価格がどうなるのか、暫く見ているしかないだろう」と言ってきました。

また、先ほど例によって帰りのバスの時間までの10分ほどの間に、ジムのサロンで読んだNY Timesには、

「トランプ大統領とプーチン大統領の会談は早期に実現しないのかもしれない。それは、プーチンはNATO(ヨーロッパの諸国)からも会談に参加して話が進み、ロシアにかけられた制裁が速やかに解除されて欲しいと願っているようなのから。それに、国内では制裁の為に猛烈なインフレが進行中だし、毎日1,000人の兵士が亡くなっている現状を何とかせねばならないのだ」

とありました。実は、残念ながら何とかここまで読んだところで、時間切れでした。既に、何度か述べてきたように「我々の取るべき姿勢は『どうなる事か』と見守っているしかないのでは」ではないだろうかと言って終わります。