新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

トランプ大統領、如何に貴方様でも

2025-04-14 06:56:16 | コラム
Press conferenceで“kiss my ass”はないでしょう:

先ず、お断りしておくと、本稿はトランプ大統領の言葉遣いの批判ではなく、「英語の品格」の話であるとご承知おき願いたい。

この表現がテレビのニュースで流れてきた時には驚きも呆れもしなかった。彼の前任期に立候補した時から非常識な品位に欠けた言葉遣いが多く、大いに疑問に感じていたのだから。特に、第45代大統領となってからは、公開の席で普通の階層とそれ以上に属する人たちの間では遣う事などあり得ないswearword(「汚い言葉」と訳してはnuance=微妙な感覚は表せない)を平気で遣うようになってしまった。

その品位に乏しい言葉遣いをする理由を、私は「トランプ大統領は自分の支持層には圧倒的に非知識階層に属する者が多く、特に大統領自身がworking classと表現した労働組合員が多いと解ってきたからだろう」と見ていた。

我が国に生まれ育っては信じがたいことだが、アメリカのような移民が多い国では、識字率が79%だと一般的に認識されているし、94年にUSTRのカーラ・ヒルズ代表も労働者階級に属する人たちにそのような傾向がある点を認める発言をしておられた。そう言う事実から考えても、今回のトランプ大統領の言葉遣いは「誰に向かっての事だったか」は解ってくるのだ。

テレビ局はあの表現を「媚びへつらう」とか「お追従を言う」という柔らかな意味に訳していたが、遠慮していたのは明らかだ。「多くの国があれをします、これをしますから宜しくと言って、諂ってきたぞ」と、誇示されたのだった。だが、このkiss云々の本来の意味はそんな生やさしいことではなく、思い切り見下げているのである。

AIが非常に明快に説明しているので、参考までに引用しておこう。

>引用開始
日本のメディアが「諂う(へつらう)」とか「媚びを売る」と訳すのは、意味としては大筋で間違っていませんが、英語の原文に含まれるニュアンスの強さや、生々しさまでは到底伝わりきっていないと感じます。

「Kiss my ass.」は単なる「ご機嫌取りをしている」という意味ではなく、もっと蔑視的かつ侮辱的な感情を込めた表現であり、しかも公共の場で口にするとなると、常識を疑われても仕方がないレベルです。アメリカ人の中でも「品位のかけらもない」と受け取る人は少なくありません。
<引用終わる

石破首相がこういう言い方を公開の席でするかという事。そんな訳がないでしょう。トランプ大統領は90日の猶予期間を設定したことで、関係する各国が懸命になって接触してくる状態に気持ちが高揚してしたのか、ついついこんな言葉で表現されたのだろうと解釈する。

だが、「アメリカの大統領が遣われた以上、良い言い方なのだろうから、俺も遣ってみよう」などと絶対に考えないよう、厳重に警告しておく。私は知っていても、冗談にも遣ったことなどない言葉である。

4月13日 その3 「Tariff作戦の零れ話」の訂正版です

2025-04-13 16:05:37 | コラム
「相互関税賦課作戦の余話」の続編:

100%超の関税はお断りという意味:

オバマ政権は2010年に華僑資本のAsia Pulp & Paperからの印刷用紙に136%を掛けて締め出しに成功したと言うよりもAPPにアメリカ向けの輸出を諦めさせてしまったのだったほど、136%は強烈だったという事。

それだけでも大きな効果を発揮したのだったが、返す刀で輸入紙排除作戦を続行して、ドイツから輸入していたキャッシュレジスターの領収書用に使われていたドイツから輸入していた感熱紙までも、高関税でシャットアウトしてしまった。

だが、この紙には特殊なコーティング剤が塗布されているのだが、それがアメリカでは製造出来ないので、メーカーにドイツに進出させて製造させ輸入していたのだった。それでも「輸入紙はダンピングで怪しからん」とばかりに、高率の関税を掛けて閉め出してしまった。現在のtariff作戦とは状況が違うが、オバマ政権以前でも強硬な貿易赤字削減策は採られていたのだった。

