現実的に考えて見れば:
コロナウイルス問題により、オリンピックの開催の雲行きがやや怪しくなってきた現時点で、IOCの古参委員とかが気懸かりな発言をするし、組織委員会は心配ないと言うし、私には添え物にしか見えない橋本聖子担当大臣はチャンと開催すると言うが、何れも根拠薄弱というか、それ以外ないことを言う訳に行かないので、そう言っているだけの観念論かと思えてならない。そこで、私流に少し現実的に考えて見ようと思う。
先ずはコロナウイルス問題を発生させた大元の中国から。私の知る限りでは中国当局がオリンピックに関連した意見を述べるとか発言したとの報道はなかった。その点は兎も角、中国内で開催されるはずだったオリンピック予選絡みの大会は全て中止になった。その状況の最中で、中国は台選手団を東京に派遣する選考会が出来ていたのだろうか。その点を忘れて、何時も通りに台選手団を7月に送り込んできたとして、その中に湖北省や浙江省出身の選手がいたら、我が国はどうやって対応するのだろう。
次は韓国である。報道されている限りでは今や中国に次ぐ感染者が出てしまった国である。文在寅大統領は先頭に立って指揮されてウイルスを制圧すると言われている。それが可能だったとして、そういう国から選手団が来ると聞いた、未だ未だ感染者が増えていない諸国が、安心して選手団を派遣するだろうか。極端なことを言えば中国と韓国と、感染者数が第3位の我が国の選手団と同じオリンピックヴィレッジに、他の諸国の選手団が一緒に入ると言うだろうかと考えてしまう。そういう不安を払拭する為には、確かにこれから2~3週間が勝負だと思わせてくれる。
ここまでにアジアの3ヶ国だけ採り上げて論じたが、ヨーロッパでもイタリアが(妙な言い方だが)台頭してきたし、政府高官が咳き込んでいたり副大統領が感染していたイランのような国もあった。韓国のようにPCR検査の態勢が整っている国では、その為に感染者が増えている国もあれば、果たして検査が出来る態勢にあるかと疑われている国もあるというではないか。我が国でも某弁護士はテレビ出演して「オリンピックの開催の為に検査の数を増やさずに低く抑えているのでは」との発言をしていた。「まさか」とは思う。
私が考えていることは「世界の各国では感染の初期なのか、果たして初動捜査が良くて制圧出来ているのか、これから本格的に感染が始まるのか」が現時点では確認出来ていないのではないかと言う点だ。その点を何処の誰が調査して確認するのかだろうか。その責任がIOCにあるのか、開催する我が国が全世界を尋ねて回るのか、自己申告に委ねて派遣されてきた選手団を空港で検疫検査さするのか、選手村とやらで「37.5度」か否かを計るのかなどと考え込んでしまう。
私が最も危惧していることは、我が国でその権威に平伏している典型的な白人のクラブであり、独断専行どころか委員たちの中で何事でも決めてしまいそうなIOCの存在である。マラソンの会場を知らぬ間に「札幌」と決めてしまった手法で、延期か、ロンドン移転か、中止かを決めるのは我が国の組織委員会とは、私には思えないのだ。IOCに何かを決められてしまうことを回避する為には「ウイルスの可及的速やかな制圧」しかないと思う。その手段を総理が発表されるや否や、反対と批判の大合唱ではどうにもならないと、野党とマスコミ連合は解っているのだろうか。