当時のアメリカの官庁も政府高官も、自国の産業と輸入の内容を完全に把握出来ていなかったことが解る失敗だった。業界でも「何をやっているのか」と批判された。トランプ大統領は流石にスマートフォンを適用外とされたと報じられた。補佐役の側近はこのような情報を手抜かりなく、素早く大統領に上げて置くべき事案ではないのか。

赤沢亮正大臣に助言すれば:
既に触れたことで、問題は「我が国がアメリカの貿易赤字を大幅に削減出来るような輸入品があるのか」という事。私の在職中の1990年代には全アメリカの会社中で日本向け輸出金額の第1位のボーイング社だったが、現在は色々と失態があってフランスのAirbus社に追い越されたとか。第2位だったウエアーハウザーは2017年で紙パルプ部門が完全に撤退してしまったのだから、穴を埋められる製品が出来ているのか心配だ。

カリフォルニア米やトウモロコシ等の衲産品では単価が低いから埋め合わせになるかなと疑問に感じている。例えば、牛乳やジュースや日本酒のパックに使われている原紙の輸入価格はトン当たり15万円近いはずだが、米はスーパーで5kgが¥4,000提訴で売られていては、輸入のC & Fの価格はどれくらいなのかと考えてしまう。

赤沢大臣は例えば、「戦闘機を買います」等と手土産を出す前に「アメリカ企業の対日輸出の努力不足を遠慮することなく指摘して、更に「駐留軍の経費を現状以上に負担すれば、アメリカの兵士たちに日本政府に雇用されていることになりかねないか」と、言うべき事と知らせるべき事をハッキリと伝えてほしいものだ。トランプ大統領の誤解と誤認識を正さないと、本当の意味の交渉は始まらないと危惧する。

余談だが、財務長官のBessent氏をカタカナ表記で「ベッセント」と表記するのはおかしい。まるで、ローマ字入力をしているようだ。産経だけが「ベセント」と表記しているのは大いに宜しい事だと賞賛している。

4月13日 その3 Tafiff作戦の零れ話

2025-04-13 15:50:10 | コラム
「相互関税賦課作戦の余話」の続編:

100%超の関税はお断りという意味:
オバマ政権は2010年に華僑資本のAsia Pulp & Paperからの印刷用紙に136%を掛けて締め出しに成功したと言うよりもAPPにアメリカ向けの輸出を諦めさせてしまったのだったほど、136%は強烈だったという事。

それだけでも大きな効果を発揮したのだったが、返す刀で輸入紙排除作戦を続行して、ドイツから輸入していたキャッシュレジスターの領収書用に使われていたドイツから輸入していた感熱紙までも、高関税でシャットアウトしてしまった。

だが、この紙には特殊なコーティング剤が塗布されているのだが、それがアメリカでは製造出来ないので、メーカーにドイツに進出させて製造させ輸入していたのだった。それでも「輸入紙はダンピングで怪しからん」とばかりに、高率の関税を掛けて閉め出してしまった。現在のtariff作戦とは状況が違うが、オバマ政権以前でも強硬な貿易赤字削減策は採られていたのだった。

当時のアメリカの官庁も政府高官も、自国の産業と輸入の内容を完全に把握出来ていなかったことが解る失敗だった。業界でも「何をやっているのか」と批判された。トランプ大統領は流石にスマートフォンを適用外とされたと報じられた。補佐役の側近はこのような情報を手抜かりなく、素早く大統領に上げて置くべき事案ではないのか。

赤沢亮正大臣に助言すれば:
既に触れたことで、問題は「我が国がアメリカの貿易赤字を大幅に削減出来るような輸入品があるのか」という事。私の在職中の1990年代には全アメリカの会社中で日本向け輸出金額の第1位のボーイング社だったが、現在は色々と失態があってフランスのAirbus社に追い越されたとか。第2位だったウエアーハウザーは2017年で紙パルプ部門が完全に撤退してしまったのだから、穴を埋められる製品が出来ているのか心配だ。

カリフォルニア米やトウモロコシ等の衲産品では単価が低いから埋め合わせになるかなと疑問に感じている。例えば、牛乳やジュースや日本酒のパックに使われている原紙の輸入価格はトン当たり15万円近いはずだが、米はスーパーで5kgが¥4,000提訴で売られていては、輸入のC & Fの価格はどれくらいなのかと考えてしまう。

赤沢大臣は例えば、「戦闘機を買います」等と手土産を出す前に「アメリカ企業の対日輸出の努力不足を遠慮することなく指摘して、更に「駐留軍の経費を現状以上に負担すれば、アメリカの兵士たちに日本政府に雇用されていることになりかねないか」と、言うべき事と知らせるべき事をハッキリと伝えてほしいものだ。トランプ大統領の誤解と誤認識を正さないと、本当の意味の交渉は始まらないと危惧する。

余談だが、財務長官のBessent氏をカタカナ表記で「ベッセント」と表記するのはおかしい。まるで、ローマ字入力をしているようだ。産経だけが「ベセント」と表記しているのは大いに宜しい事だと賞賛している。

相互関税賦課作戦の余話

2025-04-13 07:40:06 | コラム
トランプ関税に思う事:

中国からの輸入には145%:
先日取り上げたことで「オバマ政権時代の2010年に、インドネシアと中国に大規模な最新鋭の製紙工場を持つ華僑資本のAisa Pulp & Paper社(APP)からの印刷用紙がダンピングであると商務省(DOC)とITC(国際貿易委員会)が認定して、中国に136%でインドネシアには20%の関税をかけてアメリカ市場から完全に閉め出した先例」があった。

この時は136%という高率は聞いたことがなかったし、実際には余りにも強烈であるとの声が上がっていた。現実的には効果覿面で、APPはアメリカ向けの輸出から撤退してしまった。100%を超える関税とはそれほど凄い効果を発揮していたのだった。だが、この度のトランプ大統領のtariff作戦は特定の一社を対象にしている性質ではない点で話の筋が違う。

余談にはなるが、この時にDOCに反ダンピング関税の賦課を請願したアメリカの印刷用紙メーカーの殆ど全部が、その後間もなくChapter 11と言う民事再生法による保護を申請して倒産した。関税をかけて保護されても、時代の流れである「印刷媒体がインターネットに圧倒されて衰退する流れは阻止出来なかった」という話だった。

私は、今回は「中国がどのような対応策に打って出るか」は大きな問題だし、「アメリカ側にとっても容易ならざる事態だ」としか思えない。私には、ここから先にトランプ大統領と習近平主席がどのような手段で対処するかなどはとても想像も予想も出来ない。

Los Angeles郊外のFashion District:
私は相互関税賦課作戦が開始されることが明らかになった時に、関税の深刻な影響を受けそうな例に、このLos Angeles郊外にあるFashion Districtを躊躇せず取り上げてあった。だが、一般的には域内の治安が不安視され、立ち入らない方が安全と言われていたいようだし、駐在員の方々も「絶対に遠来のお客様をご案内しないように」というのが引き継ぎ書の項目に入っていると語っておられた。

ここは、言うなれば大阪の船場や東京では横山町と馬喰町を足したような大きな問屋街で、中国からの輸入にほぼ全面的に依存してきている。故に、145%の関税が中国からの輸入の衣料品や雑貨類に賦課されれば、存亡の危機が訪れるのではないかと読んだのだ。私は2011年11月にYM氏の発案でSM氏と3人でここを何時間か歩いて回ったので、中国への依存度と言うよりも中国の支配力を痛感してきた。

兎に角、何を買っても安いので、YM氏などはこの街で買える頑丈なコットンのTシャツの「4枚一組$10」を長年愛用しているとかだった。我々3人は記念にと、珍しく白人が店番をしている雑貨屋で、Ray-Ban風のサングラスが3個で$10というのを買ったものだった。

因みに、このFashion Districtの面積は数平方キロメートルに及び、 4,000軒以上の独立した小売・卸売業者が集まり、衣料品、靴、アクセサリー、布地などを販売しているのだそうだ。売り子の殆どはヒスパニックか韓国人だったが、商品は中国製。圧倒されそうな活気に満ち溢れていたのがとても印象的だった。

我が親愛なるマスコミは高関税賦課がアメリカの市場に大きな影響を及ぼすとはほじるが、このFDほど悪影響が出ることが予測出来る場所は他にはないと思うのに、一向に取り上げてこなかった。何をしているのかなと思っていた。

だが、昨12日の早朝のTBSのニュースで「生地の問屋がある有名な商店街」として、初めてこの街が関税に影響されるだろうと報じていた。「遅い」のだが、もしかして現地の駐在員も危険と訊かされて立ち入っていなかったのか。だから情報がなかったのかも知れない。

久しぶりに読売ジャイアンツを語ろう

2025-04-12 06:55:34 | コラム
阿部慎之助監督の野球に思う:

昨11日夜には「真相ニュース」、「報道1930」と掛け持ちで、広島対読売の野球も見ていた。テレビも新聞も大谷翔平の活躍が中心の話題だった所に、トランプ大統領の余りにも激烈な相互関税賦課作戦が世界中を震撼させている事態となり、折角シーズン入りしたNPBの野球の影が薄くなっていた感があった。

そこで、昨夜は森下暢仁対戸郷翔征という両エース投手の投げ合いに期待して、TBSのBSも忙しくチャンネルを変えて見ることにした。戸郷は7年前だったかに出てきた時から、ジャイアンツのファンではない当方は「将来に期待したくない優れた素材だ」と見ていた。その後順調に成長し、今年は菅野がいなくなったので、名実ともにエースとなり、年俸も3億円と選手名鑑に記載されていた。

だが、阿部慎之助監督は古き良き「選手には辛い練習を課した上できつく当たり、精神面を鍛える」という練習法の信奉者のようである。その指導法が功を奏したのか、監督就任1年目でリーグ優勝して見せた(正直に言えば「してしまった」と書きたかったのだが)。具体的には二軍監督を任せられた際には、選手たちに少しの過ちも許さず、直ちにグラウンド一周の罰走を課したと伝えられていた。

そこで戸郷だが、昨シーズン中にも打たれてしまうことが屡々あった。このような局面で、阿部監督は「代えるべきでは」と見えても放置して、打たれるが儘にしておいたのを何回か見た。打たれっぱなしにした理由を「自分で始末させねばならない」とか「こういう経験も必要で、そこを乗り越えてこそ」と言うのだった。これは、古き言い習わし「獅子は我が子を千尋の谷に落とす」を想起させるものだった。

私は2023年にWBCで大谷翔平率いる日本代表が優勝した時の、戸郷が気迫溢れるスプリットだったと記憶するが三振を取った所を見ていたので「この投手も国際試合でのこういう投球が出来るまでの一流に成長したのだな」と印象深く感じていた。昨シーズンも確か菅野に次ぐ12勝したし、今季は開幕投手に起用されていた。

だが、昨夜のように1回で10点も取られ、全く迫力がなく、阿部監督に「打たれても、打たれても」放置され、言わば顔面蒼白のような状態を見せられると、あの23年のWBCの颯爽とした戸郷は何処に行ってしまったのかと嘆きたくもなった。想像を逞しくすれば「戸郷翔征選手は阿部慎之助監督風の精神主義のティーム運営の方針には合ってはいないのか」と思わせられた。事実、即二軍落ちだった。

私は戦時中から蹴球部に入ったが、我が蹴球部はその頃でもおよそ精神主義とは全く無縁の合理的な指導方針だったので、言う所の「厳しい精神主義の指導法」の実態は分かっていない。だが、我が国古来の武道にあるような厳しい精神訓練を否定するものではない。阿部慎之助監督はそう言う指導によって育ってきた選手に見えるので、監督になっても「自分が育てられた方式を採用したのだ」と見えるのだ。

その方式で昨年はリーグを制覇したが、CSシリーズでは敗退となった。今シーズンだってソフトバンクから甲斐拓哉捕手を、屋上屋を架して補強し、楽天が見放した田中将大に残る3勝をさせてやろうと採用するなど、連覇の準備おさおさ怠りない。だが、戸郷翔征だけを育て損なったか使い方が上手く行っていないようだ。これが精神主義の限界か、戸郷だけの問題だったかはシーズンが終われば解るのではないか。

余談になるが、バッファローズで大成長してDodgersに転出した山本由伸投手は、一切ウエイトトレーニングはしてこなかったとか。明らかに、アメリカのMLBに転じて体格が一変した大谷翔平と好対照を成している。ここにも合理主義対精神主義の練習法の対立が見える。だが、私は戸郷翔征が大谷派かどうかは知らない。ジャイアンツ嫌いでも、戸郷翔征には可及的速やかに一軍に復帰して貰いたいものだ。